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26話 その旗は

 時は少し遡り、九月二十三日。

 蓮と白田が富士急ハイランドにいた時分、富士山の噴火兆候を報じる地上波ニュースは、午前の情報番組の時間帯に突如、画面を切り替えた。


 画面の左下には「速報」の文字が赤く点滅し、落ち着いた女性キャスターが視聴者に向けて告げる。


「緊急速報です。気象庁は、今朝未明から十一時過ぎ、富士山山頂火口付近で小規模な噴火活動の兆候が確認されたと発表しました。山麓周辺にお住まいの皆様は、最新の気象情報に十分ご注意ください。」


 映像はすぐに気象庁の火山監視センターの映像へ切り替わり、専門家の男性が真剣な表情で解説を始めた。


「本日未明から、富士山の地震計には群発地震が発生しており、火口周辺のガスの放出量も先程から著しく増加しています。火口付近での噴煙、小規模な噴石も観測されており、噴火の可能性が急速に高まっていると思われます」


 映像は空撮映像へと変わった。ヘリコプターのカメラが徐々に火口の方へとズームインする。


 画面に映るのは、火口から時折上がる溶岩の赤と、火口から吹き上がる黒い噴煙。


「こちらは富士山上空、報道ヘリからです。ご覧の通り、火口からは依然として煙が立ち昇っています」


 カメラの映像は遠くから響く地響きと、これから起こる噴火の前触れに震えている。


「只今登山道から山頂にかけて大勢の登山客が現在も取り残されている状況です。これは恐らく千人以上はいるのではないでしょうか」


 同行リポーターの声がヘッドセット越しに響く。


「山頂付近では一斉に下山道に向けて登山客が殺到しています。無事避難が完了するまでは相当の時間がかかるものと思われます。噴火が発生する詳細な予想時刻は不明ですが、早ければ今日明日には噴火に至ると予想されています。くれぐれも近隣にお住まいの方、登山を予定されている方は決して入山しないでください。現在登山中の方は、一刻も早く下山して遠くに避難してください。我々は引き続き上空から動向を窺います。現場からは以上です。スタジオへお返しします」


 切迫したヘリからの中継を受け取った報道スタジオは、富士山が噴火するかもしれない緊張感そのままに避難を訴え続けた。


「お伝えしておりますように、只今富士山に噴火の兆候が表れています。近隣にお住まいの方、登山を予定されている方、登山中の方は、今すぐ富士山から離れてください。自分と大切なご家族の命を守る行動を心がけてください―――」



 ---



 ローターの重低音が頭蓋に響く。

 僕はヘリのカメラ席に身体を固定しながら、液晶モニター越しに火口周辺を睨んでいた。


「…とんでもない事が起こってしまった…」


 リポートを終え、スイッチャーがスタジオに切り替えるのを確認してから、僕は改めて素材のためカメラズームを調整する。渋滞している登山道から外れて、危なく険しい岩場を必死に降りている人影がある。男女混在、五、六人か。すぐ傍の地面が、パカリと割れて蒸気が噴き上がるのを見て、思わず喉が鳴った。


「まずい……これはまずい……」


 だがその時、視界の端に、ありえないものが映った。


「……おい、あれ……人間か……?」

「ほら、あそこ映して!」


 僕はリポーターの指差す方へカメラの首を急旋回させる。火口に近い岩棚、吹き上がる煙を背にして、誰かが空中に立っていた。

 銀の仮面をかぶった長身の男だ。紺のマントが風にはためき、足元には見慣れない光の紋様――魔法陣?


 と、次の瞬間、空気が振動したように見えた。

 レールガンが放たれたように発光しながら仮面の男が空中を駆け、四方八方に光を飛ばす。

 両手からあちこちに指先から放たれたそれは山頂で身動きが取れなくなっている登山客の足元で印を結ぶ。透明な光柱が上がり、その内側にいる登山客が、まるで霞のように掻き消える。


「なっ……! 消えた!? 今、消えたぞ!?」


 カメラ越しではない、肉眼のほうが信じられなかった。いや、むしろ両方が現実を突きつけてくる。

 男が飛び回りながら、登山客の密集した場所に魔法陣を飛ばし続けると、その魔法陣は瞬く間に人を山頂から消していく。

 下山道に向けて殺到していた人の波は、銀の仮面が次々に設置する魔法陣の方角へと我先に押し寄せていった。


「……魔法、なのか。これが……銀の仮面の魔法なのか……」

「なんという…まさかこんな事が」


 リポーターも、二人揃って言葉にならない。だが、カメラは回し続ける。指が震えるのを必死に抑えてズームを合わせる。

 五人、また五人。銀の仮面の男は、頂上の混乱など我関せずといった様子で、淡々とスピーディーに登山客を避難させていく。

 表情は読めない。だが、その背中からは、迷いも恐れも一切感じられなかった。


「……そんな……信じられない。あんなにいた人が、もうこんなに……」


 あっという間に、山頂で火口のすぐ近く、逃げ場を失っていた登山客・従業員・作業員の姿が全員消えた。

 火口の熱と煙に包まれながらも、男は動じることなく、次は登山道で身動きが取れなくなっている登山客の方へ迷いなく飛んでいく。

 山頂から九合目、本八合目、八合目、すべての登山道を網羅するように飛び回りながら魔法陣を間断なく飛ばし、瞬く間に富士山頂付近から人の気配が減っていく。自力で帰れるだろう六合目以下は留め置き、それよりも差し迫る事態に向けて――山頂・火口の中心へと飛んでいく。


「おい…まさか……これから、噴火をどうにかする気か…」


 そんなことが、できるのか。人間に。いや、人間じゃないのか、あれは。

 出来るわけがない。


 そう思っているのに。

 目が離せない。

 銀の仮面が噴火を立ち向かおうとしている。


 今まさにこのカメラの前で、日本が滅ぶか残るかのその歴史の瞬間が始まる…


 だがその瞬間――無線が鳴った。


「こちら操縦、燃料残り一〇%。引き返す。これ以上は危険だ。帰還するぞ」


 僕は咄嗟に口を開く。


「おいおい、待ってくれ!あと一分、いや三十秒……三十秒だけでも……!今、これからなんだ!」


 だが、機体はもう旋回を始めていた。火口が、銀の仮面の背中が、映像の端へと離れていく。


「……クソ……!こんな時に……ッ……クソォッッ…!」


 カメラを握る手が震える。

 あんな光景、世界の誰も見たことがない。

 その瞬間を、記録できるのは自分しかいない――そう思っていたのに。




 火口の向こう、銀の仮面は空に立ったまま、両腕を広げて火口を見つめていた。

 あの背中の向こうで、何か途轍もないことが始まろうとしているのに、その結末を見届ける資格を、僕は燃料計の針に奪われたのだ。

 拳を握り、殴るよう振り上げかけるが、飛行中のヘリコプターを殴って何かがあってはいけないと、やり場をなくした拳は、ただ固く握り込まれる。


 ――この瞬間が、二度と訪れないかもしれないという悔しさと無力感を抱えたまま、僕のカメラは、火口から遠ざかっていった。




 その頃山頂付近では。



 ゴオォォォッッ……!


「──熱っちいいィィ!!」


 岩陰に隠れてマグマと噴石と物凄い熱を避けながら、空から富士山の噴火を食い止めようとする銀の仮面を見つめる一人の中年男性登山客の姿があった。


 耳の奥が焼けるような轟音。

 火口が膨れ上がり、地面がぐらぐらと揺れる。まるで山そのものが怒っているみたいだった。


 俺は岩陰にしゃがみ込みながら、必死にスマホを構えていた。逃げるタイミングを逃した俺はなんてツイてねえと思ったが、それどころじゃなかった。


 目の前で、銀の仮面が、山の噴火と真正面からぶつかっていたからだ。


「……ありゃ……人間かよ……?」


 テレビで見たあの映像なんか比じゃねぇ。空を飛び回って次々に登山客をどこかにやったと思ったら、今、空から火口を見下ろしてる。

 腕を大きく広げ、足元に浮かぶ無数の光の模様から、信じられねえ量の光が噴き上がっていた。

 火口の奥から吹き上がる灼熱のマグマを、噴煙を、噴石を、力づくで押し留めてやがる――そうとしか見えなかった。


 空気がビリビリ震え、熱風で頬の皮が裂けそうになる。

 それでも、俺の指は録画中のスマホから離れなかった。


 男の前に、巨大な光の壁がいくつも重なり合って展開する。マグマが触れた瞬間、凄まじい閃光と衝撃波。

「うおおっ……!」思わず岩にしがみつく。スマホの画面が一瞬真っ白に弾けた。


 ――だが、壁は崩れなかった。

 銀の仮面の男が吠える。声は聞こえねえ、けど全身から絞り出す気迫が、手から放たれる光る模様と光線が、空気を震わせてるのが分かる。


「……や、やべぇ……マジで止めてる…なんなんだよおい…!」


 空中から魔法を放ったかと思ったら山頂に降り立って直接手から魔法を放つ。

 それを嫌がるように熱風が銀の仮面を吹き飛ばす。

 その熱風はこっちにも襲いかかる。


「ぐ……っつッッ!!」


 次の瞬間、彼の背後に、さらに巨大な模様が広がった。天体望遠鏡のパラボラアンテナのような光の網。

 男が腕を振り下ろすと同時に、火口の噴出が鈍り、吹き上がる火柱が少しずつ押し戻されていく。


 ――バキィィィィッ……!


 空気が砕ける音とともに、光の壁がマグマの奔流を完全に押し戻した。火口の奥から吹き上がっていた真紅の光が、すうっと収まっていく。


「……おい……まさか……」


 山全体を覆っていた地鳴りが、嘘みたいに弱まった。

 男は、左手の平を火口に向けたまま、マントを揺らして空の覇者として君臨していた。


「おい、マジかよ…!やりやがった…!富士山の噴火を、たった一人で止めやがった…!!」


 火口は息を吹き返すことなく、そのまま沈黙。

 銀の仮面は呼吸を整えようとしていた……が、その体が大きく傾いた。


「あ、あぶねっ――!」


 次の瞬間、銀の仮面の男の身体は、ふらついたまま空から墜落していった。

 慌ててスマホのカメラを追うと、男は途中の山小屋の屋根を突き破り、そのまま中に消えた。


「──おい!大丈夫か!オォイッッ!!」


 俺は呼吸を忘れ、スマホを握りしめた。

 銀の仮面が墜落して山小屋の屋根を突き破る時、スマホが高温のせいで止まる。

 録画が止まってしまったことはもう関係ない。

 俺は岩陰から飛び出した。あの光の尾が落ちた場所に向かって。





 銀の仮面は、生きていた。

 山小屋を突き破って気絶した姿で。



 …俺は、勘違いをしていた。

 銀の仮面の正体はもっと高飛車って言うか、完璧超人のいけ好かねぇ野郎かと思ってたんだけど。

 想像とは一八〇度違った男だった。


 子供みたいな寝顔で、それこそ喧嘩なんてしたがらねえような華奢な雰囲気。

 それがあんな魔法をブッ放して噴火を止めて、登山客を大勢避難させる大仕事をやってのけた。日頃から大臣を天誅して回る奴のイメージとは全然違った。



 でも逆に、そんな奴でさえ立ち上がらざるを得なくなったこの日本って国のイマに俺はムカついた。

 あんな若者があんな仮面を着けて、ヒーローとして振舞わなきゃいけなくなったバックボーンを考えると、俺は普通の若者にそんな重荷を背負わせてしまってる社会が憎くなった。


 もっと政府が何とかするべきだ。

 もっと警察が仕事するべきだ。

 もっとマスコミがちゃんと伝えるべきだ。


 そいつらがマトモじゃねえから、「じゃあ俺がやるしかない」と、あいつは銀の仮面を着けるハメになったんだよ。


 もっとちゃんと日本の事を最初から考えてくれてりゃ、あいつはボロボロになることもなかったんだ。


 俺にも日本人の血が流れている。

 それなのに、日本人として誇れることを何もできてねえ―――。





 地上波各局は富士山噴火寸前の速報に埋め尽くされた。

 中継データと観測カメラとスタジオを行き来しながら、同じ情報を繰り返すしかない歯がゆい状況。


 ニュース番組が噴火兆候と登山客の避難状況を繰り返し報じる中、俺は自力で下山した売店のベンチの上で、さっきまで震え続けていたスマホを強く握りしめていた。心臓の鼓動がまだ収まらない。全身に残る、あのときの緊張と高揚感が抜けきらない。


 あの瞬間――俺は見た。いや、見届けた。

 そして録画した。

 銀の仮面が、たった一人で噴火を止める、常識ではあり得ない光景を。


 だがどの局も、その肝心の場面を一切流そうとしない。

 ようやくニュースが触れたのは報道ヘリからの映像で伝えられた「登山客を避難させた謎の人物」の存在と、噴火が収まったという結末だけだ。


 事実の核心は、まるでなかったことにされている。


 聞きようによっては、「銀の仮面以外の人物が魔法を使わずに直接誘導して、登山客を下山ルートに向けて避難誘導した」と過少に受け取るよう報道している。

 違う。そうじゃない。


「……ふざけんなよ……」


 唇の端から、抑えきれない苛立ちが漏れた。俺の指が、考えるよりも早く動いていた。

 銀の仮面公式サイトを開き、問い合わせフォームに連絡する。


『はじめまして。私は、今日富士山に登っていた者です。噴火が起きる直前、山頂の火口の上空で魔法を使い、噴火を食い止めていた人物を撮影しました。その人は、たぶん銀の仮面だと思います。映像の最後には、彼が空から墜落する瞬間が一瞬だけ映っています。もしもこれが本人や関係者にとって不都合なら、公開は控えます。ただ、命がけで日本を守ったこの行動が、誰にも知られず、まるでなかったことになるのは、どうしても見過ごせません』


 ――命を懸けて日本を噴火から守った人間が、誰にも正しく知られないまま消えていくなんて、あまりにも理不尽だ。


 あいつは山頂できっと、今も動けない状況だ。

 俺もそばに居たかったけど、そうは出来なかった。俺みてえな奴がいると良くなさそうだったし、やっぱり俺は俺一人のことで手いっぱいだった。自分が可愛かった。


 恥ずかしさ、やるせなさ、情けなさが今になって俺に火を点けた。

 冷たい世間と弱い自分への怒りと願いを込めたメッセージに、返事は驚くほど早く届いた。


『どうぞ、SNSで広めてください。銀の仮面のために』


 短い一文を目にした瞬間、胸の奥で固く結ばれていた何かがほどけた。指先が震えるのも構わず、SNSの投稿画面に動画ファイルを放り込み、短く一文を打ち込む。



  ――これがテレビで流さなかった“真実”だ。

  俺たちを救ったのは、銀の仮面だった。

 #富士山の救世主



 投稿ボタンを押した瞬間、胸の奥で何かが弾けるように熱くなった。指先が痺れ、全身が軽くなる。これは俺にできる最大の恩返しだと思った。


 ――数分後、通知が津波のように押し寄せてきた。


「信じられない……」

「自然に収まったのかと思ってた……」

「あの噴火止めたの、銀の仮面だったのかよ……!!」


 再生数が十万、二十万、五十万と跳ね上がり、あっという間に百万を突破し、気が付けば二千万の大台を軽く超えていた。

 世界中から多言語でコメントが寄せられ、「#富士山の救世主」が各国で翻訳され、世界トレンドの頂点に躍り出る。

 画面をスクロールしても追いきれないほどの声が、銀の仮面への感謝と驚嘆であふれ返っていた。


 地上波各局も、とうとうこの動画を「SNSで急速に拡散している映像」として引用し始めた。


 火口の上空で銀の仮面が両腕を広げ、燃え盛る噴火を光の壁で押し返す、あの一瞬――心臓が凍りつくようなあの奇跡の場面が、今度は全国のテレビ画面に映し出される。


『ご覧ください。SNS上に投稿されたこの映像では、富士山噴火の危機の中で、噴火を止めたとされる“銀の仮面”の姿が至近距離からはっきりと記録されています――』


 スタジオのキャスターたちが、言葉を失って映像を見つめているのが画面越しにも伝わった。


 俺は、拳を固く握りしめたまま、独り言のように吐き出す。


「お前らが散々、悪だテロリストだと叩いていた銀の仮面が、死ぬ気で日本を守ってくれたんだぞ……。悪人がこんなことするかよ…、テロリストがこんな命懸けの人命救助するかよ!いつまで見て見ぬふりしやがるんだテメエらはよ……!」


 俺が見た「真実と覚悟」は、絶対にマスコミの都合なんかで消されていいものじゃないんだ――!



 ---



 その現場動画が世界中に拡散され、再生数が二千万を超えたその日の夜。

 新たな波紋が、ネットの海に広がり始めていた。


 ――銀の仮面は、あの噴火を止めた直後、重傷を負って墜落したのではないか?


 拡散された動画の最後の数秒、光の壁が噴火を押し戻して噴火が治まった瞬間、空中の彼の体が力尽きたように傾き、地面に向かって光の尾を引きながら墜落する――その映像が、視聴者の間に不安を呼び起こしたのだ。


 SNS上では、「墜落したのでは」「助けを呼ぶべきでは」といった投稿が秒単位で更新され、まとめサイトや動画配信者たちが一斉に考察を始めた。


 ハッシュタグ「#銀の仮面重傷説」「#銀の仮面生存祈願」「#生きていてくれ銀の仮面」が同時に世界トレンド入りし、安否確認を求める声が殺到した。


 そしてさらなる火種となったのは、銀の仮面の公式サイトが翌日早朝に突如開始した、六時間半に及ぶ「無言の生中継」だった。 画面には、噴火の兆候が収まった火口と、無言で風に揺れる黒地の三日月旗だけが映し出されている。人影はなく、音声は風が吹くのみ、カメラは微動だにしない。


 ――まるで、何かを告げるかのように。


「これは遺言なのか?」

「その旗はどういう意味だ」

「もしかして半旗じゃ、ないよな」

「彼はもう……」


 という最悪の推測が、瞬く間に駆け巡る。

 一方で、


「無事を信じたい」

「必ず帰ってくるはずだ」

「俺たちの銀の仮面がこんなところで死ぬはずがないだろ!」


 という声も相次ぎ、コメント欄は祈りと動揺が交錯する混沌の渦と化していた。


 日本国内のみならず、世界中で議論と憶測が飛び交う。


「大噴火を未然に防ぎ日本を救ったシルバーマスクは、今どこにいるのか」


 遠い海の向こうの人々も、誰もが、その答えを切望する。


 いよいよ日本の滅亡の時、と、テレビに注がれていた一億の視線は、やがてその山頂のある一点へと注がれる。


 ―――”銀の仮面は無事なのか?”


 日本に住む全ての人々の心が一つにまとまり、彼の無事と復活を願う切実な想いが日本中に渦巻いていた。

次話は明日15時投稿予定です。

この話が面白いと思った方は★★★★★を押していただけると幸いです。

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