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0394・中央街から西へ




 1キロの距離を走ったミク達はパラデオン中央街へと入った。町の入り口にも検問のような物があり、そこでもブラックホークのドッグタグを見せて機械にかざす。どうもあの長い距離は、検問を突破された際の時間稼ぎのようだ。


 あの距離を移動してくる間に、態勢を整えて敵を迎え撃つように出来ているらしい。岩石惑星の中に町や道があるので、このような守り方がスタンダードになるのだろう。物理的な距離はいつだって強敵である。


 ミク達は町中に入り、まずはブラックホークの事務所へと行く。それはすぐに見つかったのだが、中は閑散としていた。既に夜遅い時間帯だからか、それとも出払っていて居ないのだろうか?。


 受付嬢に聞くと、ここに人が少ないのは普通だそうだ。この星は岩石の中なので岩を削って現れる魔物も居るらしく、常時傭兵は警戒の為に町中を巡回しているらしい。それと中央街に居るのは半引退した連中ばかりだそうだ。


 現役の連中は前線に行っているので、この辺りには居ないらしい。聞いたところ、この中央街から八方向に道は広がっており、砂漠惑星と同じくNEWS表記で町の名前が付いている。



 「私達はリョースナ工業国と戦えって砂漠惑星SOW264の所長に言われて来たんだけど、リョースナが攻めてきている方角はどっち?」


 「………リョースナだけが敵だったのは2ヶ月ほど前までで、今はリョースナ工業国、ガドムラン星国、イェルハムラ聖国との四つ巴です。リョースナは西から、ガドムランは北東から、イェルハムラは南からです」


 「そもそも特殊な金属が見つかって、それを守らなきゃいけないんじゃないの? 他の国って手当たり次第に侵攻して来てるのかしら?」


 「当初はパラデオン魔王国の特殊金属地区を狙ってきていたのですが、最近は覇権を懸けて攻めてきている感じですね。最初の特殊金属はパラデオン魔王国の持っていた領地で産出されたのですが……」


 『もしかして、そこを奪われたのか?』


 「///………はっ!? あ、ええ、はい! 西の最も遠い特殊金属の出る地区、そこに一番近い町であるW15はリョースナ工業国に奪われてしまいました。現在奪還できたとは聞いておりません」


 「ふんふん。まずは西に行って情報収集が先だね。もう遅いし、明日の朝から出発しよう。じゃあ、情報ありがと」



 そう言ってミク達はブラックホークの中央事務所を後にする。あからさまに反応していたので、特にヴァルの声に弱いタイプなのだろう。何か言いたげな顔をしていたが、三人娘は分かるのか「うんうん」と頷いている。


 バカは放置しておき、ミク達は食堂に歩いて移動。中に入り夕食を注文して席に座ると、落ち着いてゆっくり話していく。



 「MASCを見れば地図が出るので、迷ったりという事は無いのですが……町中と農場以外は明かりが無いそうなので、私達も魔導二輪か魔導四輪を買った方が良いでしょうか?」


 「【暗視】スキルというか、身体強化の応用で暗視能力を一時的に持つ事は可能ですが、そこまで大量に魔力や闘気がある訳でもありませんしね。それに戦闘で使えなくなっても困りますし」


 「アイテムバッグに収納する事を考えたら魔導二輪でしょう。魔導四輪だとアイテムバッグに入る大きさとしては困る大きさです。他の物が入れられなくなってしまいますし、コンパクトな魔導二輪が売れるのも当然ですね」


 「そうなると私達の魔導二輪にもライトを付けておいた方がいいね。今までは無くても問題無かったけど、この惑星だと無いと怪しまれる。この町に来るまでの通路には明かりがあったけど、ここからは無いのかー」


 「仕方ないわよ。あの道は宇宙船から降りた人達が来る道だもの。だから明かりぐらいは用意するでしょうけど、ここからは自分で用意しろって事でしょうね。それに膨大な道の全てに明かりの魔道具を設置するなんて、お金が掛かり過ぎるわ」


 『流石のパラデオン魔王国も、いや国家であればそこまで金はかけんか。予算も有限だし、金をつぎ込まねばならん分野も多かろう。唯でさえ魔王国なのだ。魔道具の開発には潤沢な資金を使いたいだろうしな』


 「そうね。よく考えれば魔道具を国策としている国なのよ。となると白魔銀が狙いなのかしら? それとも知らない特殊な金属が見つかったのかしらね?」


 「それ以前に、お姉様方はヴィルフィス帝国から………特に指名手配は受けてませんね? 白魔銀と紫魔鉄の件で、お姉様方を指名手配ぐらいはすると思っていました」


 「それはないよ。廃坑になっているところの近くは掘っていいって決まりだし、あれだけの空間がある事を発見出来なかった連中が悪い。現場の責任者は怒られただろうけど、私達は法に違反した訳じゃないからね」


 『そうだな。俺達を後出しで違法にする事は出来ない。それをすれば他の傭兵達も全員違法になるからな。それにあの場所の近くには白魔銀や紫魔鉄はまだ眠っているかもしれん。なら無駄に騒ぎ立てる必要も無い。普通はそう考える』


 「ただ、これからは持ち出し禁止にして、代わりにヴィルフィス帝国が買い取るんじゃないかしら? 持って行かれないように、それなりの値はつけるでしょうね」



 そんな話の夕食も終わり、宿に行くも大部屋や六人部屋は空いていなかった。しかたなく男と女が行く宿に行き、大部屋を24000セムでとった。中に入ると様々な器具があり、三人娘のテンションが上がる。


 何故それらを見てテンションが上がったのか知らないが、面倒になったミク達は媚薬を飲ませ、様々な器具で三人を虐めるのだった。しかし、責め始めてすぐに嬌声を上げるのは如何いかがなものであろうか……。


 今日は交わってもいないのに大満足した三人を寝かせ、ミク達はさっさとベッドに寝ると分体を停止した。本体空間でライトなどを取り付けたミクは、魔導二輪の点検をしてからアイテムバッグに戻す。


 後は明日になってからであろう。それまでは色々な物で遊ぶのだった。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 明けて翌日。さっさと宿を出たミク達は食堂に行き、朝食を食べてから魔導二輪などを売る店へと向かう。中に入ったミク達は三人娘が気に入る物を好きに選ばせる事にした。


 ルーナが選んだのは外見が初代モンキーに似た物、ヘルが選んだのはラビットに似た物、そして何故かセイランが選んだのはベスパに似た物だった。それぞれの感性で選んだのだから何も言うまい。


 それぞれの魔導二輪を購入し、アイテムバッグに入れたら中央街の外へと出発する。ミク、ヴァル、レイラがスーパーカブを出し、その後ろに三人が乗って出発する。何故買ったのに乗らないのかと言うと改造が先だからだ。


 出発して道に出たら、途中でアイテムバッグをミクが肉に仕舞っていく。本体がそれぞれの魔導二輪を取り出すと、中の魔導プレートを白魔銀のプレートと交換していく。ライトのプレートも作っていたので交換し、完成したら肉を通して転送する。


 誰も見ていない場所で止まり、三人にアイテムバッグを返したら魔導二輪を出させる。後はそれぞれが乗って運転していくだけだ。中のプレートが変わっているからか、相当程度の強化がなされている。


 ほんの少しの魔力を流すだけでスムーズに前へと進んで行くのは、流石は肉塊ミク製としか言い様がなかったりする。三人は全く気付いておらずハシャいでいるが……。


 ミクは嘆息しつつも三人に事故に気をつけるように【念話】で言い、西への道を進んで行く。高さは5メートル程で横幅は10メートル程の道を、大凡おおよそ40キロ程度進んで行くと、W01の検問があったのででそこで止まる。


 町中の道を真っ直ぐ進んで行くと外に出られ、真っ直ぐ行くとW02らしい。今日は何処まで行けるだろうか?。


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