0356・一ヶ月の変化
戦闘訓練を頑張った後、御褒美としてミク達にたっぷり満足させて貰ったファイレーセ達。今は気持ちよく気絶している。女としてはダメな顔であるものの、三人は満足しているのでいいだろう。これは飴なのだし。
そのまま三人を部屋に戻し、ミク達もベッドに寝転んで分体を停止するのだった。
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翌日、そろそろ起きる時間なのでミクは起動し、ファイレーセ達を起こしていく。シュネとホリーは割とすぐに起きたが、それでも昨日の戦闘訓練が響いているのか動きが鈍い。
訓練終了後に<精力剤>と<天生快癒薬>を飲ませているので、体の方は何ともない筈である。昨日は初めてとはいえ、本格的な戦闘訓練だったので余計に疲れたのだろう。それは当然だろうが、ファイレーセが未だ起きない。
ミクが揺すって起こしてやるも、「んー」とか「むー」とか言って起きようとしないのだ。朝食の事もあるので仕方なく起こし方を変える事にしたミク。
「むぅ………んちゅ。……!? い、今何をしましたか、お姉様! キスしましたよね!?」
「さあ? それより、おはよう。あんまりダラダラとされていても困るから、次からは早めに起きるようにね」
「………」
「主がキスしてくれるなら、寝たフリをしようとか思わないようにね。あんまり起きないと引っ繰り返すわよ」
「は、はい!!」
レイラの不機嫌を受けて姿勢を正すファイレーセ。意外にレイラが嫉妬深い事を知った三人は、怒らせないようにとしている。戦闘訓練の時に色々あったのだが、そこは思い出さないようにしているのだ。特にシュネは。
不機嫌なレイラを見てサラっとキスをするミク。途端に上機嫌になって鼻歌を歌うレイラ。実に分かりやすい変化である。ヴァルは苦笑いをしているが、レイラは何故ここまで甘えん坊になったのだろう? 不思議なものである。
部屋を出て立派な食堂へと行き朝食を食べたら、ファイレーセ達は部屋へと戻り眠るらしい。ミク達は農業の事があるので23号宿舎に戻り、来た職員に連れられて畑に移動する。今日も魔道具で調べた結果、出来ていなかったので土作りだ。
昨日と同じ様に肥料を入れて掘り返し、水なども入れて混ぜていく。特に難しくも何ともない作業を終えて湖に行き、今日はヴァルから洗う。洗い終わったら交代して今度はレイラを洗い、終わったら湖岸に出て【超位清潔】で綺麗にする。
一応湖に行ってますよという言い訳と、水で洗った方が心地良いから湖で洗っているだけである。ちなみに魔物が出るあの湖も地下で何処かと繋がっている為、絶えず綺麗な水と置き換わっているらしい。
1号宿舎まで歩いて行こうと思ったら、中央監視施設で所長がヴァルを呼ぶのでついていく。途中で「ついてくるな!」と言われたが構わずついていき、部屋の中に入ると一気に襲いかかる。
所長は反乱だと思ったのだろうが、今のところミク達にその気は無い。ミクとレイラで裸に剥いた後、ヴァルと共に「ドM」が悦ぶイジメ方をたっぷりしてやった。その結果なのか、所長までミクとレイラを「お姉様」と呼び始める。
ベッドの上で白目を剥き涎を垂らしながら、これ以上ない感じで満足している所長を置いて、ミク達は所長室を出た。そのまま1号宿舎を進んでファイレーセ達の部屋に行き、そのまま本体空間に連れて行って戦闘訓練を行う。
夕方まで行ったら食堂に行き、食事を終えたら再びファイレーセの部屋へ。そこから本体空間に行き戦闘訓練を始める。ファイレーセ達が十分な実力をつけるまでは、これを繰り返す日々になるだろう。
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あれから一ヶ月ほど経った。戦闘訓練に魔法なども加えたからか、ここ最近は少し停滞気味だ。あれもこれもと行っても簡単には上達しないが、それでも魔法の練習は始めなければならない事情があった。それがファイレーセの持つ【音神術】だ。
流石に【神術】を教えないと、神からクレームがくる可能性が高い。神に絡まれるという面倒な事をしたくないミクは、魔法も含めて教えていく事にした。未だ新人よりもマシ程度でしかないものの、それでも【清潔】の恩恵は大きかったらしい。
客の相手をした後、綺麗にするまで汚れたままだったのが、その場で汚れを落とせるようになったのだ。これは今までと全く違う画期的な事であった。これだけでも教えて貰って良かったと喜んでいたファイレーセ達。
まだまだこれからだし、後に悲鳴を上げるほど大変なのだが……。知らぬが華というものであろう。それはともかく、この一ヶ月でミク達も4度ほど客をとらされている。特に問題なく終わらせたものの、それだけであり人気は無い。
理由は媚薬と精力剤でさっさと終わらせた後、脳を操って情報を聞き出し、最後に性欲を持たないように洗脳したからだ。<幸福薬>を使った洗脳を行い、性欲ではなく食事に幸福を感じるようにしてやった。なのでリピーターは無い。
この方法なら順調に売春惑星の客は減らせるだろう。ファイレーセ達も【性愛術】や【房中術】を使って客を簡単にあしらっているらしい。それは良い事だが、目立っている可能性に気付いているのだろうか?。
職員や所長の相手もしているが、媚薬と精力剤漬けにしているからか頻度がドンドンと減っている。一度ヤると当分しなくてもいいやという精神状態になるらしい。まあ、限界まで搾り取られるとそうなるだろう。
ついでに女性の参加者も増えたが、その女性達も性欲がドンドン減退しているようだ。強すぎる快楽を得ると全員がそうなるのだろうか? それとも濃縮している媚薬と精力剤の所為であろうか。その辺りはミクも分かっていないのであった。
今日も畑に出て虫などを追い払ったり、病気に罹ってないかを調べていく。既にゾッティア麦は植えており、現在は農薬などを使いつつの様子見である。通常の農業はこんな感じで、何千年も前から変わっていないそうだ。
魔道具があって楽は出来るのだが、人力でやらなければいけない部分も多く、しかしそれが一番良いのだそうだ。500年ほど前はコロニーと呼ばれる大型の建物を宇宙空間に作り、そこで農業をしていたそうだが、作物が弱っていってしまうらしい。
外敵や天敵がいない環境ではどんどんと弱っていってしまい、種として滅びの方向へと向かってしまうようなのだ。そのうえコロニーの維持費もとんでもなく、採算が合わなくて廃止となったそうである。
それらのコロニーは資源回収の為に、全てバラされて別の物にリサイクルされたらしい。過酷な環境の方が生物に合っているというのも盛大な皮肉だと言えるだろう。そんな事を思いながら一つ一つ確認していくミク達。
いつも通り昼前には終わり、湖に行くとファイレーセ達が居た。ミク達は挨拶してから湖に入るが、それを見たファイレーセ達もいそいそと入ってくる。
「昨夜もしたのに湖でもシてほしいの? 贅沢だねえ」
「もう! お姉様がこんなカラダにしたのですから、責任をとって下さい。【陰陽変化】で生やしたからこそ分かるんですよ? お姉様達のソコがとんでもないのが。あんなのを味合わされたら、二度と元には戻れません!!」
「御嬢様……最近は箍が緩んでおられますよ? 気持ちは分かりますが、もう少し言葉を選んで下さい」
「そうです。御嬢様は最近弛んでおられますよ。体は引き締まり、更にお美しくなられましたが、心は弛みきっております。今一度、しっかりとトルカント侯爵家の教えを思い出して下さいませ」
「んんっ! ……御免なさいね、シュネ、ホリー。お姉様方が大変素晴らしい方々なので、少々浮ついていたようです」
『無理にお澄まししなくても良いと思うがな? シュネもホリーも変わらん訳だし』
「そうよね。昨夜もヴァルに抱かれて、女の幸せに浸ってたじゃないの」
「「//////」」
……お前らもか。




