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HR~一時限目間は安眠の時



 目を覚ましたら、そこは見慣れた部屋だった。


 木目調の壁紙に、出来るだけ木製の家具のみで揃えた自室。吐く息は白く、手早く暖房をつけてから部屋を後にする。


  極寒の部屋で着替えが出来るほど、僕は寒さに強くない。

 


 

 寝間着のまま居間に行き、簡単に朝食を済ませる。


 いつもはしっかりとした朝食を食べるのだが、今日はその朝食を作ってくれる人が不在なので、料理関係はからっきしな僕は、シリアルに甘んじるしかない。


 ふと時計を見れば、出発の時間まであまりない事に気付く。そう言えば今日は目覚ましが鳴らなかったような気がする。


 そろそろ部屋も温まってきた頃合いなので、食器を片づけてから部屋に戻った。


 卸し立ての制服に袖を通し、空のカバンを背負ってから部屋を後にする。


 そのまま玄関に向かおうとしてから、起きる気配すら感じない同居人の事を思い出す。


 何時もなら放っといても良いのだが、流石に今日ばかりはそうもいかない。


 「おーい、そろそろ起きないと遅れるよー」


  ・・・・・・ぃ・・・・・


 微かに返事らしき物が聞こえてきた、これ以上はあっちの都合なのでさっさと家を出る。


 一応情けとしてコップに牛乳を注いでおいた。






 朝の通学路。まだ寒さの残る中で、前を歩く人物に心当たりがあった。


 「よ、ヒヨコ」

 

 「はひぃ!?」


 後ろから忍び寄り、知った顔(後姿だが見間違えるはずもない)に声をかける。それと同時に頭に手を置いて少し撫で、癖っ毛気味な髪が跳ねない程度に切り上げる。この時に、この娘の弱点である耳の後ろに指を這わせる事を忘れない。


 「た、タロちゃん?」


 「やあ、おはようさん」

 

 「お、おはようございます」


 耳を押さえながら振り返り、顔を真っ赤にして挨拶を返してくる。


 あたふたとあわてながらもキチンと挨拶を返してくれるあたり、この小さな幼馴染を本当に可愛いと思ってしまう。



 冬野日与里(ふゆのひより)


 僕の幼馴染であり、今日僕の通う緑野茶市立深野高等学校に入学する新入生だ。白い肌に栗色の髪が良く似合う美少女で、肩甲骨辺りまで伸びたそれが振り返りの勢いに付いていけずに少し食ってしまっている。そっと治してあげればコロリと顔を綻ばせてお礼を言ってくれて、時々向日葵のようなとは彼女のために有るのだと思ってしまうほどだ。



 「えと、タロちゃん?」


 「ん?」


 黙っていたのを不審に思ったのか日与里が話しかけてくる。


 「あ、とゴメン、ひよこがあんまりに可愛かったからお兄さん絶句しちゃったよ」


 「えう?え、えと、えとえと、あ、ありがとうございましゅ!」


 うんうん、テンプレに噛んでくれる君は本当に天使みたいだ。とてもじゃないがあの筋肉ダルマのいm


 「朝っぱらから何盛ってるんだ? タロイモ」


 いきなり視界の下の方から蛇のようにナニカが滑り込んできたかと思うと、思いっきり僕の首を締め上げてきた。ちょっと、足が浮いてんだけど?


 「貴様この芋、なに入学式早々に新入生引っかけてるんだ? しかもそこらの有像無像なら兎も角、我が家の天使捕まえて何してるんだ? んん?」


 ああ、来たよ、来ましたよこの馬鹿(ノウキン)が、もしかして妹センサーでも付いてんじゃないかってほどにタイミングが良いなこん畜生。


 振り返らなくても解る、こんな日与里至上主義なんて世界探してもこの男ぐらいだ。



 冬野山太(ふゆのさんた)


 日与里の兄で僕ん家のお隣さんでクラスメイトな幼馴染、んでもって、僕の親友とも言っていい存在……のはず。


 200㎝近い巨体でありながら付いている脂肪など皆無で、しなやかで有りながら強靭な筋肉が付いているためかスラリとした印象を受ける。


 ガリマッチョとゴリマッチョを足して二で割って、良い所だけ残ったって感じか。


 しかもイケメンだ、イケメンだ、二回言う位にはイケメン(あ、三回目)なやつだった、褐色と言っていい肌の色を差し引いてもこれっぽっちだって暑苦しさなんて感じない、気だるげな半眼がトレードマークな脱力系イケメン(四回目…もういいや)野郎。


 物臭でいつも面倒臭げに耳辺りまで伸ばした髪をワシャワシャ掻いてる脱力系なくせして、こと妹が絡むとこんな感じに残念になる。


 詰まるところ重度のシスコンだ。



 あ、まずい、結構いい感じに決まってきた。


 日与里が何か言って首に回った腕を外そうとするが、いかんせん自称四捨五入して150㎝のこの娘に、大の男を〆易い位置まで引き上げた巨漢(さんた)の腕まで届くはずもなく、むしろ腕にジャンプするたびに僕の体に体重がかかるものだから余計に……


 視界の端がだんだんと白んできた、視線を下げると、自分の行動に気付いた日与里が白い顔を真っ青にして目一杯に涙を溜めていた。


 庇護欲を掻き立てられる表情に内心苦笑いしながら、僕は意識を手放さ……


 「ぬぁーにやっとるくぁ!!この〇〇〇〇共がーーー!?」


 なかった、閑静な住宅街にあられもない言葉が響き渡る。


 突然解かれたホールドに、なすすべなく滑り落ちる僕が見たのは、


 巨漢の後頭部に綺麗な飛び膝蹴りを決めている少女のスカートから伸びた、健康的な太ももだった。







 蛇ノ眼香住(じゃのめかすみ)


 まあ、僕の幼馴染その三だ。


 165㎝ほどの身長が有り、肩のあたりで切りそろえられた黒髪と、その隙間から覗くこんがりと焼けた肌がしっくりくる、ヒヨコ(日与里の事だ)とは対照的な活発系美少女と言って良いだろう。


 まだ四月なのに日焼けとはこれ如何に? と思うが、この女、真冬にTシャツ短パンでランニングとかしてるのだ。詰まるとろサンタと同類の脳筋の一種である。


 性格はまあ、気まぐれな猫と言った所か、合わせて活発なのだから手におえない。


 あと口が悪い、非常に悪い、メチャ悪い、さっきのもそうだが、とてもじゃ無いが花も恥じらう女子高生とは思えない発言をいきなり発したりする。何時もはそうでも無いが、極々たまーに暴走するが如く自主規制級の発言を連発する。


 本当に、こんな脳筋コンビを鎮める身にもなって欲しいものだ。なまじ小さい頃からの付き合いのため、この二人が暴れだして止めるのは何時も僕とヒヨコなのだ。


 見てみろ、僕の隣を歩くヒヨコを、せき込む僕を介抱して、ギャアギャア騒ぐ脳筋共を鎮めて、可愛そうにもう見るからに満身創痍じゃないか!前で並びながら昨日のバラエティーの話してないで労えよ!!


 「ふぅー」


 ヒヨコが珍しくため息をついた。普段から迷信やジンクスを重んじるひよこは、悪い事の起こると言う事を極力しない。つまりそれ程疲れていると言う事か……


 「だ…」


 「兄さんとスミ姉、仲良いですよね」


 いじょうぶ? とは続かなかった。だって、ひよこの目が憂いを帯びてるんだもん。トレードマークなアホ毛も心なしか元気がないし……この件に関しては見守ると香住と決めてるから、今のは聞かなかったことにしよう。


 取りあえず誤魔化しながら、前を歩く二人に歩幅の改善を要求した。



===================================



 「やっぱり管助が居なくなってからだよね、バラエティーが下火になってきたの」


 朝っぱらからサンタを〆た後にヒヨリン(日与里の事)にお説教を食らう。


 何時もはこの辺でヒヨリンが中学の方に行く道になるので泣く泣く別れるのだが、今日からはまた皆で最後まで通学(日与里以外は今年から二年なので、一昨年までは皆で一緒に中学校まで登校していた)できる。


 「まあ、アレはな、残念だが諦めるしかないだろう。完全に居なかったことにされてるし、もうどうにもならんだろうしな」


 むむ、サンタめ、そんな消極的だからヒヨリンのキモチに気付かんのだよ。見てみろ後ろから溢れる乙女の波動を! 太郎ですら気づいてんのに。


 これだからイケメン科ザンネン種は……


 「そうだね、居なくなった人は戻ってこないんだし、残ってる人が頑張らないと。まだまだ頑張れる人は多いんだし、これからは準大御所の時代でしょ? 世代交代ってやつだよ」


 「つーかもっとゆっくり歩けよ」とは、我らが幼馴染、鈴木太郎君の談



 鈴木太郎(すずきたろう)


 中肉中背、髪は黒で目にかかる位で、後ろの方がうなじが隠れる位に長い。顔はまあ、昔なじみの欲目があっても中の中って所か、クラスの大体が「普通の鈴木君」で通している位には普通の太郎君だ。


 話せば結構フレンドリーなのだが、普段は教室の片隅でにやけながら本を読んでいるので(多少偏見あり)友達は少ない。


 読書が趣味で、一年の半ばから図書室の主の認定を受けている。現図書局局長から次期局長の席付きで勧誘を受けているらしいが、正直なところは太郎のみが知る所だ。


 ヒヨリンに対して甘々で、でも時に厳しくも接していて、実の兄(バカサンタ)よりもお兄ちゃんらしいお兄ちゃんしてる。


 「むう」

 

 「どうしたんですか、スミ姉?」


 「え? いやいや、何でもないよ? いやぁ、あるかな? ヒヨリンの初ブレザー(深野高校の制服はブレザー)、お姉さんまだ見てないねー? どれどれ、ちょっくらそのコート脱いでみよっかー♪」


 何だか胸にチクッときたのをヒヨリンに勘ぐられてしまった。流石は現役乙女、我が妹ながら中々に侮り難し。


 しかし、中学の時は式の前に初セーラー服見せてくれたのに、今回はちらりとも見せてくれなかった。うう、もう姉離れの時期なのかい? 姉ちゃん寂しいよ……


 「え? あ、そうでした、ごめんなさい。制服、昨日届いたんです。どたばたしちゃってて…ちょっと待ってくださいね」


 ヒヨリンがいそいそとコートを脱ぎだす。やっぱええこやなぁヒヨリン、まだ肌寒いのに(8°くらい、太郎もコート着用、山太は腕まくり、香住は普通にブレザー)私のために寒さを我慢してまで……そこで苦笑いしている男二人には後でお話しが必要だと思んだ、うん。



==================================



 「銘にして“天下の往来でグフグフ言っている女と言いなりの乙女”って感じかな」


 「そのままだろうに、と言うかグフグフって……あー今言ったな、確かに」


 まあ、本当にそうとしか言えない状況なのだが……それにしても……


 「サンタ? 昨日って、昨日? 随分とギリギリだね? ヒヨコに限って忘れてたとかは無いと思うんだけど……」


 冬野の家では、中学からは学校関連は出来るだけ子供にやらせる方針をとっていて、もちろん制服なんかも自分で発注する。サンタはともかく(僕と一緒に発注したら、サイズの問題で式当日の朝になった)として、ヒヨコの場合はサイズ的にも性格的にもそんな心配はないと思うが……


 「ん? ああ……クク、聞きたいか? フフフ」


 え?グフグフ移った?


 「に、兄さん!? ダメです、言ったらもう兄さんにだけプリン作ってあげないんですから!!」


 ボタンをはずし終わったところで、顔を真っ赤に染めたヒヨコが猛抗議を始めた。いや、そんなに猛反対されたら余計に知りたいようなそっとしておいてやりたいような……


 「え!? 何々? どうしたのさー、ほれほれ、姉さんに教えてごらんなさい♪」


 「だ、ダメです、お姉ちゃんには絶対に教えません!!」


 「なにそれー? いーじゃん減るものじゃあるまいし、な・に・があったのかな~?」


 「し、知りません。え~ん、お姉ちゃんのばかぁ~」


 「あ、こら待ちなさーい」


 顔を真っ赤にした上に、ついには泣き出してしまったひよこが逃げ出し、それを嬉々として追いかけていく香住。この光景はいつまでたっても変わらない。


 となりを見ればサンタが目を細めていた、何時も気ダル気なこいつの表情は解りずらいらしいが、十何年も一緒にいる僕には、この偉丈夫が苦笑気味に満面の笑みを浮かべているのが良く解る。


 きっと僕も似たような顔をしているんだろう。


 100mもしない所で捕獲され、剥かれているひよこを救出するべく歩き出したサンタに続く。


 「所で、ホントに何が有ったのさ?」


 「ん? ヨリ(日与里の事)に嫌われても良いのなら話してもいいが……やはり秘密だ。あれのプリンが食べられなくなっては敵わん」


 口角を釣り上げながら心にもない冗談を口にするサンタ。あの子がこの男の要望を断らないのはきっちり自覚しているだろうに。


 「そ、まあ、僕もヒヨコには嫌われたく無いしね、残念だけどこの事件は迷宮入りだ。僕たちがたどり着くまでにヒヨコが香住に屈していなければね」


 だから僕も冗談を返す。ヒヨコが兄弟を嫌いになるわけが無いのを知っているから。


 こうして僕たち幼馴染(きょうだい)の日常は何事もなく過ぎていく、


 平和で満ち足りた日々を謳歌しながら。






 結局秘密は守れたらしいヒヨコと、不満顔の香住に合流してから四人で学校に向かう。


 僕たちの住んでいる場所から学校までは徒歩30分ほどの距離が有り、何時も大体30分くらいの余裕をもって登校している。


 実は特に待ち合わせをしている訳では無く、何時も早く出たやつを他の皆が追いかけて合流するという形に落ち着いていたりする(朝の騒動はヒヨコ→僕→サンタ→香住の順に出た為の悲劇。因みによくある光景)。ほら、体が先に動くタイプが多いから。


 「今日って午前中に終わりで良いんだっけ?」


 香住さん、あなた去年も出てたよね?


 「ああ、入学式と部活動紹介があるだけだな。片付けの役割が有るのなら別だが、アレは伝統的に三年が総出でするらしいから関係ないだろう」


 サンタが後生丁寧に説明する、気だるげなのは最早デフォで。


 「じゃーさ、じゃーさ、終わったら烏龍(ウーロン)行こうよ! ヒヨリンの入学祝にさ、ランチも合わせてお茶しよ?」


 「烏龍ですか?」


 烏龍とは、僕たちの住んでいる辺りから学校までの間にある商店街の、少し裏に入ったところに有る喫茶店の事だ。

 

 マスターの創作スイーツと軽食が絶品で、知る人ぞ知るって感じの名店と言った趣きである。


 因みに僕のオススメはマトンカツサンドだ、西瓜のソースに入っている玉ねぎとニンニクが、羊の臭みをいい感じに隠していてたまらない一品なのだが、何故だか人気が無いらしい。あんなにおいしいのに……


 「で、でも、今晩もお祝いしてくれるって言うし、それに、その……」


 ひよこが遠慮する。まあ、一昨日も入学前祝いと称して四人で行ったのだからするわな。しかも家の三家合同の祝いはこれでもかと言うぐらい料理出すから、昼抜き位がちょうど良かったりするのだ。


 「いーじゃん、祝いってのは何度やってもいいの! だってまた一緒に同じ学校行けるんだよ? これが祝わずにいられるかってのに。それともヒヨリンは私と同じ学校は嬉しくないの?」


 「そ、そんなことないよ? 嬉しいよ!」


 何この可愛い生き物


 後半から泣き真似を加えたお粗末な演技に、本気で答えるひよこは本当に可愛いと思う。


 「じゃ、決まり~♪」


 「う~」


 「気にすんなヒヨコ、何だかんだ言ってこいつは旨いもの食いたいだけなんだから。それに夕飯だって大体はこいつらの胃に収まるんだし気にすることも無いよ」


 それにあそこのチーズケーキ食べたいだろ? と聞くと、俯き気味に小さく頷くヒヨコ赤面付き。


 まじでええ子や。


 

 

 校門を超えて、正面玄関前に着き、そこに張り出されているクラス発表の用紙を見る。


 もちろん皆、自分とほかの面子のクラスくらい知っていたが、ここで香住がごねる。


 曰く何故冬野兄妹が同じ組み分けで、自分は太郎なんかと同じ組なのか、と。


 別に学年も違うのだし、それ位良いではないかとも思うが。この学校は文化祭や体育祭など、ことある毎に縦割りクラスで行動するものだから、そういったイベントを心から楽しむこいつには結構思う所があるようだ。


 ヒヨコも少ししょんぼりとした様だったが、隣で香住が「…のハゲチャビ……った恩を…マジで……ってから…狩…いや……そ殺…」とか呟いてるのを聞いて、なだめるのを手伝ってくれた。

 

 結局明日のヒヨコの所有権で機嫌が直り、やっとその場を動くことができたのだった。




 ヒヨコと別れて二階にある二年の教室に向かう。


 HRのために朝は各教室に集合なのだが、なぜか違うクラスのサンタまで僕たちのクラスについてきた。


 曰くHR始まるまで暇だから話し相手になれ、と。


 完全に二年のクラス替え(一年の時は三人とも同じクラスだった)したメンツとの親睦を深める気はないらしく、僕の隣の席を占領し始めたサンタさん。どうやらこっちもこっちでクラスが違うことに不満があるらしい。


 因みにサンタに席を占領された席の出席番号六番桑山正治君は、7分の遅刻で新学期早々担任に雷を落され、反省文七枚を宣告された。


 


 式が始まって四十八分、内、新入生入場等に係った時間が十三分ほど、それから先はずっと同じ事をしている。


 「グ、ゴゴー」


 「おい香住、頑張れもう少し(多分)だ! せめていびきをもう少し抑える努力をしろ!」


 隣で盛大ないびきをかいて寝ている幼馴染。鼻をつまむなどして押さえているが、いっこうに収まる気配がない、誰か如何にかして!!


 「ムググ、ズプー」


 涎と鼻提灯でも出そうないびきさえ無ければ、さぞ絵に成るであろう寝顔が恨めしい。


 さてここで問題だ、学校の式典で最も時間を割く項目とはなにか?


 そう、校長のあの長ったらしい挨拶だ。


 言いたいことが沢山有るのは分かるんだが、せめてもう少し縮まないものだろうか? さっきから同じような事を三回くらい聞いてるような……あ、また戻った。


 校長が壇上に上がって五十二分。隣の女子生徒(決して香住ではない)に挨拶が終わったら起してくれるように頼んでから、僕も意識を手放した。












 それが、僕の日常の最後だった。




 とりあえずこれでプロローグは終了です。さてはて、これから彼らはどうなるのでしょうね? 私的にはハッピーなのが好物なのですが……


 まあ、小説って成り行きですからね。いいエンドに流れ着くように祈りましょう(一応プロットでははっぴーえんどが待っている……はず!)

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