いのちのしずく
これからの未来がある娘にいきなり起こった出来事に 父親として、ただただ祈るのみ情けない父親でした
君は大きな手術あと、
病院の集中治療室で眠ってる。
君が麻酔から覚めるのを自分は
病室内にいる周りの人の後ろの方で
遠慮がちに そっと見ている。
だって12年前から今は君のお父さんじゃないから。
でも、君の無事、幸せを心から
祈ってる。
ほら、君がこの世に生を受けた時に
君への手紙を書いた気持ちと変わってない。
そして君は麻酔から覚め
周りにいる人をぼんやり見渡してた。
虚ろな眼のまま、遠くにいてる自分と
目があった気がした。
「あっ、お父さん」つぶやくように 君が発した言葉。
自分のいのちの雫がぽちゃんと
落ちた気がした。