戦国の天皇賞(秋)
主役不在となった天皇賞(秋)の予想は混迷を極めたことでしょう。
圧倒的1番人気になることが予想されていたメジロマックイーンが抜けた跡には群雄割拠の様相を呈する出走表となりました。
出走馬17頭の内GⅠ勝利馬は僅かに2頭のみで、その内の1頭は長距離での実績しかもたないライスシャワー。
もう1頭は短距離からマイルまでのレースを主な主戦場に置き、春のマイル王決定戦であるGⅠ安田記念を連覇しているヤマニンゼファーです。
しかし、この両馬は秋初戦で苦杯を舐めており、その他の出走馬もいぶし銀な面子こそ揃えど、主役に収まるようなメンバーではありませんでした。
そんな中でも1番人気に推されたのがライスシャワーです。
敗戦が休養明けで惨敗でなかったことから、一戦やって上がってくると見込まれたこと。そして何よりあのメジロマックイーンを正攻法で打ち負かした天皇賞(春)が高く評価されたものだと思います。
2番人気に大レースにおいて2着3着の惜敗が非常に多いファンに愛された馬ナイスネイチャ。
後に『ブロンズコレクター』と評されるこの馬は実力とそのキャラクターで人気を博していました。
3番人気に重賞を連勝し、直近ではライスシャワーを破った『逃亡者』ツインターボ。
この馬の大逃げがハマった時の痛快さ、さらに前走の圧勝から素質開花を見込まれたものだと思います。
4番人気にかつてはメジロマックイーンと共に大舞台を駆けてきた芦毛のバイプレイヤー、ホワイトストーン。
彼の成績以上に魅力を感じる不思議なカリスマは健在でした。
などなど。
GⅠ馬2頭はおれど、初のGⅠ載完を狙う今まで脇役に甘んじてきた全馬にチャンス到来の戦国天皇賞。
そんな中、天皇賞春秋連覇の野望を抱き、ライスシャワーはこのレースに臨みました。




