第一話:邂逅
初投稿です。小説を書くこと自体も初です。
専門用語はなるべく噛み砕いて書いていこうと思っています。
冬の空はとても綺麗だと思う。特に朝は。雲の切れ間から降り注ぐ僅かな日光。澄み切った空気と相増して、まるで天使でも降りてきそうな神秘的な雰囲気だ。
まさに今がそう。空を見上げればほら、こんなにも美しい。
俺はたった今目が覚めた。億劫ながらも瞼をあげたらそこには空が映ったのでぼんやりとそんな事をおもっていた。それにしても、この寒さと強烈な生ゴミの匂い。…ここはどこだ。頭痛と吐き気。あとのどの渇き。典型的な二日酔いである。
眼球だけを動かし周りを見渡してみる。どうやら俺はゴミ捨て場をベッドとしていままで熟睡していたらしい。繁華街の路地裏らしく、誰も通らない。これは困った、今の俺は自力では立てない。救急車でも呼ぼうかと考えたが、あいにくスマホは充電切れ。
さて、どうしたものか。このまま待っていれば誰か通ってくれるだろうか……?喉がカラカラな上、今日も午後から出勤なので不躾ながらも早く助けて欲しいのだが。
「大丈夫ですか?」
きた。心の中で喝采が起きる。足音が近づいてきて、止まった。俺の視界に映る。女の子だった。空を背景にしていて後光が差した女神のよう。まるで漫画の世界だ。
「ごめん、救急車呼んでくれないかな……」
今の俺にはこれだけを伝えることで精一杯だった。
「ああ、もう呼んでます。待ってる間寒いでしょうからどうぞ」
手際の良さに舌を巻く。彼女が渡してくれたのは、ホットカフェオレ。え、いや、水かお茶がいいな……なんて贅沢は言っていられない……などと戸惑っていたら、
「じゃあお仕事頑張ってくださいね。私は用事がありますので」
なにやらスマホを取り出していた。とても歩くスピードが速い。歩きスマホは危ないぞ……じゃなくって
行ってしまった。そんな、俺はまだお礼も言ってない。少し呆然とする。お仕事頑張って、か。
しばらくすると救急車のサイレンが聞こえてきた。
「通報を受けて来ました。もう大丈夫ですよ、さあ、立てますか。」
むさ苦しい救急隊員に介抱されながらなんとか立つ。これで助かった。
「あ、どうも……」
立つと急に頭痛と吐き気が激しくなった。めまいまでしてくる。頭の中で警報が鳴り響く、これは駄目かも知れない。
あっという間に俺は失神してしまった。