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0402・W15強襲作戦01




 ミク達はW14の西へと続く道路からW15へと向かう。一応検問には人が立っており、西のW15は奪われたままで行くのは危険だと教えてくれた。とはいえ、ミク達はそのW15へと攻め込む為に行くのだから、危険は最初から承知のうえである。


 魔導二輪に乗って進んで行くのだが、5キロほど進むとバリケードがあり敵の傭兵らしき者達が魔法銃を撃ってきた。どうやら昨日の今日で敵が待ち構えているらしい。ミク達はイレギュラーに近い筈なのに敵が居る。


 常に待ち構えているのか、それともミク達の事を聞いて慌てて配備したのか。どちらかは分からないが、敵が居る以上は倒して進むだけである。ミクは魔法銃の攻撃を【魔力盾マジックシールド】で逸らしつつ、魔導二輪をアイテムバッグに仕舞う。


 右腰と左腰から鉈とメイスを抜いて持ち、一気に真っ直ぐ突っ込んで行く。ヴァルもレイラも魔導二輪を仕舞い、長巻と戟を取り出したら敵へと突撃。既にミクがバリケードの向こう側に行った為、ヴァルとレイラには攻撃が飛んでこない。


 ミクは紫魔鉄の鉈とメイスで暴れ回っており、ヴァルとレイラも紫魔鉄製だ。この星で採掘されているので、わざわざ鉄や魔鉄を使う意味が無いのだ。秘匿しなければいけない理由も無い。超高級品かもしれないが、他にもあるなら問題無しである。


 敵の鉄のヘルメットごとカチ割り、叩き潰していく。ヴァルはいつも通りに二~三人纏めて両断し、レイラは突き刺したり、引く時に引っ掛けて首を刈る。当たり前のように殺戮していく三人に、敵はあっさりと恐慌を起こす。


 されど三人は止まらない。逃げる敵に【魔力投槍マジックジャベリン】などを使い、確実に始末しながら逃がさないように戦う。とはいえ、どうしても全てを殺す事は出来ない。だからこそ、全力で戦う事もしない三人だった。


 誰一人逃がさず、情報も拡散出来ないなら全力で殲滅するのだが、この星系でもMASCがあるので全力は使えない。さすがに肉塊だとバレる行動は出来ないミクであった。それでも他を寄せ付けない程に強いのだが。



 「敵の残存戦力は無し。気配も魔力も存在も無いから間違いないね。それにしても、大した事の無い連中だけど、何故か私達が来るのを分かってたかのように待ち構えてたね? 多分……待ち構えてたと思うんだけど、どう思う?」


 『どちらかは判断し辛いな。この後も待ち構えていれば可能性は上がるだろうが……確かに常時展開する戦力ではなかったような気はする。それなりに人数も多かったような……とはいえ本気で守っているなら、あれぐらいの戦力は置くような……』


 「私達の場合、普通とか普段をよく知らないから何とも言えないところね。普段が分かっていれば、おかしいとは言えるんだけど……とりあえず追い駆けるついでに進みましょうよ。それで明らかになるかもしれないし、迷ってもしょうがないわ」


 「まあ、確かにそうだね。何が出てきても叩き潰すだけか……」



 話を終えた三人は死体をアイテムバッグに仕舞っていき、全て仕舞うと肉を通して転送した。本体は死体を取り出すと、すぐに分体にアイテムバッグを返す。アイテムバッグが戻ってきた三人は魔導二輪を出して進んで行く。


 途中に居た走って逃げる敵傭兵は丁寧に殺していき、10キロ地点には再びバリケードがあった。魔導二輪を仕舞ったミク達は5キロ地点と同じく突撃して乱戦を始める。魔導二輪か四輪で逃げて来た連中がいる筈なのに、突撃を防ごうとはしないらしい。


 魔法銃の攻撃を【魔力盾マジックシールド】で逸らし、それが味方に当たって倒れると簡単に魔法が止まる。そうなればミク達の独壇場であった。敵が恐慌を起こして逃げるまで、手当たり次第に殺していく。


 結果としては、最初の地点と同じ事が起きただけで終わった。敵傭兵は再び虐殺されたが、残りは逃亡している。再び近くから敵傭兵が居なくなると死体をアイテムバッグに入れて転送。戻ってきたアイテムバッグから魔導二輪を出して進む。


 また5キロ進むとバリケードがあるのだろうと思ったら、次はMADが二機待ち構えていた。強力な砲を撃ってくるものの、それも【魔力盾マジックシールド】で逸らして接近。先に魔導装甲の近くで撃ってくる敵傭兵を殺していく。


 魔導装甲に対してさえ突っ込んで来るとは思ってもみなかったのだろう、敵傭兵はパニックを引き起こしているようだ。そんな連中の首を刈り、頭をカチ割りながら殺し、残ったMADは【爆音衝撃サウンドショック】で中の奴を気絶させる。


 コックピットから引き摺り出して殺害したら、死体をアイテムバッグに回収しつつ相談を始めるミク達。周りに敵は居ない。



 「この魔導装甲どうする? 中のゴーレムコアさえ奪っておけば、後は金属やら樹脂やら粘液の塊でしかないけど……私達が乗って突撃してもいいけどね、適当に壊すつもりでさ」


 『まあ、それでもいいが、もうちょっと上手い使い方が無いか? 思いつかない俺が言うのも何だが……』


 「私も思いつかないわ。砲を取って回収したら、後は敵に突撃させれば良いと思うわよ。バリケードを押し込むように突っ込んだら、敵の陣地を一気に瓦解させられるんじゃないかしら?」


 「うん、使う意味無いね。私も良い方法なんて思いつかなかったし、さっさと解体して収納しようか。本体が適当に利用するでしょ」



 そう言って右腕を肉塊に変えて適当に喰らうミク。転送するならコレの方が早いので、誰も見ていなければこうやって済ませるのだ。さっさと喰い終わったミク達はアイテムバッグを転送し、すぐに戻ってきたアイテムバッグから魔導二輪を出して出発する。


 それにしても魔導装甲まで持ち出しているとは、よほどW15を取り返されたくないようだ。となると、思っているより特殊金属が産出されているのかもしれない。それを奪う事は出来ないだろうか? そんな事を考えるミク。


 そのまま進んで行くも、20キロ地点には何も無く通り過ぎてしまった。途中で走って逃げていた傭兵は殺害したが、それ以外には特に無い。そのまま通過していき25キロ地点。またもやバリケード等は無し。



 「ここまで無いと、この後に大きいのが控えてそうだね。どれだけの肉が居るのやら、ちょっと楽しみになってきたよ。最近は肉が喰えなくてもイライラしなくなったけど、それでもやっぱり肉はいいね!」


 『機嫌が良くて何よりだが、バレるような何かは止めてくれ。主はたまに暴走するからな。ルーナではないが、浮ついていると思わぬ失敗をするかもしれん。結果的に主が困るのだから、気を引き締めてくれ』


 「分かってるよ。流石にそこまで気を緩めたりしないって。まだまだ戦闘中とも言えるしね。おっと、随分と沢山居るようだし、ついでにアレはMAAとMASかな?」


 「そうね、ってこの距離で撃ってきたわよ! さっさと魔導二輪を仕舞って、傭兵狩りといきましょうか!!」



 魔導二輪を降りた三人は素早くアイテムバッグに仕舞い、自身の得物を持って敵に突撃していく。今回は大きなバリケードが築かれているうえ、その後ろからMASが撃ってくる。何故かMAAは何もしないがどういう事だろうか?。


 疑問を持ちつつもミク達はバリケードを越えて敵に突撃、向こう側で魔法銃を撃っていた敵を蹂躙していく。それはいいのだが、MAAがミク達に接近してきている。


 敵の傭兵を殺しつつも、ミクはその杭打ち機の付いたMAAを警戒するのだった。


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