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0287・鎌倉ダンジョン




 ミク達はそろそろ次なる方法を模索するべきかと思うのと同時に、ヤマトのダンジョンも攻略するべきなんじゃないだろうかと思い始めていた。特に土蜘蛛に関わりのある物だ。剣と鏡があるのだから、勾玉もある筈だと思っている。


 どうもヤマトの国の神話には剣と鏡と勾玉というのが出てくるらしい。それに敢えてぶつけるように作られているとしたら、何処かに勾玉がある筈なのだ。それが大江戸ダンジョンなのか、それとも違うのかは分からない。


 そんな事をローネ達と話していると、彼女達もそろそろ動き出す事に決めた。動画を流すにしても、これ以上は時間の掛かる事ばかりで、教えるとしてもそのレベルまで到達してからである。


 この星の人類はまだ、そのレベルまで到達していない。なので教える意味が無いのだ。地道にコツコツと練習してきたものは、そろそろ芽が出始めている頃であり、周りと如実に差が出ているだろう。


 そうなれば地道な練習にも意味があるとして見直される筈である。それまでは暇なので、ダンジョン攻略に乗り出す事に相談のうえ決まる。


 戦い方やスキルの使い方講座も流しているし、どうしても知りたいならば、陸軍本部で<人物鑑定の宝玉・一級>を使うサービスも始めた。


 事前に予約をしてもらわなきゃいけないし、突発的に来ても取り合わないとは言ってある。更にダンジョン攻略などで空ける場合は予約できない仕組みだ。予約先は一週間後までで、それ以上先の予約は不可となっている。ミク達にも予定があるのだから仕方ない。


 これも文句を言っている奴は居るが、「だったら来なくていい」と言ってある。そもそも商売でやってるんじゃなくて善意でやっているだけだ。善意を踏みにじるならやってやる必要などない。そこもハッキリと動画で説明している。


 まあ、その後は鑑定してもらいたい連中が文句を言っている奴等を叩き潰していたが、そもそもしてもらう側なのに何故偉そうなのか理解できないミク達だった。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 3日後。ここは神奈川県鎌倉市のダンジョン、攻略者の御蔭で19層までは分かっているダンジョンである。20層のボスが分かっていないのは、そこへ挑んで生還した者がいないからだ。既に70人以上が帰ってきていない。


 人数としてはそれなりに多いが、調子に乗った連中が帰ってこないなど元々よくある事である。慎重に慎重を期さないと生き残れないのが冒険者だ。それを忘れた奴は死ぬ。それが戦う者である戦士の生き方でもある。


 何度も動画内で言っているが、理解しない者は理解しない。まあ、それはともかくとして、攻略に意識を切り替えて進む。ここには古都があったそうだが、土蜘蛛の人達よりも随分後らしいので、あまり期待はしていない。


 1層~9層は海岸線であり、中に入って釣りをしている人も多い。投げ釣りをしているのだが、外の魚と違い魔物の引きは恐ろしく強い。逆にそれが人気となっており、有名な釣り動画が幾つもアップされている。


 ミク達にはどうでもいい事なのでスルーしつつ、さっさと10層ボスへ。ブルークラブ三匹だが、こいつは水魔法を使ってくる相手だ。とはいえ、10層で出てくるボスなので然して強くもない。さっさと倒して11層へ。


 11~19層は砂浜であり、少々足をとられるものの大した地形ではない。ここでも釣りをしている者が多いが、そんなに楽しいのだろうか? ミクには理解出来なかった。触手でとって食べれば済むので、釣りの楽しみを肉塊ミクに理解しろと言っても無理であろう。


 それはともかく20層のボス戦。現れたのはハイハンマークラブ七匹だった。見た瞬間、成る程と理解する。ハンマークラブは魔法などを使ってはこないものの、一撃の威力がかなり高い蟹の魔物だ。


 おそらくブルークラブと同じと思い油断したのだろう。甲殻も同じ青色だし。とはいえ、ハサミは大きく非常に硬いのが特徴である。そのうえハサミを振り下ろすパワーは、ハイクラスの中では相当に高い。


 かなり強力な物理攻撃なので、盾ごと潰されたとしても仕方がないと言える。これは回避して戦わなければいけないボスだ。おそらく味方の盾が殺されてパニックになったところを各個撃破されたのだろう。


 本来こちらがやるべき事を相手にやられた形で負けたのだろうと思う。そんな事をビデオカメラで記録しつつ、ミク達はあっさりと勝利した。一応これで対策をするだろう、そう思いながら21層へ。



 「今度は沼地か。何故かこの鎌倉ダンジョンは水が多いな。別に悪いとは言わんが、沼は面倒臭い。さっさと走って進むべきだ。時間を掛けるほどに疲れる」



 ローネの言葉に頷き、一気に走って攻略していく。手鏡があるからこそ一直線に進めるが、無ければ大変な事になっていただろう。流石に一行が本気で走ると速いので、ユミを背負って一気に走りきった。


 30層のボス部屋前で休憩し、食事をしながら雑談をする。



 「そういえば、一ヶ月ほど前のイベントでミクを撃った奴。あれはどうなったのだ? 軍が連れて行って公安とやらと一緒に云々と言っていたが」


 「あの男からはそれなりに繋がっている者が多かったようだね。私の下にきた報告書には裏の連中も多く書かれていたんだけど、そいつらは何故か踏み込む前に行方不明になっていたよ。何処かへ逃げたんだろうさ」



 そう言いつつもユミはチラリとミクを見る。ミクは少し頷く事で肯定を示すと、ユミは一瞬「やっぱり」という顔をした後すぐに表情を消した。どうやらレイラが喰ったんだろうと最初から疑っていたらしい。


 ちなみにだがミクが撃たれた日、レイラは即座に本体に戻り、ミクの安全を確かめている。そもそもミクがどうにかなる筈などないのだが、情緒不安定な感じだったので本体が長い間慰めていた。


 ローネを甘やかす時と同じようにしてやると随分と嬉しそうにしていたので、根は甘えたがりなのかもしれないと思っている。結構色々な顔があるのだろうが、レイラは一頻り甘えて満足したのだろう、その後は報復を開始した。


 それはもうデスホーネットの毒を使うわ、トップ以下、国の幹部を善人に洗脳するわと、やりたい放題の事をやった。ヤマトに対する攻撃が大きく減ったのはその為である。今もレイラは一日一回、デスホーネットの毒を流している。未だに止める気は無いらしい。


 そんな事を【念話】で教えてやると、何とも言えない表情になった。ちなみにユミ以外の三人は既に知っており、レイラに対して「もっとやれ」と言いつつ色々教えている。国を崩壊させると面倒なので、そこは止めて欲しいところだ。



 「後の事は軍と公安と警察に任せるしかないね。それ以外に出来る事はないし、私達が首を突っ込んでも碌な事にならないよ。それよりも、ミク達を妙に持ち上げ始めた奴等の方が問題さ」


 「ああ、同性愛が云々とかいう奴等か。私達は私達として愛し合っているだけで、いちいち私達を利用するなと言いたいところだ。お前達も勝手にすれば良いだろうとしか思わん」


 「そもそも他人に認めてもらおうという考えがおかしい。愛の形なんて様々であり、誰かが認めるものじゃない。自分達で作る物であり、自分達さえ理解できれば良いもの。誰かに認めてもらおうという時点で、それは愛じゃない」


 「愛情とは愛し合う者同士のものなのだ。それに他人を介在させる事自体が論外だ。それは愛でも何でもない。本物の愛情を持たないから、誰かに認めてほしいのだろう。愛情が本物であれば、そんなものは無意味だと自然に理解する」



 ローネは語りながらも熱っぽい視線をミクに向けてくるので、ミクは抱き寄せてキスをしてやった。舌を絡めると、嬉しそうに舌を絡め返してくる


 最近は恥ずかしそうにではあるが、面と向かって「愛している」と言うローネ。流石にネルとヴァルによってキスは止められたが、不満そうにしつつも名残惜しそうに離れるローネであった。


 ミクがカメラでバッチリ撮っていたのを見ていなかったのだろうか? 動画としてアップされた後、恥ずかしさに悶絶するローネが目に浮かぶのは気のせいではあるまい。


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