2017年4月6日
「「イエッサー!」」
遠くから大勢の声が聞こえた。瞬きすると目の前に深い緑色の迷彩服を着た大勢の人が、右手をオデコに当て敬礼をしていた。
自分も右手をオデコに当て敬礼をしていた。左右を横目で確認すると、同じように敬礼をしている人たち。
どうやら今日から自分はここで、働くようだ。
不安だが胸を張ると、誇らしい気持ちになった。ただ、それはほんの一瞬。嫌な予感が胸を騒つかせた。
再び瞬きをすると、ヘリコプターの羽の音が数台。泥の臭いと、微かに感じる血生臭い臭い。目の前は視界が悪く、おまけに風が強い、砂埃のせいで目がまともに開けられなかった。
腕でどうにか風をしのぎ、目の前の状況を確認する。数歩進むと、足に何かが引っかかった。下に目をやると自分と同じ深緑色の迷彩服を着た人。慌てて謝り、しゃがみこむが、返答がない。まるで人形のように動かなかった。手を持つと暖かいが、脈が動いていない。顔を見る。目は動向が開ききっていて、焦点が合っていない。これは、もしかしなくても死んでいるのだろうか。
そんな事をぼんやりと考えていると、さっきまで舞っていた砂埃が一気に消え、視界がクリアになる。
しかし、まだ砂埃の中にいたかったと後悔する。目の前には記憶の片隅にいた、知っている人たちが倒れ込んでいた。中には頭がないモノ、手足がないモノ、赤く染まったモノ、形がひしゃげてるモノ、あまりの衝撃的な光景に息がつまり、上手く呼吸が出来なかった。ヒューヒューと器官の音がなる。
今一度自分の身体を見る。汚れひとつない服に、硬さが残る靴。自分は何をしていたんだろう。1人こんな姿で、周りは恐らくこんな役立たずの為に死んでいったんだ。いや、"所為で"だな。
「何もしてないから皆死んだんだな…」
後悔や罪悪感が、一気にのし掛かる。まともに息が出来ないまま、側に落ちていた一発も撃っていないライフルを拾う。
「起きないと、こんな所で止まってる暇なんかないよ」
(。-ω-)zzz. . . (。゜ω゜) ハッ!