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記録57 第二次以降の会談について


 第一次会談は決裂に終わり、黒い石碑の所有権については第二次以降の会談に持ち越された──という体で、ハータ嬢は帰っていった。無論、それはあくまでも世を欺くための芝居であり、この自由カオラクサの執政と、ハータ・フォーゲルザウゲ伯爵令嬢との間での定期的な情報交換こそが真の目的なわけだ。

 今の時点では、わたしはハータ嬢を信じてもいいのではないかと思い始めていた。彼女の滞在中に顔を合わせているうちに、苛烈なようでいながら実直な彼女の人柄に、説得力を感じたのだ。……無論、単にそんなお人よしな理由だけではなく、結局今の時点では、仮にハータ嬢に裏切られたとしてもこちらは何かを失うわけではない、という点も重要だった。つまり、彼女がもたらす情報について、その真偽については留保するとしても、もらえるものはもらっておこうという腹積もりだ。

 ハータ嬢との同盟については、とりあえずは自分の心の中にだけに隠しておくこととしよう。これはアデーラにも、参事会の老人たちにも、そして帝都の共和政府にも、隠しておいた方がよさそうだ。

 とはいえ、一応、共和政府に対しては伝えておくべきことはある。近々、貴族派が何らかの軍事行動を起こそうとしているという情報についてだ。(まあ、その情報をハータ嬢から直接教えもらったというわけにはいかないので、ハータ嬢との会談における彼女の無意識の発言から推察したところ……みたいな言い方にはなるだろうが)

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