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0224・手に入った物は?




 現在ミクは服を着ている最中であり、既に女性の姿に戻っている。何故かその姿を見て安堵するエイジ達。ドラゴンを踊り喰いする姿は怖くて仕方がないようだ。



 「すみません。俺達、結局まったく役に立ちませんでした。まさか、あんなのが出てくるなんて思いもしませんでしたし、またもやアーククラスで動けませんでした。いや、ドラゴンだったからかもしれませんが」


 「どちらでも同じだ。動けねば死ぬし、相手に集中していると不意打ちを喰らう。さっきのマヌケもそうだったがな、戦いに慣れていない者が調子に乗るとああなるのだ。近接戦闘をしろとは言わんが、動けねば押し込まれて死ぬ事もある」


 『それよりもダンジョンコアを見つけたぞ。ダンジョンマスターもドラゴンも倒したのに青い魔法陣が出んからな、おかしいと思ったのだ。40層にダンジョンコアがあった。皆で見に行ってみよう、滅多に見られる物ではないしな』



 そう言ってダンジョンコアに移動していく一行。実は40層は草原になっているのだが、何故か中央に大きな木があり、そのうろの中にダンジョンコアがあった。ちなみにその隣にはログハウスがあったので、ここで生活していたのだろう。


 ミクがログハウスから出てきたが中を漁って必要な物は持って出てきたようだ。その中に役立つ物が幾つかあったらしく妙に喜んでいる。それは光半神族リョース・アールヴの手記らしい。



 「中を本体が読んでるけど、どうもダンジョンマスターの能力に関しての考察を永くやってたみたい。その御蔭で何が出来るか、何が出来ないのかが分かった。後は呪いの品とかが幾つかあったね。何故か<奴隷の首輪>もあったけど」


 「そんな物まで使っていたのか。あの男は殺されて当然だぞ。まあ、本当に使ったのかは分からんが、置いてあったのなら使ったのだろう。それにしても呪物までダンジョンマスターが出せるのは色々問題だな」


 「まあ、ちょっとした事で呪物だと分かるから、基本は騙された奴が悪い。変な物を持たなきゃいいし、ダンジョン内で手に入れても使わないのが基本。当たり前の事を知らない奴は長生き出来ない」



 そんな事を話しつつダンジョンコアの観賞も終わったので、ミクが止めの正拳突きを放つ。いつも通り粉々に粉砕し、それと共に一行は外へと排出された。


 外に出てきたミク達は夕日を浴びつつ早々に王都へと戻り、酒場へと移動して行く。夕食を注文して席に座ると、落ち着いてゆっくりとし始めた。エイジ達もようやく息を抜けたらしい。


 運ばれてきた食事をゆっくりと食べつつ、下らない話で盛り上がる周りの言葉に耳を傾ける。今はそんな周りの喧騒がありがたいエイジ達。ダンジョン最奥の戦いがあまりにも常識外だったので、常識に戻りたいのだろう。


 夕食後、部屋に戻るエイジ達に媚薬と精力剤を渡すからと、コップを用意させるミク。今日は思いっきりヤってスッキリして寝るように言うのだが、ありがたいと受け取りいそいそと部屋に戻る女性五人。そして連れて行かれる男性二人。


 それを見送ったミクは部屋へと戻り、手に入った物を一つ一つ鑑定していくのだった。ローネとネルは互いに酒を飲みながら見るらしい。まずは39層で手に入れた小瓶からだ。



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 <天生快癒薬>


 人間種には作製不可能な治癒薬。飲めば切り落とされた腕や足さえくっ付ける事が出来る。また視力の回復や体の機能の回復、危険な薬物に汚染された肉体や脳まで回復する。尋常ではない効果の薬だが、ダンジョンから僅かに手に入れるしか入手方法が無い。ダンジョン産。



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 「やはりな、嫌な予感はしていたが当たりか。そもそも黄金色の薬という時点でおかしいのだ。普通はありえんが、コレを見ていると分かるな。それに出てきたのも小瓶だから……ミク、肉で転送したという事はまさか……」


 「どうも、この薬も本体で作り出せるみたい。<薬の神>が来て本体に記憶させておけってさ。仮に幾らでも作れるにしたって、こんな薬が必要になる事ってあるの………あー、成る程。この薬を飲むと非常に短い時間で体力とかが回復するんだって」


 「成る程、それならば使い道があるのが分かる。というより、全員一度は飲んでおいた方が良い。体の歪みとかそういったものも治る可能性がある。私達長生きには特に効く筈」



 二人が話している横で、呪いを食べ終わった物から続々と鑑定していく。その結果は思っているより面白い物だった。ローネとネルも興味津々で見ている。



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 <繋がりの首輪>


 着けた者と着けられた者の間で意思疎通が可能になる首輪。着けた者が血を一滴付ければ使用可能となる。意思疎通は可能だが、一方的に相手に送り続ける事も可能な為、場合によっては双方の仲を引き裂く恐れがある。



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 「………コレはどうなのだろうな? ミキには渡さん方がいいな。四六時中エイジに意志を送り続けそうだ。そうなればエイジは精神的に死ぬだろうし、連中が崩壊しかねん。コレは封印だな」


 「そもそも私達は【念話】を使えば済むし、最初から要らない物。むしろこれは喋れなくなった恋人同士とかに渡すべき。意志の疎通が出来なくなった者なら、むしろありがたがられる」



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 <射剣>


 魔力を篭めると飛んでいく短剣。篭める魔力量により飛距離と速度が変わり、上手く使えば相手の意表を突ける。ただし飛んでいった短剣は自力で回収しなければならない。元は魔力を排除する呪いの短剣であった。



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 <魔通しの弓>


 魔力を通しやすく矢に魔力を篭めやすい弓。元は頭を狂わせ呪いの矢を放つ弓であった。どのような魔法や魔力を篭めるかはそれぞれによるものの、上手く使えば非常に優秀な弓。所持者の腕が問われる。



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 <破壊のハルバード>


 魔力を篭めると硬く強化されるハルバード。元は狂戦士にする呪いが付いていた。敵に叩きつけても突き刺しても、そう簡単に折れもせず曲がりもしなくなるので、安心して振り回せる。ただし調子に乗って破壊し過ぎないように注意が必要な品。



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 <凍傷の槍>


 魔力を篭めると冷気を発する槍。篭める魔力によっては、穂先が凍るほどの温度になる事もある。相手に突き刺した後に魔力を篭めるのが基本。上手く使わないと自分まで被害を受けるので注意。元は体温を奪い凍死させる槍だった。



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 「これらの品を見る限り、エイジ達に渡す品だなこれらは。短剣ぐらいならば使えなくもないが、私が持つなら無理に飛ばす必要などないしな。牽制か、それとも驚かせるぐらいでしか使わん。それにミクの本体が作ってくれているのだろう?」


 「今は私のを作っている最中だね。後でローネのを作るってさ。それとネルでさえ【創神術】を使わないと加工出来ないって<鍛冶の神>が言ってるね。本神はハンマーで叩いて遊びながら加工してるけど」


 「神は何でもありだから聞いてもしょうがない。好き勝手に出来る方々が何やってるか聞いても、自分には出来ない事を聞くだけでしかない。私もミクに作ってもらえればそれでいい。余ったらエイジの盾?」


 「そうだね。あの<剣王竜>とかいう奴の鱗も爪も牙も使えるよ。喰いながら保管していったからね。私が喰いたいのは肉であって、骨とか爪とか牙とかどうでもいいし。アーククラスのドラゴンの武器になるから戦力はアップするかな?」


 『今回のように跳ね返されるという事は無くなるだろう。アーククラスのうえにドラゴンの素材だからな。俺も役に立てるようになるが、もう少し小回りの効く武器も欲しい』


 「ああ、確かに。分かった、作っておくよ」



 アーククラスのドラゴンというのはとんでもない存在の筈なのだが、ミクからすれば喰える肉であり武具の素材でしかないのであった。


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