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0145・召喚初日の終わり




 本日の訓練は終わり、町へと帰る前にミクが全員に【超位清潔アーククリア】を使って綺麗にしておく。ミク達だけなら適当に【清潔クリア】の魔法で済ませるのだが、高校生達は病気に弱い可能性もあるのでこうなった。



 「あれ? ローネさんって【浄化魔法】のスキルを持ってませんでしたよね? オレそれは覚えてるんですけど、何で魔法が使えるんです?」


 「四郎。お前が何を勘違いしているのか知らんが、スキルが無くとも魔法は使えるぞ? 各魔法のスキルを持っていると、持っていない者に比べて上手くなりやすいのだ。それだけの事でしかない」


 「武器系のスキルもそう。持っていなければ使えない何て事は無いよ? 持っていれば上手くなりやすかったりするだけ。ただし美輝の持ってる【勇剣術】や【覇気】。影二の持ってる【超速回復】や【挺身】は別。あれらは努力では得られない」


 「要するに、努力でどうにでもなる物と、どうにもならん物があるという事だ。そもそも普通のスキルであろうと特殊なスキルであろうと、努力に勝るものは無いがな。優秀なスキルを持っていても、それに驕って簡単に死ぬ奴もいる。スキルで優劣は決まらん」


 「「「「へ~………」」」」



 町に戻り宿への道を歩いていると、ヴァルとネルが居たので合流する。そのまま食堂に行き夕食を食べるのだが、お腹が空いている男子高校生二人は二人前を頼んでいた。それを見て女子高生二人がミク達に聞く。



 「あの、あんなに食べて大丈夫でしょうか? 夏目君はともかく影二君は流石に……」


 「別に良いんじゃないの? 今日はローネが沢山運動させてたみたいだし。多分食べてる以上に消費してたんじゃないかな、割と容赦無かったようだから。それより四郎の方が問題かもね。一応槍の使い方も教えてたけど、メインは魔法だったし」


 「ちゃんと夜に動いてもらうから大丈夫ですー。私も気持ちよくなれますし、丁度良いですねー」


 「紗枝、それはもしかして///…その……夏目君とはそういう事をする関係なのか?///」


 「それはそうだよー。だって高校生だし、そういう事に興味あるお年頃だもん。私も興味あったからシてみたの。最初は大変だったけどねー」


 「何だ? 四郎はヘタクソだったのか? まあ初めてだったのなら仕方ないだろうが……という事は下手も何も無いな。………ああ! 早かったのか!」


 「うぉい!? ちょっと、いきなり何言ってんすか!? 急にオレの話題になったらソレって酷すぎない? もうちょっとマシな扱いにしてもらえませんかね」



 そんなワチャワチャした食事が終わった後、一旦全員がミク達の部屋に集合した。明日からの予定と、今日の情報収集の結果を共有する為だ。まあ、それ以外にも色々あるらしいが、まずは話の前にネルがアイテムバッグから取り出した。



 「コレは音魔法の【消音空間サイレントエリア】を使えるようにした魔道具。これを設置している部屋は音が外に漏れない。影二と四郎に渡しておく。ついでに魔石も十個ずつ」


 「ありがとうございます……? 短い棒の上に球体が付いてるって、何かのアンテナみたいですね。で、棒の下は台形の土台に繋がっていると。ああ、台形のココが開いて魔石っていうのを入れるんですね?」


 「影二スゲーな、お前。オレはとりあえずで弄ろうとは思わねーよ。壊したらシャレにならない気がするのに、お前ってば、あっさりガチャガチャと……。ある意味で尊敬するわ。真似しないけど」


 「壊れたら直すから問題無い。宿の部屋には薄い壁の所が多い。ヤれば確実に声が響くから気を付けるように。後、それ以上の魔石は自分達で確保する事。じゃあ、魔道具を使ってから話す。けど、まずはヴァルから」


 『ああ、まずは俺の姿を見せなきゃいけないな』



 そう言ってヴァルは消えた後で再び現れる。今度は黒い狐の姿だった為、高校生四人が驚きの声を上げた。<消音の魔道具>を使っておいて正解である。すぐに四人を落ち着かせ、ヴァルから話をさせていく。



 『俺はそもそも主の<使い魔>だ。大元は主の魂の一部にあり、主が滅ばない限りは不滅の存在となる。体が自由に変えられるのは特殊なんだが、<魔女の秘法>と呼ばれるものの一つである<使い魔創造>で生み出された』


 「「魔女!! ……イタタタタタ」」



 魔女というワードに反応した影二と四郎。しかしながら美輝と紗枝に耳を引っ張られる。まあ、話が進まないのでスルーして情報収集の結果を話していく。



 「ヴァルの紹介も終わったから話を続けるけど、この国はトロッティア王国と言って大陸の西側にある。西にもう一つ国があるらしいけど、そっちは行く意味が無い。ダンジョンも無いみたいだし」


 『だから行くべきはここから東となる。村を三つと町を越えると国境があるそうだ。この国の王都は東に寄っているみたいだな。何故かは知らんが、召喚陣があるからかもしれん。主が壊したので、もう使えんが……』


 「「「「えっ!?」」」」


 「召喚陣のあった部屋で暴れたけど、あれは騎士を倒すのに見せかけて召喚陣を破壊する目的もあったんだよ。あの召喚陣を直せると思ってるかもしれないけど大間違い。あれを修復するには神どもの力が絶対に要るんだよ」


 「だから、あの召喚陣はもう使えない。それは横に置いといて、ここから東の国を目指して明日から移動する。こちらの情報収集はそんなものだった。そっちは、どう?」


 「こっちは基本だけだね。半日で出来る事なんて高が知れてるし、今日からコツコツと進めるしかない。まあ、時間は幾らでもあるんだし、これからに期待ってところかな?」


 「影二と美輝に関しては、まあまあというぐらいか。修行も訓練もしていない連中だ、所詮こんなものだろう。影二は【超速回復】があるからいいが、美輝には無いからな……。休憩の間は剣でも振らせるか。下半身がまるでなってない」


 「どのみち魔物と戦わせるのは、早いと言わざるを得ないね。今戦わせても最初と同じ様に刺されて死ぬだけだろうし、碌な事にはならないよ。まあ、当たり前の事だけど」


 「兵士だって最初は走るのと素振りだからな。これが一ヶ月ほど続いて、ようやく次の訓練に移行する。それだけの金銭はあるが早めに実戦に移るべきだ。こいつらのスキルは実戦向きだし、兵士のように鍛える必要も無い」


 「じゃあ、これで話し合いは終わりだね。……そうそう忘れてた。はい、コレ。影二と美輝には必要な物だから渡しておくよ」


 「何ですか、これ? ガラス瓶に入ってますけど………ピンク色の液体と水色の液体?」



 ガラス瓶を渡したミクは<鑑定板>を取り出して、その上にどちらかのガラス瓶を置くように言う。<鑑定板>の説明をすると、影二と四郎が興奮したように話し掛けてきた。鬱陶しいので頭をはたき、さっさと鑑定させる。



 ■■■■■■■■■■■■■■■



 <精力剤・神級>


 神がとある存在に渡した精力剤。一口飲めば絶倫になるが、早く漏れる人は大変な事になるので要注意。とある存在は一晩で搾り取りきってしまうので、手は出さないように。



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 <媚薬・神級>


 神がとある存在に渡した媚薬。女性の肉体を興奮させ快楽を強く感じる事が出来るようになる。処女でも十二分な快楽を得られるようになるが、一生に一度の経験として正しいかどうかは本人次第である。



 ■■■■■■■■■■■■■■■



 「「「「………」」」」


 「まあ、初めての経験が嫌で二度とヤりたくなくなる女も居るからな。嫌な思いをさせたくないなら使っておくべきじゃないか? 私はそう思うぞ」


 「私もそう思う。実際、私もあんまり良いものじゃなかった。それでも子供は二人産んでるけど」


 「私なんてミクに出会うまで満足した事も無かったが、子供は四人産んでいるぞ? とっくに寿命で死んでいるがな」


 「「「「………」」」」


 「まあ、とにかく部屋に戻りなよ。今日はスッキリしてから寝るといい。明日も早いしね。………それじゃ、おやすみ」



 無理矢理追い出すように部屋の外に出したが、影二と美輝は緊張した様子で部屋に入って行った。二人は大丈夫だろうか?。


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