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ライスシャワー物語 『疾走の馬、青嶺の魂となり 天に駆けた孤高のステイヤー』  作者: 風花 香
第一章 出生~3歳クラシック戦線

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当然の権利

 さて、前回の最後に述べた世論の言葉に対して皆さんはどう思いどうお考えになるでしょうか?


「キョウエイボーガンが邪魔をした」

 

 まずここからおかしいと、私は思います。


 キョウエイボーガンは確かな結果を残し、菊花賞に出走する権利を有していた馬です。その馬が得意とする逃げの戦法に懸けて菊花賞に臨んだ。

 結果としてミホノブルボンは前を走るキョウエイボーガンにペースを乱され思うようなレース運びができず、ライスシャワーはその展開に助けられ漁夫の利的勝利を得た。


 この言い分にまず私が言いたいことは、キョウエイボーガンにだって菊花賞を勝つ権利はあるのです。無茶な逃げでミホノブルボンのペースに影響を及ぼしたとしても、キョウエイボーガンが万に一つでも勝つ可能性があるとすれば得意の逃げ戦法に活路を見出すしかありません。

 邪魔をしたわけではありません。

 ミホノブルボンを悪く言う気は毛頭ありませんが、この言い分に対して言うならば、それで折り合いを欠いてしまったミホノブルボンの精神が未熟だったとも言えるのではないでしょうか?


 そして漁夫の利を得た等のライスシャワーを貶める様な言い分に対してですが、それも当てはまらないと思うのです。


 ライスシャワーの走破タイムは当時の菊花賞レコードタイムでした。そしてミホノブルボンも従来のレコードタイムを更新する走破タイムでゴールしています。


 レースのタイムというのは展開によって左右される為、レコードタイムを更新したイコール、速い強いとはなりません。


 ですが4着以下を突き放したこのレースに至ってはそもそもの力がない馬に勝てるはずもなく、逃げで最後まで粘り強く走ったミホノブルボンは運命(さだめ)られたレースの中で最高の走りをしたと思います。


 だからこそ、ミホノブルボンに勝って欲しかったという声が次々上がったとも言えますが……。

 

 とにかく、当時の出走したメンバーで、全ての馬が勝利を目指し駆け抜け、歴代最高のタイムで決着した。


 それが全てだと思うのです。

 無敗の三冠馬が誕生する瞬間に立会いたい気持ちも、馬券が外れた悔しさもわかります。

 ですが、邪魔をしただとか空気を読まないだとかいうのは違うと思うのです。


 今更25年以上も前の話で熱く語るのは滑稽かもしれませんが、当時のライスシャワーやその関係者の心情を思うといたたまれない気持ちになるのです。

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