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ライスシャワー物語 『疾走の馬、青嶺の魂となり 天に駆けた孤高のステイヤー』  作者: 風花 香
第四章 5歳 復活の兆し 長いトンネル

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移りゆく時代

 ライスシャワーの復帰は年末に行われるグランプリレース、有馬記念でした。


 ライスシャワーが春に故障してから復帰するまでの間に競馬界の顔触れも大分変わったものになっていました。


 一つ上の二冠馬トウカイテイオーは、ライスシャワーと同じく春に故障し、天皇賞(秋)を目標に治療していましたが復帰叶わず引退となりました。


 また、一つ下の世代のダービー馬ウイニングチケットも天皇賞(秋)を最後に現役を引退し、芦毛伝説の継承者にして『無敵の兄貴』ビワハヤヒデも天皇賞(秋)のレース中に屈腱炎を発症し、同じく引退となりました。


 上記3頭には種牡馬としての道が開かれており、早期に引退という決断が下せました。引退後の盤石な余生が決まっているのですから。


 しかし、ライスシャワーの未来は定まっていません。だから戦うしかありません。

 ミホノブルボンの三冠をメジロマックイーンの3連覇を。伝説を壊して「この程度の馬のくせに余計なことを」と蔑まれようと、ライスシャワーは自らの走りを武器に、ただただ孤独な戦いに身を投じ続けるしかないのです。


 今や競馬界の中心はこの年のクラシック三冠を制し、史上5頭目の三冠馬となった『シャドーロールの怪物』ナリタブライアンでした。

 この有馬記念ではその兄であるビワハヤヒデとの兄弟対決が熱望されていましたが、残念ながらそれは実現しませんでした。


 またナリタブライアンと同じ世代で最強牝馬の呼び声高い『女傑』ヒシアマゾンも注目を集め、迎え撃つべき古馬たちとの立場は逆転しているかのようでした。


 しかしやはりなんと言ってもナリタブライアンです。単勝人気でいうならナリタブライアンが断トツの1.2倍で、それに続く2番人気の天皇賞馬ネーハイシーザーが12.3倍。


 ヒシアマゾンは牝馬ですからまだしも、果たしてナリタブライアンに古馬勢は太刀打ち出来るのか? いや、できない。それが大方の予想だったのでしょう。


 9ヶ月ぶりの復帰戦ながらライスシャワーは4番人気とそこそこの人気を集めました。

 闘争心に火が付けばこの馬が走る事はわかってはいるのです。


 もしかしたらミホノブルボンやメジロマックイーンを破ってみせた、狙った獲物は逃さないライスシャワーの大物食いに期待したのかもしれません。



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