0281・<ファルコン>洗脳終了
夕方の訓練が終わった後、食堂に行こうとすると<ファルコン>の連中に呼び止められた。昨日のお詫びをしたいから、自分達の泊まっているホテルに来てほしいと。少々怪しい気もしたが、実は外出許可は出ている。
というより、流石に閉じ込めておく訳にはいかない。最近は外国連中の手先が、ミク達を陸軍本部に囲っているのは監禁に当たるのではないかと喚き始めたのだ。おそらくミク達を外に出したいのだろうが、陸軍はそれに対して呆れている。
何故なら陸軍本部は、むしろあのバケモノを封印していると言った方が正しいからだ。解き放つと誰も止められないのだが、それは絶対に言えない事でもあった。流石に星を滅ぼすかもしれない怪物とは誰も言えない。逆に陸軍が問われてしまう。
そういう意味でも絶対に表に出せない情報であった。もちろんバケモノを敵に回さない為……である。
それはともかく、呼ばれたので何があるのかと楽しみにしつつ、ミク達は<ファルコン>の泊まっているホテルへと一緒に移動する。尚、ユミは陸軍本部に泊まらせた。ローネとネルなら幾らでも復活させられるが、ユミは無理だからだ。
ホテルに着いた一行は、<ファルコン>が泊まっている部屋へと案内された。今回はケイトの部屋を使ってパーティーをするらしい。色々な料理を頼んでおり、続々と部屋に届く。そして慎ましやかではあるもののパーティーが始まった。
「それにしても戦う事がここまで難しいとは思わなかったわ。私達の連携が如何に甘かったか、命のやりとりが如何に怖ろしいかもね。人数を増やせば倒せると言っても、それだけじゃあねえ」
「確かにな。情けない話、見下して侮っていたが……一つ一つをしっかり聞くと、理に適っている事ばかりだ。科学的な根拠も無いんだろうと高を括ってたが、大間違いだったぜ」
「お前達の言葉を借りるなら、1000年以上を掛けて殺し合いにアジャストさせてきたのだ。要るものと要らないものを取捨選択し、無駄を削ぎ生き残れるようにな。その集大成が私達の教えているものだ。計算上じゃない、命を懸けて作られたものになる」
「そう。私達が教えているものは、血と肉と骨の結晶。数多の死体の上にある技術。頭ごなしに否定するという事は、数億人の命を否定する事と同じ」
「「「「「「「………」」」」」」」
「そりゃ、怒られる筈だし、あそこまでボコボコにされる筈だ。俺はやっちゃいけない事を、やっちまってたのか……」
「まあ、今はパーティーだし、明るく飲みましょうよ!!」
そう言って飲んでいたので、ミクもチビチビと飲む。実際には欠片もアルコールは効かないのだが、飲まないと不自然なので飲んでいるだけだ。そうしてローネやネルにヴァルを見ていると、エフィとサンドラに呼ばれたのでついていく。
どうやら行き先はサンドラの部屋らしい。そして部屋に入ると、後ろに居るエフィが部屋の鍵を掛ける。さて、何が始まるのかとワクワクするミクに、二人は訝しみながらも声を掛けてきた。
「どうやらあんたは女性が好みのようだからね、私とエフィが相手をする事になったんだよ。元々はディーが相手をするつもりだったんだけどさ」
「ごめんなさいね。私の本名はエルフィード・R・ラックフェル。ラックフェル財団の者なのよ。星川財閥の者が周りにウロチョロしてて困ったんだけどね、ここまで来てくれて本当に良かったわ。それにグズってたサンドラがヤる気になってくれたし」
「あたしは男が嫌いなだけ。生きる為に散々男に股を開いて金の為に媚びてきたんだ。もう男の相手はウンザリだよ!」
「はいはい、分かっているわ。ところで申し訳ないわね。この薬を打たれたら最後、私達無しでは生きていけなくなるわ。我がラックフェルの為に役に立って頂戴?」
ミクは大人しく注射器を受けたが、これは中の薬を特定して複製する為である。しかし人工的に精製されたものらしく、どうやら複製はできないらしい。とはいえ、こんなチャチな薬で肉塊をどうにかするなど不可能である。
突如ミクの口にサンドラの舌が入ってきたが、ミクは精製した媚薬をサンドラに返してやる。処女でさえ快楽を感じる媚薬を使われたのだ、結果など分かりきった事である。
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ミクはオシオキとして何度も何度も狂わせた。こっちを利用するというならば、利用される覚悟があると見做す。それは当然であり、彼女達も自分が泥沼に沈むとは思ってもみなかったであろう。
幾ら許しを乞うても泣き叫んでも、ミクは容赦なく快楽を叩き込み続けた。気絶しても更に強い快楽で無理矢理起こし、ひたすら念入りに彼女達に”女性同士の快楽”を刷り込む。そして精根尽き果てた後、善人へと洗脳しておいた。
これでもう下らない事はしないだろうし、エフィとサンドラで愛し合うだろう。そういう風に刷り込んでやったので間違いない。終了したのでケイトの部屋に戻ると、<ファルコン>の全員が気絶していた。
「こいつらは私達の相手をさせ、あわよくば取り込む為の連中だったみたいだな。正しくは有名な攻略チームにそういう事を依頼した奴が居る、この星だと<ハニートラップ>というのだったか?」
「その割には大した事がない連中だった。薬を使おうとしたけど、そんな物が効く筈がない。ガルシアだけは洗脳されていたからか、止めさせようとしてたけど……」
『まあ、ついでに俺が潰しておいた。そもそも尻を掘ること自体はオルドラスの時に慣れているし、ヴァルドラースの相手もした事があるからな。媚薬を使えばあっさりだったが、あれは男にも効くらしい』
「こっちも同じだったよ。何でもアメリケンの星川財閥みたいなのが裏に付いてたみたい。ラックフェル財団とか言ってたけど、そこから私達を篭絡しろと命令が出ていたみたいだね。ついでに<ファルコン>のスポンサーみたい」
気絶している面々から一つずつ聞き出していく。なかなかどうして面白い形なので、彼らの願望が成就する形で洗脳しておこう。
まずはケイトとフレッドだ。フレッドは普通だが、ケイトは少年趣味があるらしく、体が小さくて華奢なフレッドは完全に好みらしい。更にフレッドはケイトよりも8つ年下の18だ。色んな意味でケイトの好みそのものだった。
そしてディーとデイジー。実はこの二人、血が繋がっていなかった。ディーは養子であり、引き取って育てている時にデイジーが生まれたそうだ。なので成人後ディーは家を出ようとしたのだが、頑なに引き止めたのはデイジーだったらしい。
当然ながらそれは兄妹だからではない。ディーも薄々は理解しているが、恩人である育ての親を裏切れない。その為、今までは進展もなくズルズルと日々を過ごしていたそうだ。なに、これからは恋人同士としてヤリまくるといいよ!。
そんなノリで洗脳していくミク。呆れながらも、本人達の望みなんだからいいかとスルーする事に決めた三人。エフィとサンドラの事を聞かれたので、二人は愛し合うように洗脳し放置してある事を説明。そしてホテルを出た。
いつ戻っても良いという許可もあるので、さっさと陸軍本部に戻って起きている宿直の者にスマコンで伝える。門が開いたので中に入り、さっさと部屋に戻って寝るのだった。
それにしても、あの手この手と色々考えるものである。あの薬を複製出来なかったが、それなりに面白かったのでいいかと分体を停止した。本体に意識の殆どを移し、レイラが転送してくる肉を食べていく。
それにしても数が多いが、レイラが見つかってないか少々心配になるミクだった。




