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記録7 自由都市の陥落について


 自由イナノイアが貴族派の手に落ちたという。

 気が滅入る話だ。

 自由イナノイアは、自由都市連合の加盟都市であり、共和派の立場をとっていた。ただしその位置としては、この自由カオラクサよりもさらに東方、貴族派諸侯領邦の奥深くだ。

 伝え聞こえる情報をまとめると、自由イナノイアは直接的な軍事攻撃を受けたわけではないらしい。しかし、自由イナノイアの自由都市執政は度重なる暗殺未遂に耐えかねて、ついに脱走を果たしたとのことだ。自由イナノイアの参事会は、全ての責任をその脱走した自由都市執政に押し付け、貴族派に恭順することを選んだという──

 この話を聞いたとき、わたしは唖然とするとともに、恐るべきことが身に迫っていると感じた。まったく他人事ではない。明日は我が身。わかり切っていたことではあるが、結局、自由都市執政というのは、使い捨ての存在にすぎないのだ。

 自由イナノイアと自由カオラクサの違いは、単に貴族派の勢力圏の奥深くに位置しているか、浅くに位置しているかの違いしかないのではなかろうか。であれば、自由イナノイアを落とした貴族派が次に狙うのは……

 今の時点では、わたしの身辺警護は問題なく機能しているように見える。けれど用心しなければならない。

 それに、自由イナノイアの件で、共和派と貴族派の間の緊張はさらに高まったといえる。実際の軍事衝突が発生するよりも前に、なんとか環濠だけでも完成させなければならない。

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