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0150・ミクについて




 「それにしても、何で裸だったんですかー? 幾らなんでも誘惑しようとかそういう事じゃないですよねー? そういう理由だと怒りますよ!」


 「いや、二人が怒っても私には何も出来ないけどね? 仮にここに居る私を殺しても、私の本体にとっては何の痛痒も無いし、君達に例えるなら爪の先を切られた程度だよ。もしくは髪の毛の先を切られたぐらい? どのみち大した事じゃないね」


 「本体? ………もしかしてミクさんの本体って肉だったりしません? 肉の塊が浮いているというか、そこに口が付いていて牙が生えているとか、触手が生えているとかですか?」


 「ん? 触手ならほら、普通に出せるよ。あと、私の本体が肉の塊なのは正しい。でも、何で分かったの?」


 「うわぁ………。マジかー……四郎、トトゥルヴ神話だ。神話生物だよこのヒト……」


 「トトゥルヴって……うわ! マジかよ!? それってシャレになんねえじゃん。アレだ、仮に殺しても簡単に復活されて追いかけ回されたり、触手で引き千切られたり、頭から丸呑みにされたりするんだろ?」


 「そうだよ。黒コゲにされたり、粘液で溶かされたり、頭が狂ったりするんだよ! ………うわー、マジかー。絶世の美女の姿だけど、中身は神話生物とか無いわー」


 「神話生物って初めて聞いたね。まあ、別に何でもいいけど。私の事をすんなり理解できたようだから助かるけど、だからこそ君達を監視すると言ったのも逃げられないのも分かるでしょ?」


 「「あ、ハイ」」


 「影二と夏目君は分かっているみたいだから、後で詳しく聞こう。それより先ほどは何故裸に?」


 「私のさっきの姿は<暴食形態>といって、目の前のものを喰い荒らす為の姿なんだけどね。そうなると大きくなるから装備とか服が千切れちゃうんだよ。勿体ないから服を肉の中に収納してるって訳。だから<女性形態>に戻ったら裸なんだよ」


 『ちなみにだが、使い魔である俺も色々な姿に変われる。本来の魔女の使い魔であれば不可能なんだが、俺は主と肉を共有できるので変えられる訳だ。ちなみにだが、今まで喰った事のある魔物の姿にも変われるぞ?』


 「おっと、それで思い出した。この星でも同じかは分からんが、私達が居ない時にオークに遭ったらすぐに逃げろよ? 複数相手だとお前達では絶対に勝てんし、奴等は見境無く女に種付けするからな? 壊されても尚、奴等はヤり続ける」


 「「「「………」」」」


 「それだけじゃない。何故かあいつらは女の姿をしているなら孕ませる事が出来る。だからこそ女というだけで襲われる。特に力と耐久力が高いうえ、複数で群がってくるから倒されたら終わり」


 「後は群がって犯されて孕まされるってわけ。まあ、私の場合はそんな事も無く、オークを生きたまま貪り喰うけど」


 「流石、神話生物! 発想が常人とは違いすぎる。っていうか、オークってそんなに怖ろしいんですね。女性の敵を超えてる気がするんですが、何故そんな奴等が野放しになってるんですか? 普通は根絶やしにしようとする筈ですけど……」


 「もちろんだ。だがな、被害者が後を絶たん。影二、お前は勘違いしているかもしれんがな、ゴブリンやコボルトにオーガの雌ですら奴等は犯すぞ? 人間種が被害を受けていなくても増えるのだ。奴等は雌なら何でも犯す」


 「「「「………」」」」



 高校生四人がドン引きしているが、事実なのでキチンと教えておかなければいけない。ただ、この星のオークが同じとは限っていないのだが……それでもミク達は同じ可能性が高いと思っている。ゴブリンもそうだったが、前の星とソックリなのだ。


 なので、そこまで大きな違いのある星には飛ばされていないと思っている。そんな事を考えていたら、美輝と紗枝が言い難そうに頼んできた。



 「ミクさんにお願いがあるのだが……昨夜の媚薬を少し分けていただけないだろうか? まだ二回目だし、きっと痛いと思うのだ」


 「はいはーい! 紗枝も媚薬を試してみたいです! ついでに精力剤も試してほしい。美輝ちゃんから聞いたらスゴかったそうなので、一度だけ試してみたいんですー!」


 「まあ、幾らでも作れるから別にいいけどね。ただし入れ物は自分で用意してよ? どうするかは知らないけどさ。ああ、水筒として買った革袋。まあ、それでいいなら入れてあげるけど」



 革袋の中を【超位清潔アーククリア】で綺麗にしたミクは、指先を突っ込み媚薬を入れていく。腐ったりしたら意味が無いので少量だけ入れ、欲しければその都度言ってくるようにと伝えておく。


 美輝と紗枝は驚いているが、影二と四郎は驚いていない。何となくで想像できていたんだろう。



 「トトゥルヴ神話の中には纏っている粘液が劇毒だったり、何でも溶かしたりとかあるんです。なら媚薬とか精力剤でも、変ではないかなーと思うんですよ」


 「実際には私の中で生成しているだけなんだけどね。神どもいわく、私は結構色んな物を生成できるようになるらしいからさ。今では猛毒とか麻痺毒とか<幸福薬>とかも生成できるし、<聖霊薬>も<紅の万能薬>も生成出来るよ」


 「万能薬を作り放題って無敵過ぎない? そのうちエリクサー作り放題とか、ソーマとかアムリタを作り放題になったりして。……影二、オレすっごく嫌な予感がする」


 「言うな四郎。俺もその予感しかしない。ラストエリクサー無限とかいう、意味不明な事になりかねないと思う。完全にバランスブレイカーだし、チートを超えるナニカだよ。……って、よく考えたら神話生物なんだから何でもアリか」



 精力剤も入れ終わったが、何だか男子二人が色々と悟った顔をしていたのが印象的だった。そのまま女子二人に腕を組まれて連れて行かれたので見送る。すると、ローネとネルもいそいそと準備を始めるのだった。


 それを見てヴァルと顔を見合わせたミク。お互いに溜息を吐きながら、ローネとネルを一人ずつ挟んで満足させていくのだった。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 「いやー、それにしても神話生物だなんて驚いたなー。実際に居るとか冗談でもシャレにならないのに、本当に実在するんだもんな。もう、笑うしかない」


 「何かそんな事を二人で言ってたけど、それって何?」



 影二は美輝に自分の知っている範囲の事を説明していく。実は影二も四郎もそこまで深い重度のオタクではない。なので、知っている範囲の事だけを教えていく。そして何となくで理解した美輝。



 「つまり、あのミクさんの姿は本体の一部でしかなくて、そのうえ女性の形になっているだけ?」


 「そうそう。肉の塊が人間の形になっているだけ。だから生きている俺達とは根本的に存在として違うんだ。言うなれば脳も無ければ骨も無い、内臓は……どうなんだろう? いくつかそれっぽい機能は持っていると思う。食べるんだし」


 「………右腕が触手とかになってたもんね。ああいうのが本体なんだ……」


 「現実で神話生物が敵とか怖すぎるけど、神話生物が味方とか頼もしすぎる。正直に言って拾ってもらって良かった。いつでも殺せるのに助けてくれたって事は、今のところは殺す気が無いって事だしね。むしろ安全度が上がったよ」


 「そうなんだ、それは良かった……。ところで、そろそろ飲んでもいいかな///?」


 「う、うん。俺も飲むよ。……でも大丈夫? 昨夜、自分でもビックリするほど絶倫だったんだけど。体は変になってない? 女性は大変だって聞くけど……」


 「大丈夫だよ。昨夜は衝撃的な一夜だったけど、凄かったのは覚えてるんだ。何度も何度も影二に染めてもらえて嬉しかったし、凄く気持ち良かったの。………だから、今日もいっぱいシて?///」


 「!!!」



 美輝は精一杯誘惑してみたようだが、経験の浅い影二はあっさり暴走したようである。とはいえ、美輝は歓喜の声を上げて受け入れているのだから、二人はこれでいいのだろう。


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