0181・仲間達の現在のステータス
朝食後、町の外に出て訓練を開始する前に皆を集める。昨日39層で手に入れた玉が<人物鑑定の宝玉・一級>であった事を伝え、それを使用して新しい二人を含めて鑑定する事にした。まずは元のメンバーから。
■■■■■■■■■■■■■■■
<星川 美輝>
種族・人間族
性別・女
年齢・18
【スキル】・奉愛ノ肉体・狂愛ノ献身・勇剣術・覇気・気配察知・精神感知・性愛術・精神耐性
【加護】・愛の神・混沌の神
■■■■■■■■■■■■■■■
<御堂 紗枝>
種族・人間族
性別・女
年齢・18
【スキル】・癒しの肉体・魔弓術・魔力察知・罠察知・罠解除・魔力魔法・治癒魔法・房中術・精神耐性
【加護】・狩猟の神・治癒の神
■■■■■■■■■■■■■■■
<暗持 影二>
種族・人間族
性別・男
年齢・18
【スキル】・超速回復・棍棒術・盾術・挺身・頑丈・怪力・健脚・毒耐性・精神耐性
【加護】・肉体の神・盾の神
■■■■■■■■■■■■■■■
<夏目 四郎>
種族・人間族
性別・男
年齢・18
【スキル】・魔ノ理・魔力回路・集中力・風魔法・土魔法・音魔法・光魔法・絶倫・精神耐性
【加護】・魔の神・精の神
■■■■■■■■■■■■■■■
「何か増えてるけど……主に神様の加護の所為かな? それにしても……色々と言い辛い。増えたスキルがスキルだし、妙なスキルが多いなぁ……」
「俺なんて、何でコレが増えてんだ? って思うわ。修行の時も途中から精力剤なくても大丈夫だったけどさぁ! まさか神様の加護で【絶倫】なんてスキルが付くとは思わねえじゃん」
「おー、流石はシロウ。【絶倫】なんて良いスキルを持つなんて、夜が楽しみになってきた。昨日は出来なかったけど、今日はしよう。ムカツク事もあったけど、それで覚えたのもあるから楽しませてあげる!」
「ちょっと! 正妻は私だって言ったじゃない。その取り決め忘れたの? 私が先よ、先。もー、やっぱりこうなっちゃったじゃない!」
「うんうん、いいよー。サエがシロウの上でしている間、私はサエで楽しませもらうから大丈夫! 男も女も楽しまないと損だからねー」
「やべえ。この人、男女両方いける人だった。まさかの両刀使いだったとは……。でも、古い時代ってそんなのか? それとも半身鳥ってそうなのかな?」
「シロウの言う通りだよ。人間とかは面倒だよね、男がーとか、女がーとか。皆で一緒に楽しめばいいじゃない。楽しくて気持ち良い事に、男とか女とか関係あるの?」
「「うわぁ……強い」」
そんな連中の隣では、ミキと蛇女族の女性が、エイジを中心にして激しくやり合って……はいなかった。エイジを置いてけぼりにして、二人でコソコソと話している。
「そう、だからエイジはそこが弱点で………うん、そういう時にはお口を使って……うんうん、そうそう」
「へえ、成る程。旦那様はそういうのが好みなの? 私も他人を、それも男を好きになったのは初めてだからさ、よく分からなくて。………ふーん、そういうのが……へー、そういう事まで?」
エイジが遠い目をしているが、何故かミキと蛇女族の女性はノリノリで夜の事を話している。蛇女族の女性がエイジを「旦那様」と呼んでいるが、ミキに気にした様子は無い。そこが怖いエイジだった。
そんな両方のグループの話し合いを止めさせ、蛇女族の女性と、半身鳥の女性の鑑定を行う。すると、少なくとも蛇女族の女性の鑑定結果が変わっていた。
■■■■■■■■■■■■■■■
<シェルフェ・カーニアン>
種族・蛇女族
性別・女
年齢・41
【スキル】・蛇ノ愛・天槍術・剛力・霊蛇眼・性技・偽足変化
【加護】・蛇の神・槍の神
■■■■■■■■■■■■■■■
<ベルハール・ウィンレスティ>
種族・半身鳥
性別・女
年齢・36
【スキル】・天の眼・投擲術・風魔法・飛翔・健脚・性技・偽腕変化・偽足変化
【加護】・鳥の神・風の神
■■■■■■■■■■■■■■■
「二人もツッコミどころ満載だなぁ。……それよりも、シェルフェと呼んだ方がいいかな? それともシェルって呼んだ方がいい? 愛称で呼ぶ方が親近感湧くし」
「旦那様の呼びたい方で私は構わない。ただし、私が旦那様と呼ぶのを許して欲しい。それと、今日の夜に旦那様である事を、私のカラダに刻み込んでほしい。……たっぷりと」
「え、えーっと……ミキ? 何故ミキが満面の笑みで居るのか分からないんだけど? 俺、それがちょっと怖くてね? 出来れば説明していただけると助かるんですが……」
「実はね、シェルは結構重い人なの。どれくらいかって言うと、好きになったら全部好きっていうぐらいで、何処が好きって聞いても全部って言うのよ。つまり……私と同じくらい? だから気持ちはよく分かるんだ」
「あ、はい。そうですか………。えっ! そうなの!? ……いや、別に悪いとは言わないよ。ミキで慣れてるし、俺としては急にで驚いただけ。二人が喧嘩しなければいいよ」
「まあ、複数の女から詰め寄られたら、大抵は男に選択権なぞ無いからな。さっさと諦める事だ。女が二人に増えた時点で諦めるしかないし、それが一番上手くいく。古今東西、そこは変わらん」
「まあ、そうですよね。……っと、そろそろ練習ですか?」
「とりあえず貴方達が戦えるか確認するから、あと相手をするのは私とヴァルね。ヴァルはシロウ達をお願い。昨日はグレーターオーガを倒せたけど、アレはミキが激怒したからだし。普段から出来るようにならないとね?」
そのミクの一言から始まった戦闘訓練。エイジとミキだけではなく新たにシェルも加えて三人で戦わせたが、結局一太刀も浴びせる事が出来ず、ミクに枝でボッコボコにされるのだった。
ちなみにシロウの方も同様で、棒を持たせたベルを加えて戦わせたが、ヴァルに枝でボコボコにされた。人間種の足に慣れていない事もあるが、急に手に入ったスキルを全く使い熟せていない。
その所為で相手にならないのだ。昼食後も訓練は続いたが、結局ボコボコにされて終わっただけだった。グレーターオーガ如きが倒せても、アンノウンには手も足も出ないエイジ達。当たり前ではあるのだが、力の差を痛感したようだ。
夕方になり町に戻って夕食をとる。その間も全く歯が立たなかった事にブツブツ文句を言う新人二人。四人は今までボコボコにされているので、「やっぱりかー」という程度だった。それもそれで良くないのだが、今は放っておくミク達。
新人二人はそれなりに強さに自信があったのだろうが、これからは新人を加えた連携訓練をしなければいけないので、また修行の始まりである。その事に四人はガックリ肩を落とすも、明日からは移動となる事も伝えておく。
「ダンジョンは攻略したからね。だから次のダンジョンのある場所に移動しなきゃ駄目じゃない?」
「ああ……確かに。そういえば、そうでしたね。すっかり忘れてました。……ん? という事は、次は王都ですか!?」
「そう。まあ、向こうに着いたら、きっと幻想は壊れる。人が多くてスラムがあって、綺麗なのは貴族街と王城付近だけ。どこの国の首都でも変わらない事。召喚した国もそうだったよね?」
「「「「………」」」」
ネルが容赦なく指摘し、四人は沈黙という肯定を返す。悲しい事だが、それが現実である。




