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自由都市執政なんてなるもんじゃない、と彼は日記に書いた  作者: プロ♡パラ
第7章 フォーゲルザウゲ伯爵家編
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記録92 自由都市執政の第二秘書について


 ハータ嬢を匿うとは決めたが、この狭い自由カオラクサのどこに彼女を置いておくかという問題があった。いくつかの案を検討し、彼女自身の意見も取り入れたところ……ハータ・フォーゲルザウゲ伯爵令嬢に、自由都市執政の第二秘書という偽りの立場を与えることとなった。

 実際のところ、どのような場所で、どのような立場を装ったとしても、ハータ嬢は目立ってしまうように思われた。豊かな髪と華やかな顔立ち、長い手足とその上背は、嫌でも人々の目を惹きつけるだろう。その上、彼女には貴種としての立ち振る舞いが沁みついていた。彼女自身の無意識のうちに、身のこなし一つ一つに優雅な感じが出てしまうようだった。

 彼女を守るためには、人の目につくところに置くわけにはいかなかったが、しかし一方で人目から隠しすぎるとそれがかえって悪目立ちすることも考えられた。その辺の事情と、さらに警護の都合も勘案した結果、不自然でなくこの市庁舎の中に留め置くことができる秘書という立場を付すことになったのだ。

 ついこの間まで伯爵様の跡目であったご令嬢を、偽装のためとはいえ秘書として扱うことに、思うところはなくはなかったが……しかしそれがかえってハータ嬢の正体を隠蔽する効果をもたらすかもしれない。(まさかハータさまが自由都市執政なんぞの秘書をやるわけがない、と人々は思うことだろう)

 とはいえ、いつまで彼女の存在を隠し通せるかは、正直なところ分からない。いまフォーゲルザウゲ伯爵家領邦では、バルバナーシュ・フォーゲルザウゲがハータ嬢の行方を必死になって捜索しているであろうが、その領邦内部に見つからないとなると、当然次は、この自由カオラクサへの逃亡が疑われるに違いないのだから。


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