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記録28 内憂について


『発掘された黒い石碑は魔術師王時代の魔術装置であり、これを利用して、帝都との即時通信が達成された』

 この発表は、一部の市民たちからの反発を招いた。予測していたことではあるが、特に砦の修道会からの拒否反応は著しく、一時は修道女たちが抗議のために政庁に押し寄せてきたほどだ。(邪神召喚の儀式じゃなかったんだからいいだろ、もう!)

 一方で、この即時通信を利用した帝都の共和政府との密接な連携はすでに始まっており、今になって黒い石碑を放棄するわけにはいかないのである。


 反魔術的道徳を持つ人びとの反発を何とかして押さえよ──と、参事会の老人たちが命じてきた。どのようにしてですかと聞いてみれば、それは自分で考えろと老人たちはにべもない。

 まったく簡単に言ってくれるものである。

 とはいえ、確かにこのまま何の手立ても講じずにいるのも、実利上の問題が出てくる可能性がある。現在は小康状態とはいえ、この自由カオラクサが貴族派領邦のまっただ中に取り残され、いつ包囲攻撃を受けるかもわからない状態であることには変わりがないのだ。可能ならば、内憂は取り除いておきたい。

 ……しかし、今夜はまだ考えがまとまらない。あるいは、この件に関しては誰かに委任してしまうべきかもしれない。いずれにしても、きょうの日記はここまでである。次の日記を書くまでには、妥当な解決策が考案されていることを願うばかりである。


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