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ライスシャワー物語 『疾走の馬、青嶺の魂となり 天に駆けた孤高のステイヤー』  作者: 風花 香
第三章 4歳秋 スランプ

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ジャパンC

 ライスシャワーの次なる戦いは世界の強豪が集う競馬の祭典、ジャパンC(カップ)でした。


 現在では世界から真の強豪が来日することが少なくなってしまいましたが、当時は世界の最強クラスの馬たちが集ってきていました。


 外国からの招待馬9頭を迎え撃つ日本馬7頭の中にライスシャワーは居ましたが、この時のライスシャワーの評価は日本馬の大将ではありませんでした。


 1~3番人気までは世界の強豪に人気を独占され、日本勢で1番評価が高かったのが、3歳クラシック戦線を戦い終えたばかりのライスシャワーの1歳年下のダービー馬ウイニングチケットでした。


 更にかつてライスシャワーと死闘を演じたミホノブルボンと同厩だったレガシーワールドが日本勢で2番目となる6番人気。

 因みにライスシャワーは2回レガシーワールドと対戦していますが、一度も先着できていません。


 ライスシャワーは7番人気と、世界の馬はもちろん日本の馬の中でも劣った存在と見做されてしまいました。


 『競馬の神様』と謳われた故大川慶次郎(おおかわけいじろう)氏はレース前にこのように言っていました。


「日本馬で今一番強いのはレガシーワールド。私はレガシーワールドを本命に据えています。あとの日本馬たちは世界の強豪に比べて一枚劣るかな」と。


 そして、ジャパンCの結果は正に競馬の神様の予想通りのものでした。


 終始2番手に付けていたレガシーワールドが直線で早めに先頭に立つと、最後は外からもの凄い切れ味で追い込んで来た1番人気コタシャーンを退け、ジャパンC制覇を成し遂げたのです。


 実はこのレガシーワールドの勝利にも一悶着あったのですが、それはまた別の話ですので割愛します。


 何にせよ、セン馬の為に多くのGⅠレースから締め出されていた強豪馬レガシーワールドは数少ないチャンスをものにしました。


 それにしても余談ではありますが、そのレガシーワールドを互いに休養明け初戦で破ったメジロマックイーン。

 最も重い59キロの斤量を背負いながら上がり3ハロンは出走馬の中で断トツ。コースレコードで2着レガシーワールドを3馬身突き放した圧巻の強さでの引退は、ジャパンCの結果を受けて尚更に悔やまれた事でしょう。


 話が逸れて申し訳ありません。

 結局ライスシャワーは14着と全く見せ場を作ることなく、暗く長いスランプというトンネルを突き進んでいきます。



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