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記録9 帝都の共和派について


 参事会の老人たちからは、散々嫌味を言われ、せっつかれることとなった。まったく無責任な連中である。

 それでも、工事の進捗は低調にならざるを得ない。慎重を期すように指示を出したのは、他ならぬわたしである。なにせ、あの石碑の他にも、何らかの魔術装置が埋まっていないとも限らないのだ。事を急いで鋤を地面に勢いよく突き刺し、そこに埋まっていた魔術装置を作動させ、ドカン! ……と、ならないとも限らないからだ。(もしも参事会の老人たちが今以上にせっついてくるようなら、そのときはドカンとやってやろうかと思わなくもない)

 いつ貴族派による包囲攻撃が始まるとも分からない状況下で、強いられた停滞にやきもきする日を過ごしていたが、そんな中で朗報があった。帝都を支配する共和政府からの返答を、急使が早速持ち帰ってきたのだ。

 共和政府は、発掘された石碑についての歴史学者と魔術学者からなる調査隊をこちらに送ってくれるというのだ。

 それに加えて、共和政府の情報機関の分析としては、現時点での自由カオラクサ攻撃の軍事作戦はまだ動き出していないとのことだった。

 ここにきてわたしは、胸をなでおろすと同時に、初めて自分の味方を得たような気分になった。

 無論、なにも帝都の共和政府は、親切心からこちらに助力しているというわけではないのだろう。この自由カオラクサを、貴族派の勢力圏に打ち込まれた共和派の楔として利用しているに違いなかった。それでも、なんだか無性に嬉しく感じたのだ。

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