表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
410/500

0403・W15強襲作戦02




 ミク達に近付いてくるMAAは左前足が杭打ち機であり、右前足が魔導ノコギリのようだ。前に三人娘から聞いた有名なMAAかもしれない。そんな事を思いながらも敵傭兵を殺害していくミク。


 近付いてきたMAAは右前足の魔導ノコギリを突き込んでくるが、ミクはあっさりと避けつつ近くに居た敵傭兵を魔導ノコギリに放り投げる。「ギィヂュィィィ」という妙な音がして、生きたままノコギリで切り殺される敵傭兵。


 それを見た敵の傭兵達は停止してしまう。しかしMAAのパイロットには普通の事なのか、今度は左前足の杭打ち機をミクに向けて突き込んできた。ミクは停止している敵傭兵を掴み、杭打ち機へと放り投げる。


 それは狙いを違わず杭打ち機の先端に当たり、「ドガンッ!!」という音と共に木っ端微塵となった。辺りに肉片が飛び散ると、敵は一斉に恐慌に陥り我先にと逃げ出す。MASのパイロットは味方を撃ってしまう為、砲を撃てないようだ。


 その隙にMAAとMASに近付いたヴァルとレイラは、素早く【爆音衝撃サウンドショック】を使いパイロットを気絶させる。コックピットをこじ開けて中から引き摺り出すと、さっさと首を刎ねて始末した。


 MASのパイロットはともかく、MAAのパイロットはどこか狂っていると言っていい。早めに始末しておくに限るのだが、どう見ても15歳には見えなほど幼い見た目をしていた。単に種族的な事なのか、それとも本当に幼い子供を使っていたのかは分からない。


 ミク達は逃げていった連中を追い駆ける事なく、死体をアイテムバッグの中に入れていき、こちらを見ていない間に肉塊で魔導装甲を喰って転送した。特に魔導ノコギリと杭打ち機に高い関心を示している本体。


 何を作る気かは知らないが、人の姿で使える物にしてほしいものである。そんな事をヴァルとレイラが考えつつ、戻ってきたアイテムバッグから魔導二輪を出して移動していく。今までと変わらず、途中で走っていた連中も殺戮しながら西への道を進む。


 40キロ地点を通過したが、まだ道は続くようだ。W14からW15へは50キロほどあるらしい。そんな事を思いつつ走らせていると、最後のバリケード地点へとやってきた。


 そこは魔導装甲こそ無いものの、今までで一番大きなバリケード地帯だった。傭兵の数も多く、更に物凄く殺気立っている。おそらくはミク達がやってきた事が知らされているのだろう、あちこちから敵意と殺意と悪意が向いてくる。


 ミクは楽しげに受け止めながら魔導二輪を降り、アイテムバッグに仕舞うと武器を持つ。そして走りこもうとした矢先、バリケードの奥から巨大な【魔力弾マジックバレット】が飛んできた。


 避けられない事は分かったので、三人集まって【魔力盾マジックシールド】を使いつつ身を守る。………風に相手に見せておいた。実際には受けても何の問題も無いし容易く防げるのだが、それでは怪しまれてしまうのでギリギリを演出しておいたのだ。


 防ぎ切ったミク達は素早く敵に突っ込んでいく。二度目を撃たれる前にバリケードの向こうへ突入する事に成功。乱戦に突入した。この状態ならば、あの巨大な砲も撃てないだろう。味方を殺してしまう可能性が極めて高い。


 そんな事を考えていると、奥の方で再び魔力が集中しているのが感じ取れる。今回はどれだけ味方を犠牲にしてでも構わないらしい。聞いていなかったのか、敵の傭兵達も慌て始めた。しかしそんな事はお構いなしに発射される巨大な【魔力弾マジックバレット】。


 ミク達は敵の傭兵も肉の盾として利用し、更には死体も使って自分達の身を守った。……風に見せて、怪我なく乗り切った感を出す。既にそれなりに怪しいものの、それでも普通の傭兵にも出来ない訳ではない。


 おそらくは大丈夫だろうと思いながら、ミク達は残りの敵傭兵を次々に倒していく。流石に二度も撃ったからか、それ以降は奥の巨大な砲も沈黙しているらしい。あんな物を持ち出してまでW15を守る意味が分からないが、既に多くの傭兵は逃げてしまったので戦闘は終わりだ。


 流石に監視カメラのような物が検問所には付いているので、ここでは死体を喰う事は出来ない。逆に死体から剥ぎ取り、一ヶ所に集めて【葬炎】で死体だけを燃やす。死体を燃やして清める為だけに作られた魔法であるが、死体は燃え難いので作る必要があったのだろう。


 周りに殆ど被害を出さない珍しい魔法ではあるが、生きている者には不思議と発動しない魔法でもある。そもそも無理に生きている者に使う必要も無いので、監視カメラに見せつつ死体が無い事の誤魔化しもしている。



 「さて、これからW15の中に入るんだけど、制圧戦って確か敵対勢力の殲滅だよね? ここにはリョースナ工業国の奴等も常駐しているって聞くから、正規の軍人とも戦闘をする事になりそうだね」


 『そうだな。とはいえ、正規の軍人が何処まで強いかは疑問があるがな。俺は傭兵と大差ないのではないかと思うぞ? 鍛え上げたとはいえ肉体だろう? 魔力や闘気の器を何度も破壊しているとは思えん』


 「そうよねえ。そもそもそこまでしているなら戦場で活躍して有名になっていないとおかしいし、そんな人の名前を聞いた事が無いわ。むしろ私達が目立っているくらいよ? なら、大した相手は居ないでしょう。もちろん侮ったりはしないけどね」



 一応監視カメラの前でそれっぽい話をし、準備を整えたらW15へと入っていく。四方八方から魔法銃の攻撃が飛んでくるが、ミク達は三方に分かれて建物などに侵入していく。建物の廊下などにいた敵を殺害し、装備品などを押収したら次へ。


 そうやってウロウロしつつの殲滅を繰り返していく。敵の攻撃はあるものの、【魔力盾マジックシールド】で簡単に逸らせる程度の威力でしかない。流石に巨大な砲など市街地では使えないので当たり前だが。


 民家のベランダなどから撃ってくる奴は魔法で攻撃して殺し、それ以外の連中は武器を使って殺していく。傍から見ていたら魔力を節約しているように感じるだろうが、ミク達にとっては近接戦の方が楽だからやっているに過ぎない。


 そんな事を考えながらもブチ殺していき、敵が見えなくなったタイミングで中心街へと移動していった。そこには幾つかの傭兵組織があるのだが、近付いただけで物凄く抵抗が激しい。既に撤退している筈なので、残っているのは決死隊なのだろうか?。


 ミクは気にせず一気に接近して首を落とし、外に居た全員を殺したら中へと入る為に扉を開ける。その瞬間撃たれたものの、【魔力盾マジックシールド】で防ぎつつ突撃し、再び殺戮を繰り返す。


 中に居た偉そうな奴を最後に残し、それ以外を皆殺しにした。今は魔力枯渇で唸っているので、頭の上に手を置き話を聞いていく。



 「お前がクリムゾンヴァルチャーの所長? ……そう、それなら話は早い。ここW15に居る傭兵組織を教えろ。それとブラックホークと内通している奴が居るでしょ、それも教えなさい」


 「ここにある傭兵組織は我々クリムゾンヴァルチャーとゴールドスカルだ。ブラックホークと内通しているのはリョースナの高官で、そいつは中心地の庁舎に居る筈だ。名前はボッテウス」


 「了解、了解。それじゃあ、さようなら」



 クリムゾンヴァルチャーの所長の首を切り落としたミクは、本体を通してヴァルとレイラに先ほどの情報を伝える。そしてヴァルにはゴールドスカルを、レイラにはボッテウスを確保するように指示した。


 ミクはクリムゾンヴァルチャーの出張所を後にし、出来得る限り目立つ形で道を歩く。ヴァルはともかく、レイラの動きを隠す為に。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ