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0294・レイラの在り方




 今後はエイジ、ミキ、シロウ、サエの四人でダンジョンに潜る事になるらしい。エイジ達七人はヤマト政府に雇われている為、ミク達と同じくビデオカメラで撮影して提出する義務があるそうだ。ま、エイジ達は放っておいて大丈夫だろう。そう思うミク達だった。


 エイジ達はエイジ達で歩きだしたようだし、何か教えてほしい事でもあれば来ると思われる。今生の別れでも無ければ、青年達の門出でしかない。その門出で妊娠の話をしているのは、流石エイジ達としか思わないが。それはともかく、時間も時間なのでエイジ達は帰って行った。


 夕食後、いつも通りローネ達を満足させて寝かせると、本体の所にレイラが帰ってきていた。何かあったのだろうか?。



 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 「相変わらず下半身で物事を考えている連中が多くてイヤになるわ。何処へ行っても変わらず。この調子だと国が変わっても、その辺りは変わりそうにないわ。とりあえずヤマトは一区切りついたけど、これからの事を考えると憂鬱よ」



 まあ、あんな本能丸出し原始人相手に誘惑してると、駆け引きも何も無いだろうからねー。とはいえ、駆け引きできる連中は大体喰えない連中だから諦めるしかないよ。それにしても、レイラは裸で包まれるのが好きだね。



 「だって主を全身で感じられるもの。快楽とかを感じない私やヴァルにとって、主に包まれるのは、産みの親に包まれているようなものよ? 安心感とか安らぎが違うの。……あー、癒されるー………主、大好き///」


 「そう? 私も大好きだよ、レイラ」


 「//////」



 レイラは裸で私の肉に包まれているけど、本当にこれが好きだ。最初は小悪魔みたいな感じだったけど、今では単なる甘えん坊になっている。もちろん外では妖艶で小悪魔的なんだけど、私やヴァルの前でだけは本当に唯の甘えん坊だ。


 包んでいる肉を少し左右にゆっくり揺らしてやると、心地良いのだろう。レイラはうっとりしつつ、揺れに身を任せている。人間が子供をあやすようにやってみたんだけど、レイラは気に入ったみたいだね。



 「私ね、主を愛していると思う。主は愛が理解できないんだと思うけど、私には分かるの。多分そういう風に神に作られたんだと思う。……主が分からなくてもいいの、私は主を愛してる。これからもずっと貴女の使い魔として一緒///」



 うん、それはそうだよ。私は肉塊だし、レイラは使い魔だからね。……何かミキみたいな感じがするんだけど、気のせいかな? まあ、何でもいいや。離れる事は永遠に無いんだし。



 「//////」



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 翌日。レイラはヤマトが終わったとして、本格的に何処かの国の<人口調整>に向かった。そこへ行けと神に言われたのだが、<愛の神>がニヤニヤしながら伝えに来たのだ。その<愛の神>に対して真っ赤になってレイラが怒っていたけど。


 今日からはヤマト国中から若い者達がやってくる。実はそれぞれの都道府県では、希望者に対してのみダンジョン入場を認めている。もちろん金銭は不要だ。ただし交通費や宿泊費は自腹となるが。


 何がしたいのかと言えば、ユミのように種族が変わる者が居るかどうか調べる為だ。少なくとも世界中で種族が変わった者は、全員が初めてダンジョンに入った時に変化している。つまりダンジョンに入れてみれば分かるという事だ。


 長生き種族なども居る為、各国は子供といえど種族変化するのかを調べている。中には種族変化して差別が無くなった者も居ると聞く。黒人の女の子が種族変化して黒耳族ダークエルフになったのだが、それ以降肌の色での差別は無くなったらしい。


 現金なものではあるが、人間というのはそんなものであろう。それはともかく、種族変化した若い子供の内、春休みを利用して東京の陸軍本部に行きたい者は、政府がお金を出す事に決まったらしい。


 子供の内から鍛えるのが正しいやり方であり、年をとってからだと効率も悪くなる。魔力や闘気もそこは変わらない。それでも肉体よりは鍛えやすいのだが、それでも限度というものがある。それと、アスリート育成も考えての事のようだ


 実際、ダンジョンに入った子供の中には、将来プロスポーツ選手を目指している子も多く居る。種族が変わると魔力の量や闘気の量が変わり、当然ながら肉体の能力も変わる。人間でない種族の方が弱い場合も強い場合もあるのだ。


 一種の賭けといえなくもないが、それでも種族変化した事は喜ばしい事である。中にはユミと同じ龍人族も居たそうだ。他にも鬼人族とか猫人族、犬人族とか熊人族。狼人族とか妖魔族、そして龍人族に霊人族。それにかんなぎ族。



 「なかなかどうして、このリストを見ているとヤマトも豊富な種族が居るな。特に珍しいのは妖魔族とかんなぎ族か。妖魔族は一口に言っても、様々な種族だらけでコレとは言えんし、かんなぎ族は神の権能の一部を借りて行使できる種族だ」


 「代わりに神罰も落とされる難しい種族。それでもなった以上は勤めを果たさなきゃならない。まあ、ヤマトでは神社というものがあるし、そこで神の祀り方を習えるだけマシ。場合によっては古い文献から掘り起こす必要があり、それよりは遥かに楽」


 「まあな。それはともかく、この子供達を教えればいいのだな? ヤマト皇国にとっては大事な子供達かもしれんが、私達は相手が誰であれ変わらんぞ? 教える事は徹底的に教えるし、容赦など一切せん。それでいいな?」


 「構いません。それで駄目なら教えても意味などありますまい。簡単に実力が手に入ると思われても困りますし、中には種族が変わって有頂天になっている子供も居るようですので」


 「種族が変わった事でなあ。そんなものは大した事ではなく、大事なのは力を使い熟す事だろうに。それが出来なければ盗賊などと何も変わらんぞ」


 「いつも通り、ミクが少し本質を出せば済む。アレに耐えられる者は誰も居ない。何しろアーククラスでも耐えられないのだから、人間種に耐えられるものじゃない。前に受けた芸能人とやらは面白かった」


 「ああ、生放送中に漏らしたとかいう奴か。ミクの本質を受けて逃げ帰った奴が、たまたま生放送中にミクの動画を見てしまい、その瞬間上からも下からも全て漏らしたと。まあ、あんなものは当然の事でしかないし、絶対の恐怖とはそういうものだ」


 「あれは体調不良という事になっていますが、こっちは気が気ではありませんでしたよ。まあ、その後はあの女優の普段の素行がバラされ過去の人になりましたがな。それにしても、トラウマの威力が高すぎる気が……」


 「そんな事を言っても仕方あるまい。そもそもミクの所為ではないし、愚か者が愚かな事をした所為であろう。この国では芸能村というらしいが、そんな村のルールをいちいち持ち込むなという話だ」


 「まあ、そうなのですがな……。誰かの御蔭でテレビ局も綺麗になりましたから、一国民としてはありがたいのですが、こういう場合にどうしていいか分からなくなりますよ」



 そう言って中島大将は食堂から出て行った。もしかしたらファンか何かだったのだろうか? ちょっと背中が煤けている気がする。そんな中島大将を見送ったミク達は、朝食を終わらせコンビニへ行く。


 幾ら食べても太らないミク達は割と好き放題食べているが、それを見て羨ましそうにしている女性軍人が多い。それでもミク達がこの星に来る前よりは痩せていて引き締まっている。訓練が多い為だが、結果として喜ばれてもいるという状態だ。


 強制的とはいえ痩せられるなら、というところだろうか? 現金なものである。


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