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0249・龍人族




 まずは鑑定からだという事で、ミクは<人物鑑定の宝珠・一級>を出して、ミキの祖母こと星川弓に使わせる。記者会見の時の映像を見ていたからか、説明されなくてもあっさりと使ってみせた。目の前に表示されているのだが、これはどういう事だろう?。



 ■■■■■■■■■■■■■■■



 <星川ほしかわ ゆみ


 種族・人間

 性別・女

 年齢・80

 【スキル】・無し

 【加護】・龍の神



 ■■■■■■■■■■■■■■■



 「「「「「「「「「「へっ!?」」」」」」」」」」


 「スキルが無いのに<龍の神>の加護があるって変だね? いったい加護は何に対して付いているんだろう。妙な感じがするけど、神どもの思考なんて考えても無駄だし、放っておくのが一番かな?」


 「そうだな。突っ込んでも誰も得をせん。そもそも神々が何かをされるとしても、それを止める手段は我々には無いからな。まあ、特に止める気も無いのだが。そんな事をすれば訳の分からん事に巻き込まれる。色々な意味で放っておくべきだ」


 「それよりも<竜の神>じゃなくて<龍の神>なのが気になるところ。トカゲ系のドラゴンじゃなくて、蛇系のドラゴンなのには何か理由があると見るべき。ただし、思っている以上にどうでもいい事の場合もあるけど」


 「それにしても御祖母様が神様の加護を得ているなんて驚きです。まあ、御祖母様も驚いているところを見るに予想外だったんでしょうけど。星川家に<龍の神>が関わっているなんて聞いた事ないですし……」


 「流石に私にも分からないねえ。こん、おっと。そろそろ帰らないとマズそうだ。さっき言ってた配信の用意も私がさせよう。なので大船に乗った気分で居てもらって構わない。準備が終わったら連絡したいんだけど、スマコン持ってないんだったね。それも用意するか」



 そう言ってミキの祖母は帰って行った。ミク達も食事は終わっていたので部屋に戻り、ローネとネルを満足させて寝かせたら分体を停止して後は監視。朝までゆっくりと遊ぶのだった。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 あれから七日。毎日のようにミキの祖母は来るものの、なかなか準備は整わず時間だけが過ぎている。とはいえ、魔法の使い方講座はすでに五回も収録しており、それがアップされる度にヤマト陸軍のホームページは何度もダウンしている。


 せっかくだからと、ミキの祖母も悪ノリして際どい服を持ってくるので、それを着て毎回収録しているのだ。その所為でアクセス過多になり、何度もダウンしている。更に女性向けとして、全編ヴァルしか映っていないバージョンも撮影した。


 男にも女にも餌をぶら下げておいて、パンクしない筈がないのだ。落ちるに決まっているし、なるべくしてダウンした。とても自業自得なのだが、何故か星川家の協力で強固に復活した陸軍サーバー。「もう好きにしてくれ」と大将が投げやりになった程である。


 そして本日七日目、一気に色々なものを片付けてミキの祖母ことユミが来た。何故かミキと同じ様に呼ぶように求められた為、今はこうなってしまっている。エイジ達も微妙に困ったが、臍を曲げられても困るので合わせた。星川家が怖いし。



 「さて、今日は陸軍の奴等を連れてかなきゃいけないけど、ダンジョンに入る日だよ。そもそもミキ達を連れて行った方がいいに決まってるのに、何でこの国の上は頭の固い奴ばかりなんだろうね。こういうのは早く攻略しなきゃいけないっていうのにさ!」


 「早く……ですか? 我々としては精一杯励んでいるつもりではありますが」


 「それが駄目なのさ。頑張ってるで済まされるほど甘くはない。ダンジョンでどれだけの資源が採れるか、どれだけの物が手に入るか。逸早く調べ上げる事で、今後産まれてくる子供達が裕福に暮らせるかどうかが決まるんだ。時間は有限だっていうのに、頭の固い馬鹿どもは分かってなさ過ぎるんだよ!」


 「「「「………」」」」



 今回ついてくる軍人はいつもの東西南北に決まった。というより、この四人に押し付けられたと言った方が正しい。全員未婚なので丁度良かったとも言えるようだ。危険に突っ込ませても………ね? という事である。


 ここ東京の大江戸市にダンジョンはあるのだが、そこまでは陸軍の装甲車で向かう事になる。要人が大量に乗っているので当然だが、何と言っても星川財閥のドンが乗っている以上、最大限の警戒をするのは当然なのだ。


 一行は大江戸ダンジョンに隣接している陸軍の建物に到着。そこからダンジョン内に入っていく。現地の者からも許可を貰い、ミクは地面の紋様を確認する。これは直接地面に設置してあるというより、もっと奥深くから投影しているのが正しい。


 つまりこの星の地下深くにダンジョンへの転移魔法陣の本体があり、ここまで浮き出てきているだけだと結論付けた。実際、陸軍の者が地面を掘って紋様を消そうとしたが、掘った地面にも紋様があったそうである。


 それ以上はミクにも分からなかったので調査を終え、ダンジョン内へと進入する。このダンジョンの第1層は、平原になっていてゴブリンとコボルトが出てくるらしい。最初からゴブリンとコボルトねえ……と首を捻るミク達。


 普通はもっと弱く、食べられるウサギ系などが多いのだが、最初から人型……。【世界】が作ったダンジョンだけに、今までの常識が通用しない可能性がある。エイジ達にもそれを言い、気を引き締めさせたらダンジョンへ。


 ヤマト皇国のダンジョン攻略。その第一歩がやっと始まった。とはいえ、この星のダンジョンを攻略する必要は無いのだが……。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 1層に転移させられた直後、ユミが頭を抱えて呻き始めた。軍人四人は慌てて近寄ろうとするもミクは制し、代わりにビデオカメラを向け続ける。ミクがビデオカメラを持つのが一番安全となり、それで使い方を教わったのだ。まあ、一度で全て覚えたので驚かれたが。


 大凡おおよそ五分ほど苦しんでいたが、痛みが無くなったので起き上がると、首の左右に鱗が生えていた。頚動脈を守っているのだろうか? それと瞳孔が縦になっており、体が非常に若返っている。特に顔の皺が一切無い。


 ミクが手鏡を渡して確認させると、あまりの驚きに気絶しかけていた。ミキが支えたから無事だったものの、気絶して頭を打っていたら大変な事になっていたかもしれない。それはともかく、ユミの鑑定をもう一度する事になったので<人物鑑定の宝玉・一級>を取り出したミク。


 ユミに使わせると、予想通りの結果がそこにはあった。



 ■■■■■■■■■■■■■■■



 <星川ほしかわ ゆみ


 種族・龍人族

 性別・女

 年齢・80

 【スキル】・龍眼・龍王覇気・弓術・長柄術・歩術・回避術

 【加護】・龍の神



 ■■■■■■■■■■■■■■■



 「「「「「「「「………」」」」」」」」


 「あー、成る程。別の宇宙には居るらしいよ、龍人族って。寿命は300年ほどあるみたい。良かったね、後100年じゃなく、後200年ぐらい生きられるよ?」


 「へっ!?」


 「寿命は300年か。それなりに長生きな種族だな。私は知らんが、別の宇宙に居るという事は、そこまで珍しい種族でもないのだろう。そもそも寿命が300年あろうが、寿命まで生きられる者は多くはないからな」


 「うん。私達のような寿命の無い半神族でも、病気や怪我が元で死ぬ事はある。寿命が長いからといって、その寿命をまっとう出来る訳じゃない。そこは覚えておくべき事」



 種族が変わったというのに暢気のんきなものである。そもそもダンジョン内だというのを忘れているのだろうか?。


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