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ライスシャワー物語 『疾走の馬、青嶺の魂となり 天に駆けた孤高のステイヤー』  作者: 風花 香
第二章 打倒 メジロマックイーン

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騎手の後悔

 あっさり結果を述べるとライスシャワーは有馬記念を8着で終えます。


 あれ? じゃあライスシャワーは弱いのか。となるかと思いますが、この有馬記念のレース展開は少々特殊なものでした。


 この日の1番人気はライスシャワーの1つ上の世代の二冠馬トウカイテイオーという馬です。


 レースが始まるとトウカイテイオーは後方4番手から5番手くらいに位置取り、各馬はそのトウカイテイオーの動向を気にしながらレースを進めていました。


 一方この間に、大逃げを信条とするメジロパーマーという馬がもう一頭と一緒に後続馬に大差をつける大逃げを打っていました。


 このメジロパーマーという馬を少し説明すると、この年の春のグランプリレース宝塚記念を人気薄ながらもまんまと逃げ切り勝ちを収めた馬です。


 ですが、天皇賞(秋)では大惨敗を喫して信用を落とし、有馬記念での人気は下から数えて2番ないし、3番目位の人気薄でした。


 

 レースはメジロパーマーとダイタクヘリオスの2頭の逃げ馬がひたすらに逃げまくります。

 後を追う騎手の心情としては「楽に逃げさせすぎじゃないか?」という思いがあったかもしれません。

 それと同時に「人気馬たちはどうした!? トウカイテイオーが動かなければ俺たちは動けない!」と思っていたかもしれません。


 レースは佳境を迎えてもトウカイテイオーは動きません。厳密に言えばジョッキーはゴーサインを出していました。トウカイテイオーは動きが悪く前に行けなかったのです。


 ライスシャワーの鞍上、的場騎手は後にこのレースについてこのように語っています。


「ライスの状態はこれまでで1番いいくらいで僕も期待していました。レースでは自分たちのレースをしようと決めていたんですが、いざレースが始まると後ろにいたトウカイテイオーが気になってしまって。あのレースは僕のミスでライスのレースをさせてあげられなかった、悔やんでも悔みきれないレースでしたね」と。


 結局はメジロパーマーが最後の直線追い込んできたレガシーワールドを僅かな差で抑え優勝し、春と秋の両グランプリを制する形となりました。


 メジロパーマーと一緒に逃げていたダイタクヘリオスが直線に入る頃に逃げ潰れていたことを考えれば、展開云々ではなくメジロパーマーの逃げは見事だったと言わざるをえません。


 ライスシャワーは初の古馬との戦いでその実力を証明するには至りませんでした。

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