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0351・ファイレーセ達のステータス




 ここはミクの本体空間。久々に分体も戻した訳だが、目の前の本体を見てファイレーセ達が失神してしまっている。プレッシャーも出さないようにしているし、特に圧力になるものも出していないのだが、三人は耐えられなかったらしい。


 ミク達は三人を起こしたのだが、目覚めた後にも泣き叫び落ち着かせるまでが大変だった。そこまで恐いのかとも思うが、初めて星に降り立った頃に比べれば7倍くらいになっているので、この大きさなら恐いのかな? と思うミクだった。



 「こ、ここは、いったい……。なぜ私達がこんな目に……」


 「あー、とりあえず落ち着いてくれるかな。でないと話が始まらないんだ。まず自己紹介しておこう。私は<死の神>だ」


 「私は<愛の神>よ」


 「私は<美の神>ね」


 「わしは<闘いの神>じゃな」



 その後も神が挨拶するが、聞いているのかいないのか分からない感じだった。しかし神々は気にせず三人を調べていく。その結果、どうやら大凡おおよそは分かったようである。何が分かったのかは知らないが。



 「どうやら自らの一部を様々なところへ飛ばしたようじゃな。因子だからか宇宙を超えて飛んだのじゃろう、そこまで気にする程の事ではないの。どのみち千年程度しか生きんし、病や怪我で死ぬなら如何様でもよい」


 「ですね。しかし、それで終わりではつまら……可哀想ですので、少し分けておきなさい。それが詫びです。この者達の中の神の因子は放っておいて問題ありません。さ、今の間に肉を分けなさい。痛覚は遮断してあげます」



 神からそう言われ、仕方なく三人を吊り上げたミクは、肉の多くを貪ると同時に自分の肉を分け与える。神がやれと言った以上は仕方ないと諦めるしかない。ミクに拒否権は無いのだから。



 「これで良いでしょう。美としては物足りませんが、ミクのように好き勝手に弄る事もできませんしね。最後に必要な知識を<知の神>が刻み込むのでそれで終わりです。では、私はこれで」



 そう言って神々は消えていった。ファイレーセ達は刻まれた知識に翻弄されているのかボーッとしていたが、突然意識を取り戻したのか騒ぎ始めた。その所為で再び落ち着かせるのに苦労したミク。


 面倒になったので<人物鑑定の宝玉・一級>を取り出し、説明すると三人も正気に戻ったようだ。掌を置き、自分を鑑定する。まずはシュネから。



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 <シュネヘルト・ゲヘルナータ>


 種族・妖魔族・九天玄女

 性別・女

 年齢・27

 【スキル】・武の術理・武芸百般・性愛術・房中術・黒心術

 【加護】・理の神・性の神・武の神・黒の神



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 「おおーっ! 見た事が無いスキルが幾つかある。【武芸百般】はおそらく纏められてるだけで、剣術から回避術までを網羅してる筈。鍛えると優秀な武人となりそうだね。何気に<黒の神>という神を初めて知ったけど」


 「次はホリーね。神々はどんなスキルを与えたのかしら?」



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 <ホルティエン・エイバルドス>


 種族・妖魔族・碧霞元君

 性別・女

 年齢・26

 【スキル】・天地豊饒・子宝繁栄・武仙術・天仙術・性愛術・房中術・幸福術

 【加護】・愛の神・豊饒の神・幸福の神・仙の神



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 「??? ……だいたい何となくは分かるけど、【幸福術】ってなんだろう? 流石に字からだけじゃ分からないね。ホリーは何か知識として与えられてる?」


 「あ、はい。何でも他者の心に幸福を与える術だそうです。強制的に与えるようですが、強すぎると幸福に溺れてしまうようで……精神が壊れるみたいですね。幸福な精神のままなのですから、慈悲なのでしょう。多分」



 何となく言っている事は分かるのだが、それ以上聞くのもアレなのでファイレーセを見る事に。実は一番鑑定したがったのがファイレーセだ。まさか鑑定用の道具があるとは思わずテンションが上がったらしい。


 今は落ち着いているが、最初は完全に茨木吾郎だった。どっちが本当の姿か分からなくなるほどである。



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 <ファイレーセ・トルカント>


 種族・妖魔族・女媧

 性別・女

 年齢・18

 【スキル】・天龍眼・神龍覇気・天地繁栄・蛇転復活・大地の調べ・音神術・性愛術・房中術・陰陽変化

 【加護】・龍の神・蛇の神・音の神・大地の神・農の神・混沌の神



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 「これもまた……色々あるねえ。それにしても神の因子の効果か、スキルが色々おかしい。明らかにエイジ達とは一線を画する、おかしなスキルばっかりだよ。神の加護で発現したといっても結構ヤバいよね?」


 『主の言う通りだろうな。おそらくだが、相当の修練をしないと制御できんだろう。これからは夜中に特訓だな。この本体空間なら幾らでも練習できるし治せる。武器も作ってやらなければいけないだろう』


 「そうね。この子達には飴と鞭をしっかり与えてあげないと。人間種って長く修練させると心が病むから、飴はしっかり与えてやる気を持続させないといけないわ。どのみち昨夜の事を思い出したら頑張るでしょう」


 「それよりも正気を取り戻して納得したら、胸を触って喜ぶのはどうなのかな? 大きくなってるから嬉しいんだろうけど、私の肉を与えた奴はだいたい大きくなってるから珍しい事でもないんだけど」


 「そ、そうなのですか!? でも、コレを見てください! 私の胸は小さかったのに、今ではEに近いぐらいありますよ! 凄いです! 大っきい!!」


 「………私はコレぐらいという事でしょうか? 御嬢様ほど大きくなっていないのですが……? お前はこの程度で十分という事なんでしょうね、きっと……。ホリーは大きくなって良かったですね」


 「あの、私に言われても困るんだけど……。私だって自分で何かをした訳じゃないの。だから恨まれてもね……」



 シュネの恨む気持ちも分からなくはない。一人だけCの中間ぐらいであり、ファイレーセはEの手前であるD、ホリーに至ってはFを超えている。一気に大きくなっているが、差が大きいので余計に不満なのだろう。



 『だが代わりにシュネが一番背が高く足が長いぞ? おそらく武人系のスキルが影響しているのだろう。胸が大きすぎると近接戦闘の邪魔だからな。主やレイラは関係なく戦うが、普通の人間種には無理だ』


 「そうね。そもそも浮いているから分かるでしょうけど、アレが主の本体。ここに居る主は分体でしかないの。そしてヴァルは使い魔で、私は肉の使い魔。だから問題無いし動けるの。この体は擬態でしかないし」


 「擬態……ではヴァル殿は男ではないと? ああ、だから私はヴァル殿に嫌悪感を抱かなかったのですね。とはいえ……男ではない……」


 「そんなに男じゃないのが重要? 私の知り合いには子供なんてもう要らないっていうのが居るよ? 満足できるだけの快楽を与えてくれるなら、私の様な肉塊でも問題無いっていうのがね」


 「ホリーもそれで良いのではないかしら? 私も男との間に子供を作る気なんて無いし、ミクさん達なら素晴らしい快楽を与えてくれる筈よ? まあ、私達にも”そういう”スキルが生えたから”お返し”するべきだけれど」


 「そう……ですね。ヴァル殿との子供が欲しかったのですけど、それで愛が無くなる訳でもありません。これから末永く宜しくお願いいたします」


 『ああ、うん。とはいえ、俺にとっての一番は永遠に主なのだが……』


 「それはしょうがないわよ。私達は作られた存在。母が一番なのは当たり前よ」



 ヴァルとレイラが何を言い出すか分からないので黙っているものの、自由にしても良いんだよ? と心の中で思うミクであった。


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