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ライスシャワー物語 『疾走の馬、青嶺の魂となり 天に駆けた孤高のステイヤー』  作者: 風花 香
第三章 4歳秋 スランプ

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的場均の絶望

 天皇賞(秋)の結果を受けて、やっぱりライスシャワーは長距離じゃなければ走らない。という評価が強まったことでしょう。


 最後の直線ではヤマニンゼファーはもちろん、他馬にも瞬発力で劣っていた印象が否めず、その評価も致し方ないと言えます。


 ライスシャワーの相棒である的場均騎手は後にライスシャワーのことをこのように評しています。


「ライスが長距離じゃないと走らないなんて周りが勝手に言ったこと。万全の調子で出走できれば中距離でも十分に勝負できた」と。


 結局この言葉は的場騎手がライスシャワーを贔屓目に評価したと思われても仕方ないものとなりました。

 なぜならライスシャワーは中距離において結果を残す事はできなかったのですから。


 しかし的場騎手の言う『万全な状態』とはどういう状態なのでしょうか。


 見た目はどこも悪くなく、調教でもしっかり走るのは前にも述べました。


 的場騎手はこの当時のライスシャワーからは覇気のようなものがなく、天皇賞(秋)の最後の直線に至っても追っても追っても走らなかったと言います。


 おそらくライスシャワーはこの頃、競走馬の生命線とも言える闘争心を失っていたのです。

 理由は定かではありませんが、考えられるものとしてメジロマックイーンを破った天皇賞(春)の際の極限の調教。

 そしてその後の放牧による環境の急激な変化。


 春競馬の後に放牧に出されることは珍しいことではなく、むしろ普通のことです。

 しかしライスシャワーは天皇賞(春)を走りきった際にその魂を燃やし尽くし、そのまま放牧に出された為自らの競走生活は終わったと認識してしまったのではないでしょうか。


 正直この辺りも私の思うままに書いていることですので、真意のほどはわかりません。


 とにかく言えることは、的場騎手が前走で感じたライスシャワーの異変は、天皇賞(秋)を走ったことより絶望へと変わったのでした。

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