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0280・久しぶりの洗脳




 今日の練習も終わり、食堂に行って夕食を食べる。夕食を食べた後は部屋に戻り、いつも通りにローネとネルとユミを満足させてレイラを送り出す。ミクはさっさと分体を停止し、ヴァルも大元へと戻った。



 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



 さて、今日もいつも通りに犯罪者を喰らうんだけれども、そろそろ本気で飛んでいくというか遠征を考えた方がいいかしら? 主の下を離れるのは寂しいけれど、犯罪者を探すに……うん? あれは、ガルシアとかいう男ね?


 繁華街に居るのは分からなくもないけれど、あっさり薬の売人から買ってるわねえ。それにしても、あれだけ食べたのにまだ売人が居たなんて。ま、それよりも今はガルシアが先ね。いったい何処に行くのかしら?。



 「チッ! あの有色人種カラードのクソ女が! 白人オレ様にひざまずいてりゃいいものを!! あー、ムカツクぜ!! 適当にそこら辺の雌猿でも犯すか。どうせヤマト人なんぞイエローモンキーだ、犯したって犯罪にゃならねえしな!」



 あらあら、犯罪者が調子に乗ってるわねえ。そんなだからローネにボコボコにされたんでしょうに、それすらも理解していないなんてね。まあ、いいわ。コイツは殺せないし、さっさと処理しましょうか。そうと決まれば先回りして……と



 「ハァイ! アナタなかなかいい男みたいね? 私を十分に満足させてくれるならタダでもいいんだけど、どうする?」


 「おぉ! こんな国に白人ホワイトのイイ女が居るなんて思っても見なかったぜ! なあに、オレに任せておきな! 島国の猿なんぞとは比べ物にならないほど満足させてやる。とりあえず、ついてきな」


 「あらあら、威勢が良いわね。期待を裏切らないで頂戴よ?」


 「ハッ、任せとけって! 最高の夜にしてやるぜ!」



 最高の夜ねえ……まあ、貴方にとっては最高の夜になるでしょうね? これから先、一生善人として生きていく事になるんだし。今までの犯罪者から生まれ変われるわよ。泣いて喜ぶべきね?。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 昨夜レイラはガルシアとかいう奴を洗脳したみたい。それにしても他国に来て当たり前のように違法薬物を買うのはどうなのかな? 国の恥晒しって感じがするけど、多民族国家って聞いたからね。そんな意識すら無いのかも。


 まあ、アメリケンとかいう国の連中がどうなろうが知ったことじゃないけどね。とにかく昨日の夜からレイラに自由行動をさせる事にした。日中だろうと上手く隠れて犯罪者を転送してきてくれるだろう。


 そんな事をローネ達に話すと愕然とされた。ローネもネルもユミも、私達三人から攻められるが良かったらしい。………どうしてこう、変わらないんだろう? そこまで拘泥こうでいする事かな? それとも快楽が分からないから仕方ないのかな?。


 ま、既にレイラは離れてるから、何を言っても手遅れです。諦めましょう。そう言ってミクは諦めさせた。ユミに関しては文句を言ったものの、ヤマトを綺麗にする為なら仕方ないと早々に頭を切り替えている。


 ヤマト皇国と関係ない二人は「ブーブー」文句を言っていたが、ミクが「じゃあ、二人ですれば?」と言うとピタリと文句を止めた。それは違うらしい。ミクにはよく分からないが、違うのだろう。


 部屋を出る前に、昨夜レイラがガルシアを洗脳した話をすると、ローネが呆れて溜息を吐いた。どうせそんな奴だろうと思っていたようだ。



 「あの男は私を見るなり、あからさまに見下していたからな。何かあるとは思っていたが、肌の色での見下しな……。実に下らん。高が肌の色で人間が人間以外になれるとでも思っているのか、間抜けめ」


 「そもそも肌の色なんて極めてどうでもいいもの。そこに意味なんて何もない。どうせ人間であり、その程度でしかない。間抜けが間抜け以外になる事などあり得ない。間抜けは間抜け」


 「エウロペの方では、昔から白人至上主義というのがあってね。肌の色が白い奴は<支配者>みたいな考え方があるんだよ。白い奴以外は全て劣等っていう間抜けの発想がさ。ヤマト人を黄色い猿。イエローモンキーと言ってたりね」


 「ヤマト人がイエローモンキーなら、白い奴はホワイトモンキーじゃん。同じ人間なんだから片方が猿なら、もう片方も猿だよね?」


 「そうなんだけど、何故か自分が優れていると考える奴は、自分は違うと思っているのさ。自分は人間だけど、あいつらは猿ってね。頭が悪いにも程があるんだけど、あいつらは肌の白さしかすがるものがないんだよ」


 「情けない。自分が情けない存在だから、同じ肌の色が白い立派な奴にすがっているのか。そして共通点は肌が白い事だけ、と。本当に無様で憐れな連中だ。負け犬の発想だな、それは」


 「まあ、それだけじゃなくて他にも色々あるんだけどね。概ね他人種を見下す為のものさ。肌が白い奴が立派だというなら、違法薬物を使ってないで早く立派な事をしてみせろとしか思わないよ」



 部屋を片付けて食堂に行き、朝食を食べる。海兵隊の兵士も来たので今日の訓練内容を言い、食事後は演習場へと行く。午前は戦闘訓練であり、陸軍の兵士も向かってくる。一応、昨日とは違って竹刀しか持っていない。


 途中で<ファルコン>の連中が来たが、ガルシアがいきなり平身低頭の謝罪を始めてチームメンバーがビックリしている。ミク達は謝罪を受けるからさっさと訓練を始めろといい、練習を始めさせる。


 昨日までとあまりにも違うガルシアに何とも言えなくなったみたいだが、気を取り直して練習をさせていく。ローネが叩いている箇所は体の動かし方が悪い場所であり、叩かれた所に気をつけて動くようにと説明が入る。


 陸軍の軍人は知っていたが、アメリケンの連中には昨日教えなかった。まあ、あんな見下しをしている連中に教える訳がない。今日は謝罪があったので教えているだけだ。


 それはともかく、やはり力で強引に動く者が多く、ローネに結構な頻度で叩かれている。関節を上手く使うようにと言われても、どうしても今までの癖で筋肉を使って動いてしまう。


 しかし筋肉で動くとその分疲れ、それが蓄積していくと大きな疲れになってしまう。それゆえに最小限の動きで疲労を蓄積させない事が重要なのだ。ちなみに高校生であるエイジ達にも叩き込んだ事である。


 完璧に出来ている訳ではないが、実際それなりの形にはなっている。重要な事は余計な力を使わない事。最速最短が一番力を使わなくて済む。そして力を篭めるのではなくコンパクトに。そうする事で速度を威力に変える。


 そうした事を教えつつ、体の動きで駄目な部分を容赦なく指摘していく。身につけるのは簡単じゃないが、かといって知らなければ弱いままだ。とどのつまり、無駄を削ぐ事が一番大事な事となる。


 逃げる事を考えても、戦う事を考えても、無駄な力を使わない事が一番正しい。適当にガンガン殴ればいいという戦いは、下っ端の弱い奴にしか通用しない。強者には殺されるだけだ。


 昼食を経て、今度は魔法の訓練に移る。完璧に制御する事を目指して訓練し、ひたすら簡単な魔法を繰り返す。同じ魔法でも制御力が違うだけで、精度も威力も消費も変わる。それを見せ付けつつ、徹底的に反復させる。


 魔力が減ったら休憩させ、回復したら訓練。途中で何人もが泣き言を言うが、ミク達は一切気にしない。訓練しない奴は上手くならないだけだから好きにしろ。徹頭徹尾これだけである。


 そしてその一言を突きつけられると、また頑張るのだ。心の中では魔法使いに憧れている連中である。この程度では諦めない。憧れというのは強いものなのだ。


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