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ライスシャワー物語 『疾走の馬、青嶺の魂となり 天に駆けた孤高のステイヤー』  作者: 風花 香
第四章 5歳 復活の兆し 長いトンネル

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45/64

1994年 有馬記念

 第39回グランプリレースのスタートが切られました。


 流石に選びぬかれた13頭、立ち遅れる馬はいません。ナリタブライアンが外枠の方から好スタートを切り一瞬先頭に立つ程でしたが、ここはあの馬が譲りません。


 ツインターボがぐんぐんぐんぐん加速して後続を突き放していきます。2番手に天皇賞馬ネーハイシーザー。


 ナリタブライアンは5番手位に落ち着き、その後ろにナリタブライアンを徹底マークする他馬たちが続きます。その中にはライスシャワーの姿もありました。


 レースも半分を過ぎた向こう正面に至ると、ツインターボと後続との差は50メートル位まで広がっていました。

 場内はどよめきます。記憶に新しい所ではメジロパーマーが大逃げで有馬記念を逃げ切ったことがあります。


 観戦している方たちの中には嫌な予感や淡い期待が膨らんだかもしれません。

 私の主観ではありますが、こういうツインターボやメジロパーマーのような馬がいるとレースが面白くなります。


 しかしそんな不安や心配は杞憂でした。

 残り1000メートルを切った辺りから、白のシャドーロールが進出し始めます。


 ネーハイシーザーをかわし、2番手の位置に上がると後続を引き連れて逃亡者を追います。


 3コーナの曲がりに差し掛かった辺りでツインターボは著しく失速し、ナリタブライアンを始め全馬にごぼう抜きされます。


 大逃げの夢は呆気なく潰えました。


 果たして4コーナーをカーブし直線に向けた最後の勝負どころ。ナリタブライアンが加速して1頭突き抜けます。


 正直、この時のナリタブライアンは格が違いました。強すぎます。

 クラシック三冠を制した七五三の豪脚が再び発揮されると、どの馬も競り合うことなど叶いません。


 外の方から上がってきた女傑ヒシアマゾンが2番手に上がり、その1馬身ほど後ろで3着争いの先頭を走っていたのがライスシャワーです。


 ライスシャワーも復帰初戦、それも強豪が出揃った中での3着と頑張りました。

 ですがライスシャワーも含め、古馬たちはワンツーフィニッシュを決めた新世代の力の前に完膚無きまでに敗れました。


 的場均騎手はナリタブライアンについて後にこのように評しています。


「ナリタブライアンははっきり言って次元が違う。ミホノブルボンとかメジロマックイーンとかいうレベルじゃない。ライスシャワーが完璧な状態だったとしても勝負になるかどうか。歴代最強馬なんじゃないかと思えるくらい」


 相馬眼には定評があり、乗らずに馬が分かる日までを自らの到着点に定めている一流ジョッキー(現調教師)の評価です。


 3歳時点のナリタブライアンは正に破格の強さだったのでしょう。

 


 

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