0354・スキルの練習
ミクはファイレーセとシュネを洗ってやり、ヴァルはホリーを洗ってやる。3人とも大悦びで為されるがままになっており、洗っても洗っても汚れてきてしまう。仕方がないので時間をかけて”たっぷり”洗ってやり、今は湖岸でグッタリと横になっている。
湖岸に寝かせた後で【超位清潔】を使ってやり綺麗にしたら、ミク達も上がって綺麗にしていく。少しの時間で綺麗になったので湖岸に座り、ゆっくりと水面を眺めながら過ごすミク達。ヴァルやレイラと静かな時間を過ごしつつもキスしていると起きたようである。
「はぁ……///、お姉様は本当に素敵です。とてもとても心が洗われました///。昨日は一日、それも一番嫌いな爺の客で……ガドムランの伯爵なのですが、最初に私の客だったのもあのクソ爺です。ですが……」
「御嬢様いわく、イヘルジャラ伯爵がトルカント侯爵家を嵌めた元凶ではないかと……そう思われたようなのです。今思えば最初に強引に事を為そうとした事も、御嬢様が処女でない事に怒り狂ったのもその為ではないかと……」
「ここに連れ込まれ、すぐに客をとらされそうになりまして……小さな長い棒をたまたま見つけ、それで処女を破ったのです。せめて処女だけは奪わせまいという抵抗でした。それを知ったイヘルジャラ伯爵は怒りのあまり御嬢様に暴行を行い……」
「その後にすぐ治療されたのですが、イヘルジャラ伯爵は罰金だけだったようで、また御嬢様を指名してきたのです。処女を始め、あまりにも御嬢様に執着し過ぎだと思えますし怪しすぎる。今だとそう思えてくる相手がイヘルジャラ伯爵という爺です」
「ふーん……とはいえ私達がそこに居れば脳を操って聞き出すんだけど、入り込めないから無理だね。その場に居れば脳に直接触手を突き刺して聞き出す、うん? どうかした?」
『おそらく主の脳を操る発言を聞いて停止したのではないか? いきなり脳を操ると言われても困るだろうからな。俺もそうだが、掌から極細の触手を出し、頭蓋骨を突き抜けさせて脳に直接突き刺す訳だ。それで相手は本当の事を喋るしか出来なくなる。何故なら脳を操られているからだ』
「その方法で洗脳も忘れさせる事も出来るわよ。実際に昨夜、ヴァルはここの所長から根こそぎ情報を取ってきているし、私達も職員から根こそぎ聞き出したわ。といっても、職員達は殆ど何も知らなかったけど。昨日は大勢の相手をしたからね。かなりの人数から聞けたんじゃないかしら?」
「もしかして大勢の職員とのアレですか? あの地獄をお姉様達に……! 何という事を!! 許せない!!!」
「「まったくです!!!」」
「いや? 特に地獄でも何でもなかったよ。私達は局部から媚薬と精力剤を出して狂わせてやったしね。その御蔭であっと言う間に出すから簡単に終わるんだよ。出し過ぎて気絶するくらいに良く効くから」
「「「………」」」
ファイレーセ達は唖然とした顔でミク達を見ていたが、正気に戻った後おずおずとミクに対して聞いてきた。
「あの……お姉様達もここに連れて来られた時は何もお持ちでは無かった筈ですよね? 媚薬や精力剤なんてどこに隠し持っていたのですか? 本体の所でも見なかったような……」
「そもそも私は媚薬や精力剤に治療薬や毒を生み出せるんだよ。それも私が作りだす媚薬と精力剤は、<薬の神>が作った物の複製だから紛い物じゃないの。絶対に効く薬だし、ファイレーセ達にも使ってるから実証済み。だから凄く気持ちよかったでしょ? 触手も使ったけど」
「「「//////」」」
「///ゴホンッ! そんなカラクリがあったんですね。その薬の効果で、お姉様方とするのはあんなに気持ちよかったのですか……あ、いえ。別に薬どうこうではありません! お姉様方と致すのは大好きですから!!」
「御嬢様、焦り過ぎて仰っている事が少々おかしいです。それでは唯の好き者になってしまいますよ?」
「//////」
「え? 私はお薬関係なくヴァル殿と致すのは大好きですよ? 男の方ではないですが、あの力強い胸板に太い腕で抱き締められて耳元で囁かれると、心の底から女でよかったと思いますから///」
「………今、副音声がおかしくなかった?」
「?」
「それはいいとして、話は変わるんだけど【陰陽変化】を含めて何かのスキルを使った? もし使ったなら詳しく教えてくれる? 修行をするにあたって、色々本人の感覚を聞いておきたいの」
「爺どもの相手が終わった後、部屋に戻ってから【陰陽変化】を使ってみましたが、確かに生えてきたのは事実です。誰かさんに散々イジられましたけど!!」
「御嬢様のアソコから生えているのですから色々と気になりますし、お体は大丈夫かと心配するのはメイドとして当然の事でございます」
「散々イジくり回したでしょう! 止めてって言っているのに、止めてくれなかったではありませんか!! ……御蔭で酷い目に遭いました」
「ふーん、つまり持たされた知識の通りだったと。………他には?」
「実は爺どもの相手が面倒になったので【性愛術】と【房中術】を使いましたが、簡単に果ててくれるので助かりましたね。ここに居る間は仕方がないにしても、私の心もカラダもヴァル殿のモノですから」
「「………」」
「あんまり使いすぎると気持ち良すぎてバレるよ? 言い方は悪いんだけど、ほどほどに手を抜いた方が良い。まだ今は問題を起こす時じゃないからね。私やレイラは、前の宙賊の所で腹上死させてきたけど」
「そうだったわね。クーロンのスポンサーである爺どもと、宙賊をやっているクーロンの男連中を腹上死させてやったわ。でもここでやるのは早いわね。しっかりと準備が整って、脱出計画が出来てからの話よ」
『戦闘関連のスキルは主の本体空間で鍛えるとして、性関係のスキルは仕事で鍛えるしかないな。あれらも肉体に関するスキルだから鍛えておいて損は無い。ホリーは【幸福術】も鍛えたらどうだ? 上手く使えば肉体を然程使わなくても済むだろう。ただ、人気が出すぎるかもしれんが……』
「そうですね。人気が出すぎて私だけ身請けの話が出ても困りますし……。何となくですが、御嬢様をここに閉じ込めておこうという意志が感じられます。おそらくはイヘルジャラ伯爵でしょうが」
「それでも私達を御嬢様と離すという事はしてくるかもしれません。その辺りは気をつけねばなりませんね」
十二分に話し合いが出来たミク達は歩いて戻り、そのままファイレーセの部屋まで移動していった。明日は休みなので、一日ミク達と閉じ篭もっていても誰も文句は言わない。そもそもミク達に農業以外の仕事は無いのだ。
人気が出れば呼ばれる事もあるのだろうが、今のところはその仕事すらない。まあ、ミク達は人気になる気も無ければ、生活など魔法でどうにでもなる。肉は魔物を殺して喰らえばいいし、それ以外の栄養は食堂に行けばタダだ。
そんな話をしつつ部屋でスキルの使い方を教える。【性愛術】も【房中術】も知識があるだけで、正しい感覚も経験も無い。だからこそミク達に返されてしまうのだ。
「「「ハァッ///ハァッ///」」」
グッタリして熱い吐息を吐いているが、スキルの訓練中である。第三者が見れば絶対に勘違いするであろう光景ではあるが、正しくスキルの訓練中である。使い熟せるまで、このような状況が続くだろうが仕方ない。
夕食まで訓練を行い、冷静になってから夕食へ行き、美味しい食事を食べたら部屋へと戻る。今度は本体空間で戦闘訓練だ。




