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0182・王都に向けて出発




 夕食後はそれぞれの部屋に戻りゆっくりする。流石に一人増えたので、エイジ達もシロウ達も二人部屋に部屋を替えている。とはいえ明日には出発するので今日だけであるが。今ごろはエイジとシロウが頑張っているだろう。


 そんな事を考えているミクの隣では、すでに撃沈したネルが眠っている。わざわざ考え事をこちらでする必要は無いかと、ミクは肉体を停止するのだった。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 翌日。食堂で朝食を食べた一行は、東に向かって歩いて行く。その間も魔法の練習などを欠かさず行い、魔力量や闘気量を伸ばしていく。そうしながらも会話が弾むのか男以外は練習は捗っていないようだ。



 「そういえば昨夜は大丈夫だったのか? 流石のエイジもミキだけではなく、もう一人増えたのでは大変だったろう。流石に【超速回復】を持っているから何とかなったのかもしれんが、腎虚じんきょなどで死ぬ事はあるから気をつけろよ?」


 「いわゆる腹上死のような事は普通に起こるから気をつけた方が良い。幾らでも回復出来る訳じゃない。多くを食べないと痩せていくのと同じ、搾り取り過ぎれば死ぬ。そこは忘れないようにしなきゃ駄目」


 「あ、はい。そこは忘れていませんし、エイジが厳しそうなら流石に止めますよ。私もシェルも気持ち良くなりたいのであって、エイジを虐めたい訳じゃないですし。それに私達とするのが苦痛となっても困ります」


 「うん、私もそうだね。流石に有象無象の男から精を搾り取るのと、旦那様の精を注いでもらうのじゃ全然違うからさ、旦那様に負担を掛けたりなんてしないよ。気持ち良くなってもらって、私に精を注いでほしいからね」


 「そういえば、蛇女族ラミアーなら持っている筈の【魅了】のスキルが無くなってたけど、あれはどういう事? その種族が本来当たり前に持つものが無くなっているのは色々おかしい」


 「ああ、それね。蛇女族ラミアーの持つ【魅了】のスキルは【魔蛇眼】のスキルあっての物なんだよ。ところが私は蛇神様の加護で【霊蛇眼】というスキルに変わっているから、【魅了】のスキルも失われたんだ」


 「成る程な。【魔蛇眼】は対象を麻痺させる魔眼系のスキルだった筈。それを魅了の効果に変えるのが【魅了】のスキルだったのか。蛇女族ラミアーがどうやって魅了しているかなど知らなかったからな、そういう方法だったとは」


 「そういえば精を沢山集めないと位階は上がらない筈。エイジの事が好きみたいだけど、それはいいの? 位階を上げる為に冒険者を魅了して精を奪っていたんじゃなかった?」


 「何故それを知ってるのか知らないけど、流石にね。簡単に言うと、有象無象の精と旦那様の精は違うんだよ。蛇女族ラミアーの私が<精気酔い>を起こしそうな程にね、濃ゆいのさ///」


 「そういう意味でも嵌まった訳か。まあ、エイジ達を裏切りそうにないから構わんだろう。流石に何を仕出かすか分からんから警戒せねばならんのだが……何でエイジを好む女は、どいつもこいつも重いのだ」


 「「………」」



 星の巡り合わせだろうか、それともそういう運命なのだろうか? 考えても分からないが、何故かそういう人物は居たりする。本人が望んでいる訳でもないのに、何故か集まってしまう。不思議だが何処ででも起こる事でもある。


 それはそうと、シロウの方も色々と大変だったみたいだ。もちろん新しい加入者が原因なのだが、正妻に拘ったサエがバカバカしくなってきたらしい。



 「だってさー、ベルって男も女も好きになる人なんだよ。私の事も「好き好きー」って来るし、シロウと始めようとしたら横からいきなりキスしてくるし……挙句の果てにはシロウとシてる最中にいっぱいシてくるんだよー」


 「昨夜は良かったねー、サエもいっぱい気持ちよくなれたのかグッタリしてたし。だから結局、私とシロウはお互いだけだったよ。せっかくならサエもしてくれれば良かったのにー」


 「………」


 「お前の方は、お前の方で大変そうだな。とはいえ、半身鳥ハルピュイアの連中はそんなものだから諦めろ。そいつは更に何も考えていないっぽいが、半身鳥ハルピュイアの連中は良くも悪くも前向きだからな」


 「前向きというか、深く考えないから傷も少ない。その明るさは良い事でもあるけど、それ故に騙される者も多い。気を付けてやらないと駄目。とはいえ、流石に子供騙しに引っ掛かるほど間抜けじゃないけど」


 「半身鳥ハルピュイアの連中は、確かに間が抜けているのだがな、代わりに本質を見抜くのには長けているのだ。そいつが支配されたのは【誘惑の魔眼】の所為だろうな。魔眼系はそもそも強力なスキルだ」


 「ただし弱点もある。それは遠ければ遠いほど威力が減衰する事。あの男は多分長い間使ってきた事で、その距離の把握もそうだけど威力も上がってたと思う。あそこのダンジョンは結構長くあるらしいし」



 そんな話をしていると丁度良い休憩場所を見つけたので、そこで昼食にする事にした。適当に食堂で買ったサンドイッチを出し、ミクがアイテムバッグから何故か皿に乗った唐揚げを出す。


 新人二人以外は気にもせずに大皿から唐揚げを取っていく。新人二人も恐る恐るフォークで刺して食べてみると、猛烈に美味しかったらしく少々五月蝿い。仕方なく宥めて落ち着かせ、ゆっくり食べるように言う。



 「どうして、静かに食べろって言うの? 別に周りに誰も居ないよ? 魔物は居るかもしれないけど、倒しちゃえば良いじゃない」


 「いや、誰かが近くを通ってさ、目敏く見つけて寄越せって言ってきたらどうするよ。いちいち面倒臭いだろ? だから騒がず普通にしていればいいんだよ。そしたら誰も気にしないさ。唐揚げをくれてやる奴なんていないよ」


 「うん! それはそう! シロウの言っていることは正しい! 誰にも渡さないよー!」


 「いや、だからさ。黙って食べようか?」



 そんなよく分からない昼食も終わり、再び歩きだす一行。その後も練習しながら歩き続けデフ村に辿り着いた。いたって普通の村であり、それ以外に何も言う必要が無いくらい普通の村だった。


 一行はさっさと村の宿に行って部屋を確保し、そのまま食堂へ行く。夕食を注文して席に座ると、運ばれてくるまで雑談をして過ごす。運ばれてきた夕食を食べていると、商人らしき男と冒険者が入ってきた。


 そいつらはミク達を見つけるや強く睨んできたが、ミク達は無視して食事を続ける。エイジ達が何故なのか聞いてきたので、ハッキリと聞かせる。



 「単に宿の部屋が空いてなかったから、こっちに嫌がらせしてるんでしょ。村長の家に泊まる事になったんで、無駄に高いお金を払う羽目になったってだけの下らない事。ああいう事をする奴って頭が悪いのよ」


 「んだと、テメェ!!」



 そう言って一人の冒険者が立ち上がったが、ミクはその冒険者と商人どもへ凄まじいプレッシャーを向ける。初めて本質を解放してしまった時から色々頑張ってきたので、今では本質をほんの僅かに解放する事も出来るようになった。


 そのほんの僅かでも凄まじいプレッシャーとなるのだが、それを受けたバカどもは固まってしまっている。その後ゆっくりとプルプルし始めたが、どうやら失禁しているらしい。汚い奴等である。


 周りの村人には「クスクス」笑われているが、かなりのピンポイントで向けられている為、周囲への影響は殆ど無い。流石としか言い様の無いコントロールである。


 そのまま食事を終えたミク達は、さっさと宿に戻ったのだった。失禁野郎どもがなにかしてきたら喰うか洗脳する気だが、果たして彼等に襲ってくる程の根性があるのであろうか?。


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