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0342・第四坑道




 ここでは傭兵を狩る仕事ではないのでドッグタグを提出しても報奨は無い。とはいえ、不良傭兵をブチ殺してもお咎めは無い。幾ら秩序が半分崩壊しているからといって、殺人が許される訳では無い。だが、そんな事を言っていたら身が守れないのだ。


 だからこそ傭兵同士の場合は罪に問わないと決まっている。そうしないと被害者だけが損をする形になりかねない、というか実際になったらしい。それでお咎め無しに変わったんだそうだ。反撃である以上は、殺してもしょうがないという形になる。


 ある意味で分かりやすいし、そうなっているにも関わらず犯罪をやるバカが後を立たないのだから、反撃なら無罪は正しいと言わざるを得ないだろう。そうしないと犯罪者から身を守れないのだから。



 『それにしても滅茶苦茶だとは思うがな。そしてこれでも半分なのかとも思う。完全に崩壊しているとなれば、どれほど酷いのかは想像もつかないな。何となくでは分かるが、多分実際にはもっと酷いのだろう』


 「色んな意味でヤマトぐらいが一番マシなのかしら? 惑星間の移動も成し遂げているって凄いとは思うけど……その反面、秩序が半分も崩壊してるっていうのはね……何とも言えなくなるわ」


 「まあ、私達にとっては楽に生きられるから、これで良いとは思うよ。後、何だかんだと言って人間種もたくましく生きているみたいだし。どんな状況でも環境でも生きていくんだろうね」



 食堂に行き、普通の食事を頼んでの雑談。聞いている者も居ないだろうと好き勝手を言っているミク達。傍から見れば美女2人とイケメンが話している光景だが、中身とのギャップが激しすぎる気はする。


 食事後、ミク達は宿に戻りさっさと眠るのだった。明日は第三坑道だが、どれほど魔鉄が採れるだろうか? あまり期待せずに停止する三人であった。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 次の日。朝食を終えたミク達は第三坑道へと進む。ここの規模は第二坑道と変わらないと聞いているので、一つ一つ支道を確かめながら進んで戻るを繰り返す。【土中探知】を使って調べるが、やはり大して見つからない。


 普通の宝石も見つけたが、ミクにとってはいちいち掘る価値も無いので掘らなかった。それなりの値で売れそうな大きめの物は確保したが、これを外に出す気は無い。オーラダイアモンドとマナサファイア、それにマナアレキサンドライトが手に入った。


 全て直径15センチ以上という大きさであり、外に出したらかなりの値がつくであろう。しかしながらミクは十分なお金を持っているし、【土中探知】を始めとして魔法やスキルがバレると面倒臭いので、外に出す気は一切無い。


 そのまま魔鉄を探し続けてウロウロとしたものの、昨日よりも早めに最奥まで到達してしまう。第三坑道では大きい宝石は手に入ったものの、魔鉄は無かった。残念。


 昨日より早めに出てきたミク達は、さっさと宿に入って部屋を確保。その後、素材を売りに行く。全部で39240セムとなったが、やはり安値でしか売れない。これでよく傭兵は生活できているものだと思う。


 首を捻りながらも食事に行き、終わったら宿へと戻った。今日は宝石だけの日だったが、それでも悪くは無かった。明日は最後の第四坑道だ。足りなければ他の鉱山へと行こう。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 翌日。朝食を食べ終えた一行は、最後の第四坑道へと向かう。ここは第二坑道や第三坑道よりも深く、支道が多い為に一日では終わらない可能性がある。そんな深い第四坑道へと足を踏み入れていくミク達。


 さっそく魔物が現れたが、それは少々違っていた。モグラの魔物ではあるが、爪が真っ赤に染まっている。それだけではなく、その爪を振るうと何かが飛んできた。ミクが受けるが、肌から吸収しそれが毒だとすぐに気付く。


 そこまで強力な毒ではないので気にしなくてもいいし、ミクは意図的に肌から吸収しただけであり、この毒は肌に触れても問題は無い。ただ粘膜からは吸収されるので、目や鼻は気をつけなければいけないだろう。普通の人間種には厄介な毒である。


 麻痺毒の系統だが、ミク達には効かないのでさっさと始末した。それにしても最初から違った魔物が出てくるとは……何故他の坑道で出てこなかったのだろうか? そう思い【土中探知】を使うと、先ほどのモグラの反応が遠ざかった。


 確かに遠ざかる反応があるのは知っていたが、高値で売れる連中は逃げていたのかもしれない。それならば、安値で売れる奴しか出てこなかった理由も分かる。もしかしたらだが、ミク達がザコを倒しすぎて餌不足になって出てきた可能性も無い訳ではない。


 何だか嫌な予感がするが、それでも【土中探知】を使わないと魔鉄を発見できないので使うミク。しかし、三人ともが嫌な予感を拭えないでいた。


 順調に移動しながら調べていくミク達。多少の魔鉄は発見出来たので、既に三人のナイフも魔鉄製に変えてある。おかげで素材を剥ぐのも楽になった。魔力を流せば簡単に切れるのだから、今までのように力で解体する必要もない。


 そろそろ半分を越えるだろうという辺りで適当な食事を行う。昨日と同じくパンに干し肉やチーズを挟んだだけだが、面倒臭くなくて楽である。料理は出来るものの、ワザワザする必要も無いので簡単に済ませた。


 移動しながらの食事も終わり、更にウロウロしていると宝石を発見。掘り出してゲットしつつ先へと進む。そろそろ外は夕方だろうか? 今日はこのまま夜も探索する事に決めたので進むが、普通の傭兵なら帰っている時間だ。


 そんな事を考えつつも、多少の塊になっている魔鉄を掘り出す。奥に来ると手前の方に比べて魔鉄が見つかりやすくなった。それも、塊としてである。それを掘り出しているので移動速度は遅くなっているが、そのぶん魔鉄は多く手に入っているので仕方がない。


 そろそろヴァルとレイラの武器を作ろうと本体が思った矢先、最奥に辿り着いた。どうやらここで終わりらしい。そう思い、最後の【土中探知】を使うと、奥の下に大きな空洞を発見した。しかも続いているようである。


 何故こんな所に大きな空洞が? と疑問に思ったが、ミクは敢えて空洞に続く道を掘っていく。呼吸が出来なくても問題無い肉塊だからこそ大丈夫だが、普通は酸欠で倒れるであろう滅茶苦茶な事をしている。


 空洞と繋がった途端、通路の空気が一斉に引き込まれたがミク達は問題無い。普通なら空気が薄くなり気絶しているところである。そんな事には気付かず、三人は新たに空いた空洞への道を歩いていく。


 ある程度進むと大きな縦穴になっており、下へと進む事が出来るのだが……その為の道がどこにも無い。仕方なく壁を喰い荒らしながら進み、螺旋階段のように縦穴を回りつつ下へと降りていく。


 ようやく辿り着いた底に降り立つと、何やら濡れている。少し吸収してみたものの、唯の水であり問題のある液体ではなかった。底には三方向に向かって穴があり、その方向に何かが居るのは間違いない。


 三人で一つずつの穴を調べてもいいのだが、ヴァルとレイラが離れる事に難色を示した為、一つ一つの穴を調べていく事になった。穴は北と南、それに東北東に空いている。


 まずは北へと進んで行くミクは、何が有るのか少しワクワクしながら進むのだった。ヴァルとレイラは呆れているが、ミクがそんな些細な事を気にする筈も無い。


 大きな穴なので全力で長巻を振り回しても問題無い為、ヴァルは万が一があれば素早く前に出る事に集中していく。レイラは左手に白い魔法銃を既に持っており、何かあればいつでも撃てる態勢だ。


 ミクだけが警戒せずに歩いて行く。そもそも肉塊を滅する事など、神以外に不可能だと知っているが故に。


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