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ライスシャワー物語 『疾走の馬、青嶺の魂となり 天に駆けた孤高のステイヤー』  作者: 風花 香
第四章 5歳 復活の兆し 長いトンネル

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閉ざされている道

ライスシャワーは復帰に向けて治療に専念することとなりましたが、陣営としてはここで種牡馬入りの道を模索していたようです。


 と言うのも2歳の時とは違い、今回の怪我は競走馬生命が危ぶまれるほどの怪我だった為、ここで引退させてもいいんじゃないか? という判断です。


 GⅠ2勝これは大変立派な数字です。ですがライスシャワーには種牡馬としての受け入れ先が全く現れませんでした。


 理由はその小さな馬体が嫌われたこと。もう一つが長距離レースでの実績しか持たないことです。


 日本競馬が発祥したばかりの頃は、英国式クラシックディスタンスに習い長距離レースの比重が多くを占め、短距離馬にとっては不遇の時代でした。


 しかしライスシャワーが走っている頃には、英国式の貴族向けの競馬から、アメリカで行われるような大衆の娯楽向けの競馬に日本競馬もシフトチェンジしていったのです。


 大衆の娯楽向けの競馬では、長くゆったり走る長距離レースより距離も短く決着が着くのが早い、また馬の回復も早くレーススパンが短くなる事などからも短距離レースに比重が置かれるようになりました。


 そうなってくると当然種牡馬の需要も変わってきます。

 昔ならばスタミナに優れた馬が人気を博していたところ、スピード溢れる種牡馬が求められるようになり、俗にいうステイヤーと呼ばれる存在は疎まれていったのです。


 世間の評価ではライスシャワーは生粋の重厚なステイヤーです。

 時の流れに抗い逆走するかのような、時代の反逆者です。


 ライスシャワーの陣営はさぞ悔しかったと思います。ライスシャワーの成績は確かにステイヤーに寄り過ぎています。

 だとしても彼らはライスシャワーの良いところを知りすぎていました。


 従順な性格も騎手の意思を汲み取る賢さも、体力の限界を超えて気力で走り抜く勝負根性も。


 しかし、求められるのは結果です。

 ライスシャワーは実績を積む為、まだまだ戦わなければなりませんでした。

 

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