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ライスシャワー物語 『疾走の馬、青嶺の魂となり 天に駆けた孤高のステイヤー』  作者: 風花 香
第二章 打倒 メジロマックイーン

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王者の異変

 この日の人気は前人未到の大記録に挑むメジロマックイーンに集中し、圧倒的1番人気となりました。


 少し離れた2番人気に菊花賞を勝ち、年明け後2連戦を順調にこなし仕上げて来たライスシャワー。


 3番人気に菊花賞を3着、年明けから重賞を連覇しているマチカネタンホイザ。

 因みにここでいう重賞とは割りと一般的な認知となっているGⅡ、GⅢ競走を指しています。


 4番人気に、前年に宝塚記念、有馬記念の両グランプリを制し、年明け初戦のGⅡレース、阪神大賞典をレコードで勝利したメジロパーマーと続きました。


 京都競馬場に詰めかけた大観衆も、テレビで視聴していた競馬ファンもゲート入りを目の当たりにして、不穏な雰囲気に包まれたことでしょう。


 1頭の馬がゲート入りを嫌い、なかなか出走準備が整わなかったのです。

 新馬戦を走るような若駒ならいざ知らず、最高峰のGⅠレースを走るような歴戦の古馬がそんな醜態を晒すなんて由々しき事態です。

 しかもその1頭があのメジロマックイーンだなんて誰が想像できたでしょうか。


 ライスシャワーはというとそんな想定外の事態にも動じず、落ち着いた様子で自らのゲート入りを待ち臨戦態勢は整っているようでした。


 その後、意を決したようにゲートに収まったメジロマックイーンでしたが、あの異変はなんだったのでしょう? メジロマックイーンがゲート入りを嫌うのは後にも先にもこのレースだけだったのではないでしょうか。

 

 普通の馬と違い、メジロマックイーンの場合は加齢とともにレースにおける落ち着きを失っていったと言いますから、それが理由かもしれません。(この情報はウィキペディア、メジロマックイーンの項より拝借いたしました)


 でも、もしかしたらですが思うことがあります。

 メジロマックイーンは非常に賢い馬だったといいます。それに、お馬さんたちも互いを認識し合っている可能性は十分あると思います。


 そんな私の妄想も含めますが、この日メジロマックイーンは感じていた、もしくは気付いてしまったのではないでしょうか? 自分1頭を睨み据えている猛獣のような眼光に。同じターフに立つ鬼を宿した存在がいることに。


 

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