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0425・4チームに分かれての戦い




 結局、眠る事も出来ずにセイランが起きたので、ゼルもミクに甘えるのは止めた。その後はルーナやヘルも起きた為、部屋の中を片付けて酒場へと移動する。宿を出る際に受付の男に睨まれたが、ミク達はスルーして出て行く。


 注文して席に座り、雑談をしながら朝食を待つ。出てきた料理を食べたら、今日は北東へと向かう。こちらにも多少の傭兵は居るものの、そこまで多い訳ではなく、やはり南東の儲かる方角へ行っているらしい。


 そもそも儲かる魔物が出る方角が決まっているという事が奇妙だが、高値で売れる魔物が好む餌でもあるのだろうか? もしくはそういう物を撒いている奴が居る? 未だよく分からないが、魔物を倒しつつ怪しい物を探していく。


 結局見つからないまま昼が近くなり、第一ベースに戻って昼食にする事に。ここまで見つからないという事は、何か考え違いをしているのかも? そんな事を考えながらの食事も終え、午後の狩りへと出かける。


 今度は南西であるが、こちらも多少の傭兵が居るだけで、そこまで多くはない。魔物はそれなりに居るが、そこまで高く売れる魔物もおらず、小さいものが多い気がする。とはいえ、それ以外には不審どころか気になる物も無かった。


 この日も碌な収穫が無いまま、第一ベースへと戻る。根本的に第一ベースの近くには何も無い可能性が浮上してきたが、明日もう一日調べる事にして、酒場での食事後は違う宿へと行く。そちらには4人部屋があったのでさっさと部屋をとる。


 ゼルは7人が寝られる部屋を考えていたのだが、そもそもミク達にベッドが必要ない事を思い出す。単なる擬態だし、停止すると抱き枕になるだけである。そう考えた瞬間、今日は自分のベッドで寝てもらおうと思うゼルであった。


 宿の部屋を調べた後、明日の相談をしつつMASCで情報を探す全員。高級な物と低価格な物の差は性能ぐらいのもので、出来る事は大して変わらない。傭兵は大抵一番安いMASCしか使わないので、ミク達が安物を持っていても変ではない。



 「引っ掛かるような情報は無いわねえ。変な書き込みも無いし、おかしな物を見たっていう目撃情報も無い。というより、ここの掲示板はかなりの過疎っぷりで碌な書き込みが無いわ」


 「本当ですね。検索しても碌な情報が出てきませんし、何よりどこもジャングルなので場所の絞り込みも出来ませんよ。お勧めの狩り場などは書いてありますけど、他の傭兵と私達では強さが違うので、私達にも有効な狩り場なのか疑問があります」


 「今日の成果にある火鼠6匹ですか。あれ、思ってた以上に高く売れましたし、私達なら探し出す事も難しくはないです。この辺りにいる火鼠を狩りつくしてもいいかもしれませんね。それで、どう出てくるのかを確かめられます」


 「ああ、養殖している魔物であれば投入されるので変わらないでしょうし、減っていれば天然の魔物だという事ですね? ですが……それをする必要がありますか? 私は無いと思います」


 「私達の元々の目的は、傭兵が多く死ぬ事の理由を解き明かす事。正しくは傭兵を殺す連中を暴く事……ZZZ1190の所長は、何者かの手によって殺さている事を知ってる? ここでは死角から魔物に襲われると言われているけれど……」


 「……明日はそれぞれ分かれて魔物を狩ろうか? ルーナとゼル、ヘルとレイラ、ヴァルとセイラン、そして私。この4チームで分かれて狩りをしていれば、何らかの事が起きる可能性がある」


 『釣り餌のようなものか……まあ、特に問題はないし、戦力のバランスとしても一番良いだろう。あとは明日一日色々調べてみてだな』



 そう話を締め括ると、我慢の効かない三人娘は服を脱ぎだした。仕方なくミクとレイラはルーナとヘルの相手をするが、何故かルーナがゼルの母乳を飲んでいる。そういうプレイが好みなのかちょっと嬉しそうだ。


 これで茨木吾郎ならアウトなのだろうが、18歳のルーナなので絵面としてはギリギリセーフだろう。半分以上はアウトな気がするが、嬉しそうにしているのだからと、見て見ぬフリをしてあげる三人。


 今日もルーナとヘルは先に撃沈し二人を同じベッドに寝かせると、レイラとゼルから甘えられるミク。そのうち甘えるのも止めるであろうから、今だけは良いかと甘えさせているようだ。更なる泥沼に堕ちていっているのは気のせいだろうか?。


 散々甘えられたからだろう、満足して眠ってしまったゼルの横で分体を停止し、ミクは本体空間へと戻るのだった。後は物作りで暇を潰すミク。いつも通りである。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 4チームに分かれる事を決めた翌日。起きて準備を整え宿を出たら、酒場へと行き朝食とテイクアウト用の食事を頼む。朝食を食べた後に昼食を受け取り、第一ベースのそれぞれの方角へと出発する。


 ミクは南東へ行きルーナとゼルは北東、ヘルとレイラは北西でヴァルとセイランは南西へ。分かれると急に悪意が飛んでくるようになったので、七人で徒党を組んでいるから来ないのだと納得したのだった。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 こちらは南西へと進んでいるヴァルとセイラン。早速後ろに尾行する連中がついたが、そこは気にせず進んで行く。既にセイランには後ろからつけられている事を【念話】で伝えているので問題無し。


 今は魔物を警戒するフリをしつつ後ろを警戒しているセイラン。ヴァルはセイランの後ろに居るので、前にだけ警戒するように伝える。そもそも後ろにヴァルが居る以上、怖れる心配は何処にも無いのだ。



 (それにしても分かれたら簡単に引っ掛かりましたね。ここまで簡単に釣れる連中だとは思いませんでしたが、死角が多いからこそでしょうか? もしくは身を隠しやすいから?)


 (おそらくはダンジョンと同じ心境だろう。簡単に説明すると、自分の犯罪だと露見し難い場所では、人間種は安易に犯罪に走るのだ。その者の本性というか、化けの皮が簡単に剥がれる)


 (欲望剥き出しの連中という事ですね。何と言うか呆れるしかありませんが、人間種なんてそんなものと言えば、それまでですか。……来ましたね、前に先回りした連中がいます)


 (ある程度進んだからな。そろそろ手を出してくるかと思っていたが、予想よりも早かったようだ。欲に流されやすい連中だ)



 前方から魔法銃の【魔力弾マジックバレット】が飛んできたが、魔鉄を被覆した盾で簡単に防ぐセイラン。下卑た笑い方をした連中が四人で前を塞ぎ、後ろから七人の者達が近づいてきた。



 「ここのジャングルが簡単だと思って調子に乗るから襲われるんだよ。たった二人だけじゃ、<解体師>の仲間もオレ達クーロンの相手じゃねえ。ああ心配すんな、そこの女はたっぷり遊んだ後で始末してやるから安心しろ」


 「ゲヘヘヘ、テメェらはクーロンの中じゃ賞金首になってるからよう。たっぷりの賞金に加えて褒賞まで貰えるんだよ、恨むならテメェんトコの<解体師>を恨めや」


 『別に主を恨む事など無いし、釣り出された事も分からん無能どもの戯言など興味も無い。大人しく死んでおけ』


 「よく言った! 今すぐブッ殺してやるぜ!!」



 そう言うと後ろから魔法銃を撃ってきたが、【魔力盾マジックシールド】で逸らして接近する。右手にメイスを握ったヴァルは敵の足を素早く壊す。たったの一撃で足が壊れた敵は、痛みに絶叫を上げるが遠くには聞こえない。


 ヴァルが【消音空間サイレントエリア】の魔法を使用しているからだ。そのまま後ろの全員の両足を潰したヴァルは、その後に両腕も壊す。その頃にはセイランも勝っており、前方に居たクーロンの傭兵は皆殺しにされていた。


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