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記録113 連絡手段について


 わたしとの縁談の話がそちらに行っているかもしれませんが本気にしないで適当に受け流すようにお願いします。当然、そちらの回答によってそちらが不利益を被ることはないようにこちら側で調整しておきます──と、わたしはハータ嬢に、個人間の経路で連絡をした。ハータ嬢がフォーゲルザウゲ伯爵家領都に舞い戻って以来、お互いに持ち場を離れるわけにもいかず、直接会って話すこともできないので、密書という形での連絡になっている。

 しかし、こうやってみると、密書による連絡というのは、甚だ時間がかかるものだ。行き違いや遅延の可能性もずっと高く、効率の悪さにやきもきさせられる。その上、途中で密書が盗まれる可能性だってあることを考えると、随分と危うい連絡手段にも思えるものだ。

 そういう意味では、わたしはすっかり、魔術装置による即時通信というものに慣れ切ってしまっているのだろう。いや、わたしだけでなく、自由カオラクサの人びとや、帝都の人びともそうに違いないのだ。

 大きな視点でいえば、通信の効率というのはすなわち利潤である。魔術装置がある都市同士の経済が結びついて発展し、そうでない都市は周縁化し発展から取りこぼされていく──という未来が、容易に想像できる。

 さて。

 この魔術装置による即時通信というものは、経済面では言わずもがな、軍事の面においても、非常に重要な意味を持っている。(むしろ、これを作り上げたかつての魔術師王朝からすると、軍事こそが主眼であるのだろうが)

 技術的に可能かどうかは分からないが、フォーゲルザウゲ伯爵家領邦の領都にも、どうにかして魔術装置を置くことはできないだろうか? もしもそうなれば、より緊密な連携をとることができるだろうに。

 たしか、魔術装置は力線に沿って配置されていると言っていただろうか? だとしたら、自由カオラクサとフォーゲルザウゲ伯爵家領邦領都の間に走る力線が必要となるのだろうが……あと、できる限り共和政府の影響を排した状態での通信が望ましいな……


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