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ライスシャワー物語 『疾走の馬、青嶺の魂となり 天に駆けた孤高のステイヤー』  作者: 風花 香
第四章 5歳 復活の兆し 長いトンネル

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40/64

復活の日経賞

 スタート直後からスピードに乗って先頭に立ったのは、やはりツインターボです。

 後続に6馬身、7馬身と大差をつけての逃げは観ている人を魅了します。


 ライスシャワーは好位の4、5番手に位置取り、ライスシャワーを見るようにステージチャンプがすぐ後ろにつけました。

 マチカネタンホイザは最後方からの競馬となります。


 残り1000メートルの辺りでまだ8馬身くらいリードしているツインターボの逃げに場内はどよめきます。


「逃げ切るか!?」


 そんな期待と不安が入り混じった歓声が上がりましたが、そうはさせまいと後方の馬たちもジリジリと差を詰めはじめます。


 そして残り800メートルの標識に掛かった所で、外目を突いてぐんぐん上がっていく馬が1頭いました。


「ライスきた! ライスが上がっていく!」


 実況席からの声が響きます。


 昨年の天皇賞(春)以降、精彩を欠き勝負所で前に行く気を見せなかったライスシャワーが動き出したのです。

 逃げる馬を真っ先に捕まえに行くその姿はあのメジロマックイーンを彷彿とさせました。

 

 4コーナーを曲がる手前でツインターボのエンジンは止まってしまい、馬群に飲み込まれます。


「ライスシャワー先頭だ! 思い出せ、去年の栄光への序曲だった去年を思い出せ! 復活なるかライスシャワー!」


 熱の入った実況に背中を押されライスシャワーが先頭で直線を駆け抜けます。


 しかしライスシャワーのすぐ後ろで、ライスシャワーを見ながら競馬をしていたステージチャンプが満を持して襲いかかります。それは昨年の天皇賞(春)でメジロマックイーンを徹底マークした自らの走りのようでした。


 更に1番外からは後方から追い込んで来たマチカネタンホイザが迫ります。


 必死の走りを見せるライスシャワーでしたが、徐々にその差を詰められステージチャンプと全く並んだところがゴールでした。

 マチカネタンホイザが3着という事は目視でもわかりましたが、1位と2位は写真判定となります。


 結果はハナ差でステージチャンプに軍配が上がり、ライスシャワーは久し振りの勝利を掴むことはできませんでしたが、陣営や的場騎手は確かな手応えを得ることができました。


 近走の不甲斐ない走りと比べれば、この日の走りは次への期待を抱かせるには十分な内容です。

 となれば、狙うは最も得意な競馬場で最も得意な距離で行われるあのレース、天皇賞(春)連覇です。

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