0261・エイジとミキの日常
ようやく大満足から復帰した三人にレイラの事を伝える。挨拶をさせ、殆どの人には知らせる事も無い斥候タイプだと伝えた。ローネはミク以上のバストを揉みしだきながら話を聞いていたが、いったい何がしたいのかは分からない。
ネルとユミがジト目で見ていたが、ローネは顔を埋めるなどして堪能している。そこは好きにすればいいが、話を聞いているか分からないので確認すると、胸を堪能しつつもしっかりと聞いていたらしい。
そろそろ起きてくる者も増えるのでレイラを大元に戻すと、ローネから落胆の声が漏れた。とりあえず知られたくない斥候タイプなのだから、普段は出さない事を言って部屋を片付ける。
食堂に行って朝食を食べつつ、今日の予定を確認していくミク達。今日は何も無いようなので、休日にすると提案すると即刻了承された。ユミは一度家に戻ってミキの様子を見てくるそうだ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
朝から適当な食事をして外に出る。まだ暑い日があったりするが、それでも夏本番の八月よりはマシだ。久しぶりに学校に行ったらクラスメイトに驚かれたが、注目もされなかったのに急に周りに人が集まるので、俺が一番驚いている。
実家にシェルとオーロを住まわせてるけど、両親からは何も言われていない。というより、どうも政府からお金が出ているらしいので、食費とかは困っていないそうだ。何だったらダンジョンに稼ぎに行こうと思ってたんだけど、入れないから今はありがたい。
姉さんからは正式に謝罪があったので水に流すフリはした。ただ、残念ながら一度落ちた優先順位は戻らない。人間の本質なんて早々変わらないのを俺も見てきたからね、残念ながら戻る事はあり得ないとも言える。
父さんはともかく、母さんはもう受け入れて子供を期待しているようだ。姉さんに子供が生まれたが、俺とシェルやオーロとの子供が見たいらしい。それと昨日、ウチにミキが来て挨拶してたけど、両親は放心していた。
まあ、ウチのような庶民が星川家に関わるなんてあり得ないし、気持ちはよく分かるんだけどね。せめて少しはちゃんとしてほしかったという気持ちもある。仕方ないし諦めたけど……。
「おはよー」
「よう、おはよう! 暗持!」
「ああ、おはよう」
未だに朝のコレには慣れない。今まで挨拶される事なんて殆ど無かったし、あってもオタク仲間ぐらいだった。俺はその中でも浅いオタクでしかないから話が合わない事も多かったし。まあ、無理にディープな世界に引きずり込む知り合いじゃないから助かってるけど。
シロウと朝の挨拶をする事は無い。シロウは陸上の部活で朝練をしているので、基本的に会う事がないからだ。純粋な身体能力だけで9秒98を叩き出したんだから凄いと思う。そういえばサエちゃんとベルさんは御堂家に居るらしいけど、寂しくないのかな?。
「であるからして、ここの数字に……むっ。授業は終わりか。ここはちゃんと覚えておくようにな、受験には大抵出るぞー!」
「「「「「はーい」」」」」
ふう、やっと終わった。朝適当に買ってきたパンを食べよう。三つ食べるぐらいで丁度いいみたいだけど、そろそろ本格的にダンジョンへ行きたいなー。お金稼いで自分で食べてたから、何とも言えない気分になってくる。
「エイジ、何シケた顔してんだよ。……どうせダンジョン行きたいってトコだろ? まあオレも似た様なもんだしな。それでも実家にシェルさんもオーロさんも居るんだからマシだぜ?」
「まあ、それはな。シロウは大丈夫か? 何と言うか、命のやりとりっていうか殺し合いをしてきた所為かさ、妙に昂る事がないか? 俺だけじゃなく、シェルもオーロもあるらしいんだよ。もしかしたらスキルかもしれないけど、俺にはそのテのスキルは無いし……」
「まあ、言いたい事は分かる。つっても、サエの帰り道にオレん家はあるから、毎日寄ってから帰ってるけどな。サエも妙に昂る事が多いらしい。ベルはああだろ? 聞いても変わらないから何ともなー」
「ベルさんって、あっけらかんとしてるもんなぁ。シロウの妹に手を出さなきゃいいけど……」
「残念、既に遅い。オレが家に帰るのが遅れた日、家に帰ったら妹が恋人二人に喰われてた。まあ、妹の方からケチつけたらしいから自業自得だけどな」
「??? ……何で妹さんがケチをつけるんだ?」
「オレを持ってる間、二人でキスしたりとか色々してたらしい。それで不潔だなんだと騒いで、ベルが「そんな事ないよー」って言って迫ったみたいだな。家に帰ったら妹がピクピク痙攣している姿を見せられた兄の気持ちよ。何と言っていいかに、あれほど困った事はないっての」
「うわぁ……」
流石に何と言っていいか困っただろうなあ。妹のそんな姿を見せられても困り果てるしかないと思う。俺は姉さんしか居ないし、その姉さんも家を出ていて良かった。まあシェルもオーロも女性に手を出すタイプじゃないけどさ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「それでさー、気付いたら攻め過ぎちゃってシロウの妹ちゃん痙攣してたんだ。その時にシロウが帰って来て、どうしていいか分からなかったよー。ベルは普通に「おかえりー」とか言ってるし、私だけが困ってどうしようか焦ってたんだー」
「そ、そうなんだ……」
ベルさんって男女両方いけるのは知ってるけど、容赦ないなんて初めて知った。それにしてもサエって何だかんだと言って、オープンに話してるの気が付いてるのかな? 私が男嫌いだったって事を差し引いても、オープンにし過ぎだと思うよ?。
「御堂さんって、映像に映ってた夏目君と恋人同士だったんだよね? そこにベルっていうあの女性が入ってきたのはどうなの? 本当に納得できてる?」
「最初は納得しなかったよ、でもベルって男女両方いける人だし、シロウだけじゃないんだー。私の事も「好き好きー」って言ってくるし、本心から愛してくるんだよー。結局、奇妙だけど今の形に落ち着いたかな?」
「「「「「「「「「「キャー!!」」」」」」」」」」
恋愛話もそうだけど、こういうの好きだよね。前は何が良いのか意味が分からなくて嫌ってたけど、許容は出来るようになったかな? 今思えば他人の幸せが気に入らなかっただけなのかもしれない。反省しよう。
「ミキちゃんはどう? 大丈夫? シェルさんとオーロさんはエイジ君の家に居るけど、ミキちゃんは無理じゃない? 私もこっちに帰ってきてから妙に昂る事があるし、ミキちゃんは大丈夫かなって」
「大丈夫じゃない。昨日エイジのお家に入って御両親に挨拶して、その後いっぱい愛してもらったけど、今日になったらもう寂しい。やっぱり毎日抱いてほしいよ。向こうに居た頃は毎日愛し合ってたのに、私だけ……」
「「「「「「「「「「キャー!! 毎日だってー!!」」」」」」」」」」
えー……そこって驚くところ? 愛しい人が居るんだから、当然毎日抱いて貰うよね? それにお返しもいっぱいするよね? ………あれ? 普通じゃないの? だってサエだってするでしょ?。
「それはそうだけど、そもそも普通の男性は連続でいっぱい出来ないよ? シロウだって向こうで【絶倫】のスキルを貰うまではいっぱい出来た訳じゃないし。ミキちゃんは最初から【超速回復】持ちのエイジ君だから、感覚がズレてるんじゃないかな?」
え? そう……なのかな? ………思い出してみれば最初から神様の媚薬と精力剤で、そのうえエイジは【超速回復】で幾らでも出来たんだっけ? ………冷静に考えると、私って常識が無いの!?。
でも、よくよく考えれば常識なんて無くていいのか。エイジ以外とする事なんて生涯無い訳だし。




