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0421・神々の実験?




 「う、うう……ハッ!! ここは…………ナニアレ?」


 「まあ、アレって言いたくなるんだろうけどね、随分失礼かつ面倒臭いヤツだよ本当に。私だよ、ミクだ。この肉塊こそが私の本体であり、あの女の姿は私の末端の擬態でしかない。私は全てを喰らい尽くす者。故に<喰らう者>だ」


 「あー……何ていうか、絶対に勝てない怪物だというのは分かるわ。どうにもならなさ過ぎて笑いが込み上げてきそうよ。ところで何故わ………あれ? 目がちゃんと見えてる?」


 「ゼルをこの本体空間に連れて来たのは、<光の神>が連れて来いと言ったから。そしてゼルの体を改造する為に呼んだの。というか、また私の肉を使って治療する羽目になったんだけどね。私としてもいい加減にしてほしいよ」


 「は、ははははは。右眼が治ってる、しかも髪は地毛だし元の色……。ふふふふ、あははははは! 神よ……ありがとうございます……!!」



 嗚咽を漏らし、泣きながら神に感謝を捧げるゼル。「私が治したんだし、私の肉を使ったんだけど?」そう言いたいのをグッと堪えるミク。ある程度泣いてスッキリしたゼルに、その事をキッチリと言い聞かせている。気持ちは分からなくもない。



 「そ、そう……私の体はミクの肉で補われたという事ね。つまり私は、うぇっ!? 内臓も治ってる!? ………もしかして、まさか!!!」


 「<光の神>が伝えとけって。「子宮も治させたから、これ以上惑うな。神の子として正しき道を歩め。そして多くの者を救え」、だってさ。その為に様々なスキルも持たせたし、胸も大きくさせたって言ってたよ。したのは私なんだけどね」


 「えっ? ………フォーーーーーッ!!! 何このグレーターオッパイは!? いえ、もうこれはアークオッパイね!! 凄い!! 重い!!! 揺れてるーーーっ!!!!」


 「AAからEを超えるほど大きくなってるか「スゴーーイ!!!」ら気持ちは分かるけど……人の話は聞けよ。私は人じゃないけど……さ!」



 ミクが圧を出した瞬間飛び跳ねるように距離をとったゼル。流石にかつて一騎当千と呼ばれた人物だけはあるのだろう、思っている以上に速い反応であった。



 「多少は冷静になった? 胸は大きくしたけど喜び過ぎで、話を聞かないっていうのはどうなのさ? それはともかく、<人物鑑定の宝玉・一級>を使って、自分のスキルを確認しなよ」


 「???」



 現在の宇宙にはダンジョンが無い為、イマイチ分かっていないゼルに説明をするミク。理解したのか使ってみて、目の前に現れたウィンドウにガックリするゼル。実はあの宇宙にもステータスを見る道具はあるらしい。



 「アーティファクトと言ってね、とある星に石が環状に並んでいる所があるの。その中心に立つと自分のステータスが頭の中に浮かんでくるのよ。……こんな小さな玉に出来るんじゃないの!! 何で私達の宇宙には、あんなのしかないのよ!」


 「面倒臭かったんじゃない? ダンジョン無いし、もうこれでいいやってさ。あの神連中のやる事なら納得できるけどね? もしくは惑星規模の神か銀河規模の神が創ったんじゃないの?」


 「ゴホンッ!! まあ、神様方の事は分からないけれども、コレってどういう事? 何か色々知らないスキルがあるんだけど……」



 ■■■■■■■■■■■■■■■



 <ゼルティツィア・リューディクト・ヴァローム・リョース・アールヴ>


 種族・光半神族リョース・アールヴ

 性別・女

 年齢・1501

 【スキル】・光身・慈悲の愛乳・短剣術・光槍術・格闘術・回避術・歩術・光魔法・浄化魔法・高速回復・性愛術・房中術・愛心術・死霊術

 【加護】・光の神の神子・愛の神・乳の神・豊饒の神・槍の神・死の神・混沌の神



 ■■■■■■■■■■■■■■■



 「どれの事? そもそもゼルが最初に持っていたスキルとか知らないんだけど……何となく<光の神>に関わるスキルだけっぽいね。という事は、それ以外は殆ど新しく得たもの? 神連中も何を考えているのやら」


 「ま、まあ……神々にあらせられては色々あるんでしょ? それはともかく、私が最初に持っていたのは【光身】【短剣術】【格闘術】【光魔法】ぐらいかしら?」


 「【光神術】は? 知り合いの闇半神族デック・アールヴは<闇の神>の術である【闇神術】を使えたけど……ゼルには無いね?」


 「私は【光身】があるでしょ? あのスキルに【光神術】も含まれてるわ。永い時をかけて練磨してきたからこそね。その知り合いの闇半神族デック・アールヴも1000年以上かけたら出来るようになるんじゃない? 【闇身】とか」


 「既に1300歳に到達寸前ぐらいなんだけどねぇ……ローネは別の道を歩んでるって事かな? 代わりに【天命殺】という絶対死を与えるスキルを持ってるし」


 「こわっ!? 何よソレ? 反則過ぎるでしょ! 絶対に死を与えるスキルとか尋常じゃないわ!! 流石は闇半神族デック・アールヴ、<闇の神>の神子だけはあるわね……!」


 「後は説明だけか……。まず体は左腕と右足以外は治したから問題無し。左腕と右足は戒めの為にそのままにしておく……だってさ。それと【慈悲の愛乳】だね。これは何でも、栄養抜群の母乳が出せるようになるスキルなんだって。<乳の神>が五月蝿いから持たせたって言ってたよ」


 「いや、五月蝿いから持たせたって何なの? スキルだからありがたく頂くけれど、意味が分からない……」


 「<乳の神>は最近色々な種族に母乳系のスキルを与えているみたい。乳幼児の死亡率が高い惑星とか宇宙にね。それの一環で栄養満点の母乳を生み出すスキルを作りたかったんでしょ。つまりゼルを使った実験。私なんて【神育の輝乳】なんてスキルを勝手に付けられたし」


 「………ああ、うん。神様の実験に使われたって訳ね。まあ、神子だから仕方ないのでしょうけど、扱いが物凄く雑に感じるわ」


 「文句言い出したら、「お前の過去の行いの所為だ、反省しろ」って<光の神>が言ってたけど? 過去に何やったの?」


 「………黙秘権を行使します」


 「そんなの許すわけ無いじゃん」



 そう言ってミクは触手を使い全裸のゼルを吊り上げると、徹底的に性的に苛め抜くのだった。流石のゼルも触手を使われては勝てず、洗い浚い全てを吐きながら、ミクに更なる責めを懇願するのだった。



 (ビックリするほど下らない事だったけど、そんなに隠したい事なのかな?)



 ゼルにとっては恥部ともいえる黒歴史なのだが、ミクにはイマイチよく分からないのだった。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 明けて翌日。説明と責めを終えたミクは、朝の早い時間に肉を通して転移させ、宿の一室にゼルを戻した。既にミクは起動しているものの、戻ってきたゼルは部屋を見回した後、ミクの右側に寝転がりキスをする。



 「元々ヴァルとする為に来たのに、私?」


 「……あんな人間種じゃ出来ないスゴイ事をしておいて、今さら突き放すなんて酷いわね。それに……カレも同じなんでしょ? ならミクでも構わないと思わない?」


 「それを私に言われてもね。私は肉塊であり快楽を感じないから分からないし……」


 「それは残念だと思えるし、素晴らしいとも思えるところね。分からないからこそ冷静に責めてくれるし加減をしてくれる。興奮に溺れてたら壊されていたかもしれないわ。まあ、それすら<光の神>からの命だって聞いてガッカリしたけど」


 「それは仕方ないね。私だってアイツらに滅ぼされたくないし、従うしかないからさ。だから諦めてよ」


 「ま、私も神々が相手では文句なんて言えないんだけど」



 ミクとゼルは顔を見合わせて、一斉に溜息を吐くのだった。……もちろん色んな意味で。


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