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0366・砂賊を襲うミク達




 砂上船を買った店に戻り、泊めてある場所へと案内してもらう。極めて普通のヨット型の船だ。基本的には趣味に使われる船で、今時これを本気で移動手段に使う奴はいないとの事。代わりに盗まれる事は殆ど無いらしい、売れないからだそうだ。


 ミク達は乗り込み、帆に【強風】の魔法を当てて出発する。そのまま魔法を当て続けながら、ヴァルに舵を任せて移動していく。まずはNW03オアシスの周りを周回しつつ、徐々に移動範囲を広げていく。ヨット型に乗っているからだろう、周りがバカにしてくるが気にしない。


 ルーナ達も魔法銃を持っているので、敵が出てきたら撃っていい事にした。あまり命中力は高くないものの、これは魔法銃の練習を殆どしていないからだ。三人にとって大事なのは近接戦闘なのだから仕方ないし、戦っていればその内に慣れるだろう。


 三人とも魔法は使えるが、外では使える事をなるべく秘匿する形に落ち着いた。最初は人前で派手に使おうとか考えていたが、目立つ事でトルカント侯爵家の令嬢だとバレたらどうする? と言って説き伏せた。いちいち面倒な茨木吾郎である。


 砂上ヨットで移動していると、カモだと思われたのか砂賊っぽいのが襲ってきた。ヴァルが舵をとり、ミクが【強風】を使って動かしているが、船の防御も二人がやっている。残りのレイラ、ルーナ、ヘル、セイランが魔法銃での攻撃担当だ。


 こういう事はキッチリと分けておいた方が上手くいく。ヴァルが上手く舵をきり、前方を塞ごうとしている敵をかわす。ミクは【強風】の威力を上げたり下げたりする事で、上手く速度を調整している。まあ、肉塊にとったら容易い事である。


 そしてレイラは的確に魔法銃で、相手の胸を撃ち抜いて殺害。ルーナ達もなるべく敵の船に当てないようにしつつ、砂賊を倒していく。三隻の船から襲われたミク達だが、あっさりと砂賊を倒して船を強奪。今は死体から剥ぎ取っている。


 ルーナ達にやらせているが、特に嫌そうな顔はしていない。ただし「ちっさ……」とか、「贅肉つきすぎ!」とか言っている。太った砂賊が居たのだろうが、最初の奴の事は優しくスルーしてあげよう。


 剥ぎ取って回収し、レイラ、ヘル、セイランがそれぞれの船を操縦してNW03オアシスへと帰還する。ボート型の船が高いのは、魔道具の魔力に魔石も使っているからである。中には繰り返し使えるゴーレムコアを使っている物もあるそうだ。


 魔石から魔力を抽出して魔道具に送り込む魔道具もついている為、更に値段が跳ね上がってしまうのだ。それでもゴーレムコアを使用する物よりは安いのだが。ちなみに、自然の風のヨット型の20倍もの値段がするのは、このゴーレムコアを使用した物である。


 NW03オアシスに戻ったミク達は、砂賊が使っていた船を売り払い118万セムを受け取る。ボート型の物はだいたい80万セム程で、その半値で買いとってくれたのだが、一隻だけ傷ついた物があり2万セム査定が下がった。それでも十分な儲けである。


 全員で均等に分け、四万セムは夕食に使う事になった。足りない八千セムはミクが出し、酒が飲みたいなら自分でお金を出すように言っておく。何故か三人とも飲む気は無いようだったが。


 夕食後、宿の部屋に戻ってゆっくりとする。いや、しようと思った矢先にルーナがお強請ねだりしてきた。朝の事を覚えていたらしく、しつこいので早々に前後を挟み狂乱の渦に落としていく。


 あっさりとダメになったルーナをベッドに寝かせたら、次はヘルの番である。既に真っ赤になりつつも、期待しているのが丸分かりの顔をしているので、こちらも狂乱の渦に落とし込む。簡単に失神してくれるので、ミクやレイラにとってはむしろ楽であった。


 早々に終わらせたミクは分体を停止。レイラは本体空間に戻り、ミクの肉に裸で包まれるという御褒美を貰っている。今は揺られて心地良さそうにしており、至福の一時を過ごしているようだ。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 明けて翌日。起動したミクの横にヴァルとレイラも出てきて三人娘を起こしていく。ルーナはミクに、ヘルはレイラに、セイランは当然ヴァルに、情愛の篭もったキスをしてから朝の挨拶をする。



 「昨夜は素晴らしかったですけど、早々に意識を手放してしまった所為で、あまり味わう事は出来ませんでした。それが残念です……。ヘルはどうでした?」


 「私も耐えられませんよ、ルーナ。味わうというより翻弄されるだけです。でもそれが堪らないのですから、あれはあれで良いのですよ。ルーナは気に入らなかったのですか?」


 「いえ、素晴らしかったです! でも、刺激が強すぎたのか、すぐに意識を手放してしまうのが難点ですね。今日はゆっくりしてもらいましょう! そうすれば御二人を長く味わえます!!」


 「はいはい、バカな事を口走ってないでさっさと行くよ。今日も砂賊を見つけて潰すお仕事だからね。当分はお金を貯める為にも続けるし、三人ともお金が無いと生活していけないんだからさ。しっかりしてよ?」


 『何故かいつもと違い、主が纏め役というかツッコミ役になっているな? あの二人がボケまくる所為か? 結構珍しい気がする。まあ、悪いとは言わんし、特に問題も無いんだが……』


 「別に良いじゃないの。ああいう主も悪くないわ。別に立派であってほしいとか思わないけど、新しい主が見られるのはいいわね。しっかり者の主………うん。素晴らしいわね!」


 『最近はレイラもおかしくなってきているな。神に創られた当初と違い、どんどんと甘えん坊になっているし主への愛が重くなっている気がするぞ? それでも反旗を翻す事は絶対にないからいいけどな』


 「そうなのですか? 愛が行き過ぎると、愛する相手と一体化しようとしだすとか聞いた事がありますが……」


 『セイラン……最初から俺もレイラも主と一体だ。そもそも俺は主の魂の一角に、レイラは主の肉を使って創られている。大元は主であり、そもそも一体なんだよ。個別に自我があるだけでな』


 「………何となく、分かるような分からないような……。とにかく、元々一体なので一体化しようとする必要も無い訳ですね。まあ、最初から一体なら当たり前ですかね?」


 『そういうものだと納得してくれ。それ以上の言い方が無い。それより部屋を出るみたいだから俺達も行くか』


 「そうですね、行きましょう」



 セイランは自然にヴァルの右腕をとって腕を組む。ワザと胸を押し付けるものの、ヴァルの反応は無い。まあ、これに関しては性欲が無いから当たり前の事である。だからこそセイランは胸を当てたりしているのだ。


 食堂に行き、朝食を食べたら昨日の停泊所へ行く。ブラックホークを始め、傭兵であれば誰でも泊めておける場所があり、昨日はそこに泊めたのだ。何の問題もなく泊まっており、ミク達はそれに乗って出発する。


 NW03オアシスを中心に周回し、徐々に範囲を広げていく方法を続けていく。これなら砂賊に遭いやすいと思ってやっているのだが、早速引っ掛かってくれたようである。再び頭や体を狙って魔法銃を撃ち、こちらが一方的に倒していく。


 二隻の船をゲットしたのでNW03オアシスに持って行き、昨日と同じように売る。今日のは古い型の物らしく、20万が二隻で40万となった。これは保留し、砂上ヨットに乗って再び町の外に出る。


 船を売れば儲かるので、この惑星の仕事は当たりかもしれない。そう思いながら砂賊を探す六人だった。傍から見れば、どちらが砂賊か分からない状態に気付いていないのだろうか?。


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