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12話 切り拓く

 八月十九日。

 テレビの画面が映し出すのは、朝焼けに煙る東京都港区・白金台。

 高台に位置する静かな住宅街。石垣を高く積み上げた白壁の邸宅。

 その門前には、黄色と黒の規制線が張り巡らされていた。


 現場にはすでに警察車両が十数台、鑑識班のバン、地元報道から全国キー局の中継車までが列を成し、白銀の朝靄を切り裂くように赤青のパトランプが瞬いている。報道クルーたちは物音ひとつ立てまいと息を呑み、重苦しい空気の中で中継のタイミングを窺っていた。



【速報】元財務省事務次官・桐山貢一氏 一家六人死亡の衝撃


 画面左下に赤い帯と白い縁取りのテロップが走る。


 重厚な音楽のあと、全国ネットの夕方の報道番組が静かに始まる。スタジオには、落ち着いたスーツ姿のメインキャスターが座っている。声には沈痛な色が混じっていた。


「――引き続きお知らせします。今朝、財務省事務次官・桐山貢一氏が、家族と共に自宅で死亡しているのが発見されました。現場は東京都港区白金台、警視庁によると、遺体で見つかったのは桐山氏を含む家族六人。事件性の可能性も視野に、慎重な捜査が進められています」


 画面が切り替わり、現場中継の映像へ。


「こちら、白金台の現場前です」


 中継マイクを持つ女性記者が、白いマスクの下から真剣な表情で語る。


「発見されたのは今朝七時十五分頃。この邸宅で家政婦として勤務していた女性が、出勤後インターホンに応答がなかったため、非常用キーで解錠し入室したところ、家族全員が倒れているのを発見し、警察に通報しました」


 画面は航空撮影の俯瞰映像に切り替わる。白金台の高級邸宅がひしめくエリアに、赤いポリスラインがくっきりと浮かび上がっていた。


「警視庁の発表によりますと、遺体で見つかったのは桐山氏本人に加え、妻、成人の息子一人、娘三人。全員がこの邸宅に同居していた家族と見られています」


 報道陣が殺到する現場の様子。ガスマスクと白衣を纏った鑑識班が邸宅内へと入っていく姿が映る。そこにはすでに、単なる家庭内の事件ではないという、ただならぬ空気が広がっていた。


「自宅には計六名の遺体。うち五名は布団に綺麗に横たわった状態で発見されました。一方、桐山氏本人の遺体は、寝室隣和室中央の白い座布団の上に正座した姿勢で倒れており、腹部には深い裂創――伝統的な“切腹”の様式だったとのことです」


 画面はCG再現映像へ切り替わる。


 寝室の畳の上に整然と並べられた五つの布団。隣の和室の中央には白い座布団。その上に、血の滲んだ影。床の間には小さな掛け軸と仏壇。室内の様子はあまりに整然としており、争った痕跡は皆無。まるで儀式のような異様な静寂が支配していた。


「司法解剖の結果、家族五人は致死量の鎮静剤を服用していたことが判明。いずれも苦しんだ形跡はありません。恐らく桐山氏が家族全員に鎮静剤を投与し全員の死を見届けた後、自らの腹を割き、古来の様式に則った割腹によって自死したと推察されています。脇には血のついた脇差、そして二通の遺書が残されていました」


 再びスタジオへ。


 キャスターが厳粛な口調で読み上げる。


「遺書のうち一通には、“妻子が国賊の家族として辱めを受けるくらいなら、心中を選ぶ”――といった旨の記述があり、また別の一通は、国民に向けた懺悔の内容が懸かれていました。またその遺書の内容には政府関係者の告発的内容が多く、また極めて詳細かつ具体的であり、国家機密に抵触する可能性があるため、全文の公開には慎重な対応が求められます」


 画面は切り替わり、過去の会見で増税を説明する桐山氏の映像。落ち着いた低音で記者の質問に淡々と応じるその姿。


「“財政タカ派”“増税原理主義者”として知られた桐山氏。政治家ではなく官僚でありながら、国の舵取りを強引に誘導した一人です。一方で週刊誌報道では、外国政府との不透明な金銭流通、国土交通省や開発業者との癒着、裏金問題が幾度となく指摘されていました」


 キャスターは、わずかに息を飲み、こう続けた。


「ここ最近、政府高官が謎の仮面の男に襲撃される事件が相次いでいます。これまでに雨宮総理、三枝外務大臣が被害に遭い、さらに桐山氏も同様の人物によって襲撃された可能性があると、政府関係者が明らかにしました。ただし、その真相や人物との関係性については現在も捜査中であり、詳細は明らかになっていません」


 テレビの画面はゆっくりとフェードアウトしていく。






 早朝から夕方まで全テレビ局で桐山の割腹自殺・一家心中をセンセーショナルに報道し続けたが、それだけでは終わらない。


 同日午後五時、突如として、全国すべてのテレビ、ラジオ、インターネット配信、大型街頭ビジョン、モバイル端末に至るまで、あらゆる公共映像・音声メディアが一斉に暗転した。


 地上波各局、民放、NHK、BS、CS、YouTube Live、各種SNSのライブ配信やストリーミング。あらゆる通信網とメディアが、わずか数秒の沈黙ののち、黒背景に銀色の三日月が静かに浮かぶ映像へと切り替わる。


 日本全国、老若男女を問わず、多くの人々がその異様な空気に気づき、テレビの前で、スマホの画面を覗き込み、あるいは街頭ビジョンに目を向けて、画面の変化を凝視した。


 無音。無言。数秒にも満たない空白ののち、画面がようやく切り替わった。


 黒背景に、静かに浮かび上がる銀色の三日月の旗。

 何のテロップもなく、無機質な映像がじわりと現れる。

 不気味な沈黙を切り裂くように、深く低い電子音が混じったノイズ音が徐々に広がっていく。

 画面の奥から、ゆっくりとひとりの人物が浮かび上がった。


 銀の仮面。


 白銀に輝く無表情の仮面を顔に纏い、濃紺の夜と鈍銀の星屑に身を包んだ男。仄暗い闇を背景に、仮面の男は正面を真っ直ぐに見据えて立ち、やがてゆっくりと口を開いた。


「日本国民の皆さん――夕暮れの風が香る頃、皆様いかがお過ごしかな。私は、“銀の仮面”」


 三日月の旗を背にした、正義の代行者。

 夏の夕暮れは長く、まだ夕日が沈み切らない中、日本全国を銀の夜が占拠する。


 帰社中の信号待ちでオーロラビジョンを見上げる者。

 街頭で流れたテレビに足を止める者。

 自らのスマホに目を落とす者。

 夕食の準備をしていたのを中断してテレビに駆け寄る者。


 日本中が再び現れた男の姿にハッと息を止めた。


「今日、財務省事務次官・桐山貢一が一家心中したことはご存知と思う。財務省事務次官として日本の財政政策の中枢を担い、重税と緊縮によって国民を長年苦しめてきた張本人の死は良い意味でも悪い意味でも驚かれたことだろう」


 仮面の奥にあるはずの眼差しは見えない。それでも画面を通して突き刺さるような気配を、視聴者の誰もが感じ取った。


「今回の死は、雨宮誠一総理大臣・三枝信介外務大臣に続く三人目の天誅である。だがしかし、私が直接手を下したものではない」


 街中の歩みは完全に止まり、皆、オーロラビジョン・店先のテレビ・手元のスマホに釘付けになっていた。

 声をはっきり聞くためにイヤホンをつける者やスピーカーに耳を近づける者も続出する。


「桐山は死ぬ前に国民に謝罪したいと懇願してきた。私はその意向を汲むことにした。まずはその映像をご覧いただこう。これからご覧いただく映像は―――彼自身の口から語られる懺悔。そして、彼の最期の決断である」


 その声は、驚くほど澄み切っていて、静かに、だが力強く響いた。



 仮面の奥に宿る瞳は画面越しに自らを見ている全国民を見据えていた。


「その覚悟を見た私は天誅ではなく名誉ある自害を遂げさせることにした。彼は最期に、自らの罪と向き合い、自らの手で、自らの罪を裁く選択をし、せめてもの償いとしようとした」


 静かに、男は一歩前へ出る。

 その一歩は、映像を見る者の心へと、確かな重みをもって踏み込んでくるかのようだった。


「これから語る言葉に耳を傾けてほしい。これは、ただの告白ではない。これは一人の官僚の死に様であると同時に、この国の裏側、闇、隠されてきた真実が、今まさに暴かれようとしている」


 仮面の奥から視線が送られる。その視線は、画面越しにも確かな圧を持って視聴者一人ひとりの胸を突き刺した。


「これが、国家を裏切った男の、最後の言葉。彼の語る内容は、我々がこれまで信じ、委ね、裏切られてきたこの国の本質を暴くものとなる一時間半となるだろう。心して聞いてくれ」


 画面が切り替わる。


 数字が大きく表示され、五秒のカウントダウン。暗転。




 映像が開始する。


 和室の畳の間。静かに正座する一人の男。

 桐山貢一。


 その顔には深い皺と疲労の色、長年積み上げたものを失った男の影が濃く落ちていた。

 泣き腫らしたような表情の彼は、沈痛な面持ちで、スフィアを見つめていた。


『……私は、桐山貢一。日本国財務省、事務次官を務めていた者です』


 語り始める桐山の声は震えていた。


『まずは、全国の皆様に……心から、謝罪を申し上げます。このたびは……このたびまで……本当に、誠に……申し訳ございませんでした……っ』


 畳に額を擦り付ける、深い土下座。

 小さく縮こまらせて両手を突き、そのままの姿勢で嗚咽が漏れ聞こえてくるその姿は、かつてテレビに映っていた冷徹な財務官僚の姿ではなかった。


『私のこれまでの行動によって、多くの国民の皆様を苦しめ、怒らせ、涙させ、そして、死に追いやってしまいました。私は、財務省の人間として、国の財政を健全に保つべき立場にありながら、国民から金を搾り取ることばかりを考えていました。私が行ってきたこと、その責任、その代償……そのすべてに、今から向き合い、明らかにいたします』


 そうして桐山がこれまでに関与した政界の闇、自らが行った裏の出来事を洗いざらい打ち明けた。


 機密文書を一枚ずつスフィアに見せながら己の過ちを一つずつ言葉にするたび、瞼が震え、声が掠れ、喉を詰まらせながらも、それでも彼は言葉を繋いだ。


 ――なぜ、あのような冷酷な政策を取ったのか。

 ――政権中枢であった雨宮誠一総理や三枝信介外務大臣からの圧力。

 ――中国共産党、韓国政府、朝鮮総連といった外国勢力からの指示や脅迫。

 ――創価学会、統一教会などの宗教団体との組織票・格別な配慮の遣り取り。

 ――裏金、献金、接待、選挙協力という餌と、家族への危害という鞭。


 それに逆らう術を持たなかった自分の弱さ、臆病さ。


 圧力に負けて嫌々従っていた中、いつしか自らも甘い汁が吸える様になり、味を占めてからは積極的に忖度・搾取するようになっていった。身寄りのない子供の最後の住まい、児童養護施設を力尽くで立ち退かせて見返りを得ようとした己の行いが、どれだけ子供たちを苦しめたのか、当時は想像だにしなかった。


 言葉を絞り出すたび、彼は何度も深く頭を下げ、膝に顔を伏せ、目に涙を滲ませながら謝罪し続けた。


 誰かのせいで手を染めたという背景を事実ベースでのみ伝え、あとは自らが自分の意志で積み上げた黒歴史ともいえる書類の一枚一枚と向き合い、一枚ずつ説明した。


 全てを説明するためには一時間半もの時間を要したが、映像の桐山は疲労感の中にもやり遂げたような、今際の際に遅れ馳せながらようやく一矢報いたかのような、禊を果たせたかのような、濁っていた瞳にはにわかに光が戻るかのようだった。


 しかしそれでは桐山の全ての罪が帳消しになったとは言えない。

 桐山は伝えるべきことを伝えた後は、成すべきことを成すべきだとの覚悟を再び決め、居住まいを正す。


「……これまでの長い間、私のせいで悲しみ、苦しみ、諦めさせてしまった全ての方々へ改めてお詫びをさせていただきたい。――皆様の大切なものを奪い、台無しにし、涙を流させてきてしまった事、誠に申し訳ございませんでした。私の非を全て認め、心から謝罪いたします………!!」


 桐山は、とても長い土下座を全国民に手向けた。

 数多くの物を台無しにし、奪い、諦めさせ、命まで吸い尽くしてしまった大勢の人々に対して、心の底からの謝罪と誠意を胸に。



 桐山の土下座を映したまま、静かに、画面がフェードアウトする。




 次に映し出されたのは、東京・白金台の高級住宅街にある一軒家。

 夜明け前の、淡い光がまだ街を照らしきらない時間帯。


 カメラは静かに、邸宅の一室へと移る。

 五人が川の字になって眠る畳の寝室。


 布団に横たわる妻と息子、娘たち五人はゆっくりと、苦しむことなく、眠る様に息を引き取った。


 その姿を桐山は一部始終を見逃すまいと、赤らむ目で瞬きもせぬよう見続けた。



 五人の胸の上下が完全に止まった時、桐山は声を押し殺して涙を流し、畳に額を擦り付けて己の不明を詫びるよう、愛する妻子に土下座した。



 やがて桐山は隣室に移り、部屋の中央にぽつんと敷かれた白い座布団に膝を突く。


 桐山は左前の白装束に身を包んでおり、座布団の脇には白布と短刀が置かれている。

 仄かな月明かりが彼の肩越しに差し込み、その輪郭を淡く照らす。


 彼はゆっくりと懐から一枚の便箋を取り出すと、それを小さく折り、床の間にそっと置いた。



 桐山は無言のまま、白布と、短刀を正面に置いた。

 手は震えていない。冷たく、静かだった。


 深く一礼。

 そして、短刀を鞘から抜く。


 短刀の刃に月がきらりと反射した。


「……」


 桐山は窓辺の月を見上げた。

 月光が仄かに揺れた。まるで、空が息を呑んだかのように。


「…いずれ、この国の誰かが気づくはずだ。こんな歪んだままで……良いはずがない。日本人はこんな所で終わる訳が無いんだ。今に見ていろ……!」


 目を伏せ、桐山は小さく笑った。

 嗤いではなく、わずかに悔いと希望を滲ませた微笑みだった。



「頼む……誰か取り返してくれ……この国を、もう一度――日本人の手に……」




 静かに、桐山は短刀を白布で巻き、両手で取り上げた。

 横に伸ばした白布の端に膝を寄せ、背筋を正し直す。

 深く、深く――腹の奥底から、呼吸を整える。


 刃先が、肌に触れる。



「―――――――ッッッ!!!」



 次の瞬間、畳の上にぽたりと音が落ちた。

 かすかに、赤。


 その刹那、月が雲間に隠れた。


 ――そして、すべては静寂に還り、桐山は血の海に額を擦り付けるように本懐を遂げた。







 映像は、そこまでだった。


 映像が再び、ゆっくりと暗転する。

 割腹を終えた桐山の姿は、そのまま画面から消えた。


 沈黙。

 ただ黒一色の画面に、数秒間、何の変化も起きなかった。


 だがその静寂を破るように、再び画面がゆっくりと明転していく。


 そこに立っていたのは、三日月の旗を背にする銀の仮面。


 彼はじっと画面の向こう、視聴者の一点を見据えるように立っている。


 仮面の奥にある眼差しは見えない。

 だが、その無言の存在感は、かえって鋭く、画面の外側にいる無数の人々の胸に刺さった。


 そして、銀の仮面は静かに、深く息を吸い込み――言葉を紡ぎ始めた。


「……今の映像は、ただの“告白”でも、“演出”でもない」


 低く、澄んだ声だった。


 激情でも叫びでもない。

 淡々と、だが揺るがぬ意志だけを帯びた、真実の語り口。


「これは一人の男が、その責任と罪と覚悟のすべてを賭して――最後に日本国民と向き合った真実だ」


 オーロラビジョンの前が静寂に包まれる。

 目の前の道路を走る車の駆動音が遠くに聞こえるほどの静けさが広がった。


「桐山貢一。彼は数え切れぬ罪を重ねた。重税。切り捨て。私腹。癒着。非道。だが――彼は、最後に日本人に戻った」


 背広姿のサラリーマンが、オフィスの休憩室でスマホを握りしめる。

 画面に見入ったまま、指はぴくりとも動かず、ただひと粒、目尻から涙が伝った。




 静かな間。


「自分の過ちを認め、逃げず、語り、受け入れ、償った。その姿を、貴方たちは今、目にしたはずだ。罪を犯した事は決して消せないが、今の日本でこれ程の潔い死で己の罪を詫びることの出来る人は果たしてどれほどいるだろうか」


 街頭ビジョンの前で立ち尽くす群衆。

 誰一人として口を開かない。

 沈黙は、合意のようだった。

 桐山の罪は重い。だが、あれは――逃げなかった。


 銀の仮面は一歩、前に出た。


「もう一度、問おう。この国を、誰が作るのか」


 その声に、誰かがテレビの前で思わず立ち上がる。


「この国を、誰が守るのか」


 仮面は間を置かず、畳み掛ける。


「政府か。役人か。報道か。学者か。評論家か。――違う」


 仮面の輪郭が、一瞬、強く光を帯びた。


「日本を守るのは、日本人だ」


 飲食店で流れていたモニター。

 ビールジョッキを持ちかけた若者が、その手を途中で止めたまま、画面から目を離せない。


「我々が、目を逸らし、声を上げず、正義を笑い、同調圧力に屈し、利権に慣れ、絶望に慣れ――そうして自分の手で“国”を手放してきた」


 仮面の奥。沈黙の眼差しが、あらゆる人々の心を貫く。


「だが、まだ遅くはない。見て見ぬふりをしてきた過去に、今日こそ向き合え。奪われた声を、今こそ取り戻せ」


 画面の向こうで、銀の仮面の声がますます明瞭になっていく。


「あなたの暮らしを、命を、未来を――もう二度と他人に委ねるな」


「この国に住む一人ひとりが、目を覚ませば、日本はきっと取り戻せる」


 ふっと、仮面がわずかに俯く。

 まるで、全ての痛みと希望を抱え込むかのように。


「正義とは、剣を持つことではない。闇の中でも、一筋の光に向かって進むことだ」


「――この国の明日を、どう選ぶ?」


 その言葉を最後に、画面は――静かに、真っ黒に染まる。



 桐山の長い告白に聞き入っている間に、日は暮れていた。

 銀の仮面が空を駆け、悪しき心を打ち砕く星屑の夜の色に、移り変わっていく。

次話は明日15時投稿予定です。

この話が面白いと思った方は★★★★★を押していただけると幸いです。

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