期待はそこそこ、期待以上!
お馬さん改め、ライスシャワーを預かることとなった飯塚好次調教師。そんな飯塚調教師のライスシャワーに対する印象はというと「男馬にしては馬体が小さく大物感がない。但し馬体のバランスがよく、うまくいけば中堅クラスまではいけるかな」程度のものだったといいます。
中堅クラス……これをどう表現していいか難しいのですが、少し競馬の専門的な事をいいますと、GⅠ、GⅡ、GⅢ、というように競馬のレースはGⅠを筆頭にグレード制が敷かれています。G=グレードですね。
このGが付くレースで勝つような馬は、例えGⅢだとしても中堅クラスではないようです。一流とまでは行かないまでも一流半から二流といったところでしょうか。
この辺の認識はかなり微妙なところで意見は分かれるでしょう。
少なくともライスシャワーを見た飯塚調教師は、Gレースの勝ち負けまでは全く考えていなかったとのことなので、その下で細々と走れるかな程度の認識だったわけです。
そんなそこそこの期待を背負ったライスシャワーは従順な性格が功を奏し、仕上がり早く2歳の夏には新馬戦に臨むこととなりました。
そこでライスシャワーは見事勝利し、続くレースでは負けてしまったものの、更に次のレースでは勝利をあげるという、陣営としては予想以上の活躍をしたのです。
飯塚調教師が予想もしていなかったGレースへの出走資格をライスシャワーは見事手にして、翌年の3歳牡馬クラシック戦線への道を歩み始めます。
あ、因みに今作での馬齢は現在使用されている表記です。
ライスシャワーが活躍していた頃は、日本ではまだ生まれた年を1歳とする数え年を用いていましたが、今回は現在の表記で通させていただきますね。