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Reborn-異世界転生は残酷だった-  作者: 漣ナガレ
第一章 地蛇 アーススネイク
13/21

蛇13 怒れる者の最後

そしてまた戻って来ていた。


(あいつその場からあまり動かなくなったな。これはいけるか?)


しばらく離れて様子を見ていたけど段々と音が小さくなっていった。隠れ身のスキルも上がったので少し離れたところに隠れて遠見をしたら元気が見るからに落ちていた。

木に頭をぶつけるものの、何回やっても折れず、ただメキメキ音が鳴っているだけで傍から見ると懺悔しているみたいだ。


(毒が結構効いているのか? そうだとしてもあまり近づきたくはないなぁ。)


あれだけ暴れていた奴がすぐに弱るわけがない。けれど今の状態を見ればそう認識せざるを得ない。


(狙ってみるか。)


今からすることは結構賭けに近い。失敗したらこちらを完全に敵とみなして襲ってくるだろう。距離も離れていないので逃げることはほぼ不可能だ。けれどここでこいつを逃すというのも少しもったいない。思い切って覚悟を決める。


まずは牛の近くの期に移動し、姿を隠す。いまだに頭をぶつけ続けている。これならばいける!


「ブモォ?!」


まずは足元の土を柔らかくし、牛の足を沈め固定する。次に毒霧で毒を重ね相手の視界を遮る。


「ブルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」


さらに木の上に移動し毒液を浴びせ、土槍で串刺し毒牙で一気に終わらせる!!



















まあ、そう都合よくはいかないよね。


(暴れるなこの牛! なんでここでロデオしなきゃいけないんだよ!!)


足はいまだに地面に埋まったままだが、土槍は串刺すまでには至らず皮膚に刺さり血を流すだけにとどまった。しかも毒液を浴びせた後さらに怒り暴れ始めた。牙で踏ん張っているもののいつまでもつか分からない。早く終わってくれ頼むから。


(くそ! 足が外れた!)


だが牛はそんな期待に逆らい足の拘束を外し、走り暴れまわり始めた。なぜか勢いが戻り、木々をなぎ倒しながら駆けている。木の破片が当たって地味に痛い。


(やばい! 落とされた! 避けろ!!)


そしてとうとう振り下ろされてしまった。避けようと態勢を立て直そうとするが遅かった。




グシャ!!



(がはぁっ?!)


尻尾に近い方を踏み潰されてしまった。


[再生Lv3が再生Lv4になりました。]


意識が飛びそうになる。見ると踏まれたところがほぼ平面につぶされておりかなりの量の血が流れ出ていた。あまり満足に動かせそうにない。


(まずい、早く何とかしないと。)


だが逃げ出そうにも動きが鈍く、動かすたびに激痛が走る。しかしこのまま何もしなければ今度こそ終わりだ。何とか意識を保ち牛を凝視する。と…


(前が見えていない?)


牛は相変わらず暴走しているもののこちらに向かってこようとはしない。しかも足がおぼつかなく、時折こけそうになったり気にぶつかるとそのまま倒れこんだりを繰り返している。


(……やるしかないか。)


自分は牛がこちらに来るタイミングを見計らい、じっと待つ。何度も倒れたくなるが気力で踏ん張る。


[苦痛耐性Lv1を手に入れました。]

[睡眠軽減Lv1を手に入れました。]


少しだけ痛みが引いた気がするが申し訳程度だ、あまり変わってはいない。しかしありがたいのは事実だ。

そして牛がこちらへ迫って来る。


(落ちろ!)


土魔法で二メートル四方の穴を眼前に作る。牛は止まれずその穴に突っ込む。


ベキボキ!


「ブォ?! ブルぁ…。」


鈍い音が響いたがそこに土葬と毒液をさらに加える。これでもう自分の感覚ではどちらもこれ以上は使えない。追撃を加えたいができず、じっと牛の動きを見守る。

そして


「ブ…ォ……。」


動かなくなった。




[アーススネイクLv5がアーススネイクLv9になりました。]

[牙Lv5が牙Lv8になりました。]

[尾Lv6が尾Lv9になりました。]

[鱗Lv7が鱗Lv10になりました。]

[鱗Lv10が硬鱗Lv1になりました。]

[鋭鱗Lv1を手に入れました。]

[操鱗Lv1を手に入れました。]

[音鱗Lv1を手に入れました。]

[隠れ身Lv4が隠れ身Lv7になりました。]

[熱感知Lv6が熱感知Lv9になりました。]

[遮光Lv5が遮光Lv8になりました。]

[暗視Lv5が暗視Lv8になりました。]

[鑑定眼Lv5が鑑定眼Lv6になりました。}

[毒Lv8が毒Lv10になりました。]

[毒Lv10が猛毒Lv1になりました。]

[再生Lv4が再生Lv6になりました。]

[麻痺Lv3が麻痺Lv7になりました。]

[打Lv7が打Lv9になりました。]

[遠見Lv4が遠見Lv6になりました。]

[土魔法Lv6が土魔法Lv9になりました。]

[気配感知Lv5が気配感知Lv8になりました。]

[避Lv7が避Lv9になりました。]

[魔力操作Lv5が魔力操作Lv7になりました。]

[見切りLv5が見切りLv7になりました。]

[跳Lv4が跳Lv6になりました。]

[射Lv4が射Lv7になりました。]

[突Lv3が突Lv7になりました。]

[透視Lv3が透視Lv6になりました。]

[威嚇Lv3が威嚇Lv5になりました。]

[泳Lv3が泳Lv5になりました。]

[毒耐性Lv5が毒耐性Lv8になりました。]

[麻痺耐性Lv3が麻痺耐性Lv5になりました。。]

[耐Lv4が耐Lv6になりました。]

[本能Lv2が本能Lv3になりました。]

[裂Lv2が裂Lv4になりました。]

[逃Lv1が逃Lv3になりました。]

[条件を満たしました。逃Lv3が逃避Lv3になりました。]

[恐怖耐性Lv2が恐怖耐性Lv3になりました。]

[苦痛耐性Lv1が苦痛耐性Lv2になりました。]

[睡眠軽減Lv1が睡眠軽減Lv2にありました。]

[称号「怒りを鎮める者」を手に入れました。]


なんかメッチャレベルが上がった…。













(あーもう嫌だ、疲れた。こんなことはごめんだ。自業自得だけどこんなことになるなんてなぁ。)


あれから自分はその場を動いていない。清家君い言えば動きたくないが正解だ。レベルアップして脱皮が終わると傷が回復していた。が完全にではなかった。

ちらりと後ろを見る。さっきよりはましだが半ば潰されて歪な形の尻尾がそこにはある。いまだに回復は遅い。レベルアップでは一定以上の傷は回復できないようだ。多少動かせるが痛みがまだ残る。治るまであまり動かしたくはない。


(さて、食べるか。)


目の前には穴の中で串刺しになりかけたまま横たわって死んでいる牛がいる。先ほどの戦いで自分は相当消耗していてあまり食べる気力はあまりないのだがしばらくして急激な空腹を感じ始めた。


(毒や魔法を使いすぎるとこうなるのかな?)


そんなことを思いながら牛を食べ始める。飲み込むのは不可能なので切り裂いて食べる。さすがに体格差が大きい。自分の大きさはこいつの足二本分くらいの長さ。この姿では大きさが分かりにくい。けれど人間の時牛を間近で見たことがあるがかなりの大きさだった。その時の牛の大きさと自分が知る蛇の大きさで比べるとかなりの差がある。それに加えてどのくらいかは分からないが結構なステータスの差があったんだと思う。


(それは踏み潰されてこうなるわけだ。気を付けよう。)


しばらく黙々と牛を食べ続ける。相変わらず生肉の味しかしないが。食べるばかりで飽きてきたので失敗してもいいので適当に鑑定してみることにした。




ダランデル・ブルバウカウ Lv17


称号 鑑定失敗




(鑑定出来たし。しかも称号まで鑑定できるようになっている。失敗しているけど。)


だけどやはり攻撃力などのステータスは表示されない。表示されれば自分と相手を比較してより危険を察知することが出来るのに。


(そういえばスキルと称号増えてたな。)


「操鱗」… 自分の鱗を自分の意志で自在にある程度動かすことが出来る。

「音鱗」… 鱗から音を発生せることが出来るようになる。発生させることが出来る音は努力次第。

「逃避」… 敵から逃げ出す際、または後退する際に敵の攻撃が避けやすくなる。


(気になるのはこれぐらいか。あとはそのまんま。称号は…)


「怒りを鎮める者」… 憤怒支配された者を、またはその怒りを鎮めたものに与えられる称号。


(憤怒に支配された? ということはあの牛は憤怒に支配されていて正気じゃなかった?)


確かにあの牛の行動は少しおかしいところを感じていた。普通ならば敵が近くにいればそいつに向かうだろう。しかしあの牛は向かってこず、暴れ続けていた。なぜという疑問も一部解決した。

憤怒について知りたかったが


[鑑定失敗]


ダメだった。








やがて自分は牛をすべて食べてしまっていた。


(自分の質量以上を食べているのに体が重くない。しかも外見上お腹は膨れていない、どうなっているんだ自分の体は?)


そんなことを思っても答えが返ってくるわけでもないし、自分で答えが出せるわけでもないのだが。

牛のすべてを食べ終わったころにはすでに体の傷はほとんどなくなり、つぶれていた尻尾も元通りになっていた。まだ多少痛みは残るが移動に差し支えはないだろう。


(じゃ、さっさとここから離れますかね。)


今すぐ寝たいのだがまだ日は高く、ここで寝てもまた魔物に襲われそうなので移動することにした。


「キュウ?」


……………。

嫌な声が聞こえた気がするが。




戦闘描写下手ですね自分。分かり切ってはいましたが。

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