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0262・ダンジョン高速攻略




 昨日の夜もレイラは多くの悪人を転送してきた。それにしても犯罪者が多いと思うも、この星で生きている人間が多い所為だろうか? ミクとしては肉が喰えている為、不満は一気に解消されたので良かったとは言える。


 現在はストレスも無くなって機嫌が良い。それもある所為か、朝からスマコンを弄っている。どうもこの小さな物で様々な情報が得られると分かったからか、ミクは夜の間にいろいろな情報を仕入れていた。


 それでも訳の分からない事が多いが、日々勉強中である。この日もローネやネルが起きてくるまで情報を収集し、起きたら挨拶して部屋を片付け、それが終わったら食堂に行く。夜の内にレイラは本体に戻っている。


 食堂で朝食を食べていると、東達が現れて今日の予定を言ってきた。



 「ここ東京だけではなく、47都道府県の様々なダンジョンに軍が潜っていますが、成果はかんばしくありません。ですので、今日は皆さんだけで何処まで行けるのかをお願いします。ようするに全力のダンジョン攻略です」


 「まあ、それくらいなら構わないけど、40層以上あったら一旦そこで止めるから。そこは分かっておいてほしい」


 「どういう事ですか? 40層というのに何かしらの理由があるのでしょうが、それはいったい……」


 「神が創ったりしたダンジョンやダンジョンマスターが創ったダンジョンは、基本40層までなんだよ。ところがこの星に創られたダンジョンは【世界】が創ったものなの。つまり、基本的な事が通用しない可能性がある」


 「「「「「???」」」」」



 そういえば新たに西口の彼氏と南野の彼氏が配置転換されて6人組になっている。西口の彼氏は上川といい、南野の彼氏は下田という。どちらもガッシリしたタイプの人物で、上川は今風の顔立ち、下田は渋いタイプだ。両者の好みがバッチリ出ている。


 それはともかく、神の中には様々なランクというか格というものがあるのだ。下から順番に、惑星規模の神、銀河規模の神、宇宙規模の神、世界調整の神といる。その上にあるのが【世界】だ。これが一番上の頂点であり、ミクを創りだした存在である。



 「「「「「「………」」」」」」


 「途方もない事だから考えるだけ無駄だぞ。お前達が信奉しているのは惑星規模の神でしかない。残念ながら一番下っ端でしかないのだ。ただ、だからこそ人間種に一番近い神とも言える。我等の神は滅茶苦茶だからな」


 「基本的に私達の神は非情。私達神子でさえ、死ねば新しく創ればいいとしか考えていない。私達は神の道具とも言えるし、その程度の存在でもある。むしろ人間種の方が自由に生きていると思う」


 「まあ、何と言いますか……あまりにアレなので聞き流します。ええ、神様とか言われても困りますし……。それはともかく、ダンジョンにお送りしますので攻略の方をお願いします」


 「了解」



 朝食後、軍用車両に乗ってダンジョンへ行くのだが、何故か東達も乗っている。聞くと、上川と下田を含めて訓練をするらしい。流石にミク達に頼ってばかりだと強くも上手くもなれないので、軍人だけで訓練をする事になったそうだ。


 到着すると、ダンジョンの規制線の外でデモをしている連中が居た。何でも「生き物を殺すなど蛮族のする事だ」と叫んでいるらしい。なら肉も野菜も穀物も食べずに生きればいいのに、何故それをしないのかと首を傾げるミクだった。



 「ああいうのは頭のおかしい連中で、それを裏から操っている頭が良いと思いこんでるバカが資金を出してるだけです。とどのつまり、あのバカどもは金に群がってあんな事をしているだけなんですよ」


 「成る程、金が手に入れば何でもいい連中か。一番浅ましく卑しい連中であり、アレこそが蛮族だろうに。野蛮な連中はどの星にも居るのだな」



 ちなみにこの姿すらミクはビデオカメラで映している。放映されるかどうかは知らないが、ユミならきっと上手く使うだろう。そう思い、キッチリと映すミク。それを敢えて放っておく軍人六人。色々腹に据えかねるものもあるのだろう。


 ダンジョンに入り軍人六人とは別れ、一気に走って進んで行くミク達。すぐに5層へと辿り着き、ボスを倒して更に先へ。10層のハイフォレストベアも倒して11層。尻を掘ってくるクレイジーモンキーも詳しく映しつつ、15層のボス部屋。


 多少の休憩と食事をしてから入ると、ハイクレイジーモンキーが五体だった。ヴァルに対して興奮するも、武器が武器なのでバッサリと切り殺されて終わる。ネルだけは雷撃棒を使っているが、一撃で殺せるところは変わらない。


 16層に転移したが、ミク達の予想通り森であった。しかし出てくる魔物はオークに変更されている。オークどもの肉は美味いのだが、如何いかんせん女に反応し過ぎる。上手く誘導できるなら問題ないのだが、出来ないと犯されるので気をつけてほしい。


 そんな注意事項を話しつつ、<発情の魔剣>で三度切るミク。ビデオカメラの前で派手に精をブチ撒けながら倒れるオーク。相変わらず怖ろしい威力であるが、態々映す必要があったのだろうか? ローネ達もジト目で見ている。


 そのまま進んで行きつつオーク肉を回収し、解体シーンも映している。こういうのもダンジョンに潜るには重要だし、美味い肉が喰いたきゃ綺麗に捌けと記録していく。実際、血抜きを始め冷却なども魔法でやっているので、非常に処理が早かったりする。


 そのまま進んで20層のボス部屋。ミク達はオーク系だと予想したが、その通りであった。中に居たのはハイオーク10体。それなりに身体能力が高いので、戦い慣れていない女性は高い確率で犯される危険なボスだ。


 その事は説明しているのだが、ローネやネルが一撃で倒していくので危機感が伝わらない映像になってしまった。まあ、実際に戦わないと分からない事は多い。なので詳細に映しても限度があるだろう。被害にあっているのを映すわけにもいかないし。


 全て倒し21層に連れて行かれると、そこは墓場だった。最悪だし、このダンジョンは危険度が高い。ミクはここで詳細を映しておく事にした。何故ならレイスの脅威を知らしめておく必要があるからだ。


 ローネ達も納得したのでレイスを探し、物理攻撃では一切倒せない事をビデオカメラで記録していく。レンズ越しだと映り難いが、それでも魔法を使ってくるので何かが居る事は分かる。それらを映しつつ、魔法が使えないと突破出来ない事も合わせて記録した。


 武器を使っても効いていない相手に魔法で攻撃。その一撃で叩き潰して勝利を得た。このように魔法しか効かないような厄介な敵も居る。このダンジョンと違い、もっと早くからレイスが登場するダンジョンもあるかもしれない。


 もしそこの攻略を無理にさせている者が居れば、直ちに止めるようにと繰り返し説明した。これに時間が掛かり、40層まで行く事は難しくなってしまう。それでも進めるだけ進もうと決まり、25層のボス部屋へ。


 中に入って現れたのはグレーターゾンビ三体だった。グレータークラスまで上がると、生前よりも身体能力が高く、少々傷つけても簡単に再生する。一番良く効くのは浄化魔法の【聖化ホーリー】系魔法となる。


 ローネが【高位聖化グレーターホーリー】を使い、あっさりと倒して終了。シロウなら弱体までしかいかないだろうが、ローネならば倒す事が可能だ。これが熟練者の魔法と言える。


 魔法が使える事は、魔法使いの始まりでしかない。そうミクは説明しておくのだった。


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