表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
490/500

0483・北へ




 ミクは移動して行く女性や子供達を見送り、走って移動していく。周囲に誰も居なくなれば再びモブ男の姿になり、クレイジーモンキーらしき反応に近付く。驚くべきほどの数がおり、クレイジーモンキーのスタンピードと呼ぶべき状態になっている。


 そいつらは随分と西から移動してきたみたいだが、いったい西の地で何があったのだろうか? そんな事を考えつつも襲ってくるクレイジーモンキーを手当たり次第に殺していく、ある程度は騒がしくして注意を引きつつ、逃げない敵を殺戮。


 周囲が死体で覆われ地面が見えなくなると、触手を生やして死体を貪っていく。それを繰り返しつつ進み、森と岩山の境界線にある青狼族の村があった場所まで来た。そこでは洞窟に入らないほどのクレイジーモンキーが居て、洞窟の中から獲物となった男の叫び声が聞こえる。


 一部嬌声らしき声も聞こえるが、そういったものを聞く気は無いミクは早速殺戮を開始した。洞窟の中に入れずお預け状態だったクレイジーモンキーは、モブ男姿のミクを見つけるなり興奮して襲ってくる。



 「「「「「「「「「「ウホッ! ウホッ! ウホーーーーーッ!!!!」」」」」」」」」」



 それでもミクが己に触れさせる事などない。絶妙な触れるか触れないかの状態を維持し続け、クレイジーモンキーが逃げたり興味を失わないようにしつつ殺戮を繰り返す。そのうちに数が減ってきたものの、森の西からやってきてはまた増えた。


 いったい西の方で何が行われているか分からないが、感知範囲だけで見ると、既に洞窟以外には白鱗族も青狼族も居ない。ここに居るので全員のようだ。なのでミクはひたすら殺戮していく。


 他にも連れ去られた者は居るのだろうが、感知範囲に居ない以上は絶望的だ。何よりそこまでは面倒を看きれないとも言える。そんな事を考えつつも殺戮を繰り返し、数が減ってくると西から再びやってくるのを繰り返す。


 既にコッソリ足下から触手を出して死体を貪り喰っているが、それにも気付かず襲ってくるクレイジーモンキー。どこまで性欲に汚染されているのだろう? そして何より、どうしてこんなに増えたのだろうか?。


 ミクは根本的な原因を考えつつ、それでも緊張感をもって対処し続けていき、1000を超える者を殺す事でようやく外のクレイジーモンキーを駆逐した。後は洞窟の中だけである。


 誰も見て居ない事をいい事に、蜂の巣のように穴が空いている岩壁の一つ一つに対し、ミクから延びている触手が気体の睡眠薬を流し込んでいく。ある程度流し込み続けると悲鳴も嬌声も消えたので、おそらく眠ったのだろう。


 その後は女性の姿に戻してから一つ一つの洞窟を調べ、白鱗族と青狼族なら助け、クレイジーモンキーは貪り喰っていく。既に外の死体も喰い荒らし終わっているので、後は洞窟の中のを喰い殺していくだけだ。


 寝ている連中はそのまま寝かせておき、全ての洞窟を回って被害者を助けて回る。洞窟の中にあった生活雑貨は全て回収し、寝ている連中に触手を刺して脳を操り、トラウマにならないように回避しておく。


 悪事を働きそうな者も中には居るので、<紅の万能薬>と<天生快癒薬>を流し込みつつ脳を支配したままにする。これで薬を注入されても目覚めない。睡眠薬の効果は2つの薬には勝てないので、こうしておかないと解除されてしまうのだ。


 十分に回復した後に<幸福薬>を使って善人への洗脳を行っておく。もしかしたら効きが甘いかもしれないが、それでもやらないよりはマシだろう。全て終わったので全員を起こす。ちなみに白鱗族が8人、青狼族が41人だった。


 思っている以上にクレイジーモンキーにケツを可愛がられていたらしい。



 (私の名はミク。白鱗族を助けに来たんだけど、途中で青狼族の女性に夫を助けてほしいと言われたからついでに助けた。とにかくクレイジーモンキーに何をされていたかは覚えている筈。あいつらは西にまだ居るから、今の内に逃げるので私についてきて。分かった?)


 (逃げると言うが、我等に逃げる所など既に無い。それに……尻を犯された者など種族の笑い者だ。だか、ひぃっ!!!)


 (私が、ついて来いと、言っている。分かったか?)


 ((((((((((イエス、マム!!))))))))))



 何故か軍隊のようにキビキビ動きつつミクのいう事を聞く被害者達。ちょろっと本質が出たが、彼らは本質的には人間種より獣に近い。肉塊ミクを怒らせるとヤバいと瞬時に気付いたようだ。


 それからは急ぎ足で進み、途中で白鱗族の村へと寄り、残している物はないか確認。残っていた物は全てミクのアイテムバッグに収納していく。更に北へと移動し、種族に関係なくお互いに励まし合いながら歩き続けた。


 青狼族の女性と子供達には追いついたので、今は再会を喜んでいる。ただし2度も白鱗族の村へ攻めた事で、多くの男性が殺されていた。残っているのは未亡人と、相手の居なかった男性が半数ほど。


 100人居るかどうかの集団となってしまった青狼族。これからどうしていくかと悩んでいるが、同時に白鱗族が焼いている肉に目が釘付けだ。これはミクが指示した事であり、白鱗族は数がさほど減っていないが、青狼族は種族存亡の危機である


 だから話し合いをさせる為に、青狼族の大人には料理をさせていないのだ。とはいえ、肉の良い匂いで話し合いどころではないようだが。


 適当にピザ焼き窯を出してパンを焼いているが、どちらもミクの魔法で行っている。青狼族に食べさせるので良いのだが、何故か子供達が熱心にお手伝いしてくれた。早く食べたいのだろう。今日は大変だったし。



 (しかし、こんな森の中で匂いを振り撒いて大丈夫でしょうか? 私達が襲われでもしたら……)


 (私は2~3日寝なくても問題無いし、そもそもあのクレイジーモンキーの群れに勝ってるでしょ? 何の問題も無いよ。それでも怖いって言うならティムにも頑張ってもらうから大丈夫だって)


 (シュ!!)



 ティムは自分にも任せてほしいという意味で元のサイズである最大サイズに体を戻す。背中を撫でていた小さな子供はビックリしたものの、その後は大きくなったティムにハシャいでいる。体高4メートルだ、ハシャぐのも分からなくはない。


 大人達は硬直しているが、手を叩いて目を覚まさせる。ティムはミクのいう事を聞く事と、周りを無闇に襲うという事はしない事も説明した。



 (そもそもティムは極めて頭がいいからね、こちらの言う事は大凡おおよそで理解してるから注意しなよ。悪口言っても理解してるから)


 ((((((((((………))))))))))



 思念は発さないものの、必死になって頭を「コクコク」上下に動かす者達。大変分かりやすい連中で助かる。出来上がったパンや肉を食べていくのだが、猛烈に肉を貪っていく両種族。肉はなかなか食べられない贅沢品ならしい。


 成る程、それで喜んで食べているのか。一部泣きながら食っている連中も居るが、大抵は村の偉い連中か占い師に渡されて、自分達は食べられない事が多かったと言っている。なので、ミクは占いに何の意味も無いと説明してやった。



 (でも、占いの通りにしないと不幸になってしまうって……)


 (占いっていうのはね、そうやって不安を煽って他人を自分の思い通りに動かそうとするものだよ。だから占い師が間違った際は「努力が足りない」と言って、当たった時には「自分の御蔭」って言うんだよ。占い師は何もしてないのにね?)


 ((((((((((………))))))))))



 どうやら青狼族の占い師というのはミクの言う通りの奴だったらしい。よくあるパターンを喋ったのだがテンプレ通りだったらしく、其処彼処そこかしこで死んだ占い師に対する悪態が聞こえる。


 聞いてみると、占い師はケツを犯されながらお持ち帰りされたらしい。真っ先に逃げ出そうとして襲われたそうなので、今も可愛がられているか死んだかのどちらかだろう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ