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0115・自分の鑑定板




 ダンジョンを脱出する前に<鑑定板>を使って鑑定しておくミク。実は呪いの付いたナイフが気になっていたのだ。呪い自体は喰らったが、その事でどう変化したのかが分かっていない。<呪いの神>も教えてはくれなかった。


 <鑑定板>に乗せて魔力を流すと表示されたものの、その結果に微妙な表情を隠せない二人。何でこんな結果になったのだろう?。



 ■■■■■■■■■■■■■■■



 <発情の魔剣>


 とある存在が呪いを貪り喰い、呪い自身が己を残そうと抗った。その結果、効果だけがこびり付いて残るという、極めて特殊な経緯で誕生した魔剣。切りつけた相手を強制的に発情させる。元は呪いの付いたナイフであった。



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 『何でこう、呪いを喰うとおかしな事になるんだろうな? 普通は呪いが消えて元々の物が残るだけだと思うんだが……呪いにも意志があるのか、妙な事になってるな、毎回』


 「それを言われてもねえ。私がやりたくてやってる訳じゃないし、そもそも呪いが勝手にやってるんだから、私でさえどうにも出来ないよ。魔剣になれるんなら、最初から魔剣になってればいいのに」


 『まあ、言いたい事は分かる。最初から魔剣ならもっと価値は高かっただろう。呪いのナイフだったからか、嫌がらせに使われただけだったしな。あの的当ての店主も何を考えていたのやら』



 そんな話をしながらダンジョンを出るミクとヴァル。外に出ると既に夕方だったので慌てて王都に移動し、宿の部屋へと急いで戻った。中では二人が爆睡しており、部屋の中が荒らされた形跡は無い。


 ミクは二人を起こして目を覚まさせ、酒場へと移動して夕食を注文する。二人は早速酒を注文しているが、起き抜けに飲んで大丈夫なのだろうか? 最悪は万能薬を注入しておこうと決めるミクだった。



 「そういえば今日はダンジョンに行くと言っていたが、どうだったんだ? ミクの事だからまあ………行ったのだろうが」


 「そうだね。行ってきたよ。まあ、色々大変だったけど、細かい話は部屋に戻ってからかな? ここで話しても仕方ないし……。それよりも今日は一日休みだけど、二人共寝てただけ?」


 「寝て回復しないとどうにもならない。昨日以上にボロボロだったから、まだ回復していない感じがする。頭も重いし、もうちょっと手加減してほしい。無理矢理詰め込んでも良い物は作れない」


 「物作りだけじゃないぞ、戦闘訓練だって同じだ。詰め込んだところで大半は忘れる。本当に覚えさせるなら、一つずつ時間を掛けるしかない。詰め込まれたところで何時まで覚えていられるやら……」



 相変わらず愚痴しか出ないようで大変みたいだが、夕食を終えてダラダラと宿の部屋に帰る。部屋の椅子やベッドに座り、ミクにダンジョンの話を催促する二人。ミクも部屋ならいいかと話していく。



 「まず1~9層は平原だったね。特に何の変哲もない場所。浅い層だから当然ではあるんだけど、大した魔物も居なかった。ボスはコボルト十体とハイコボルト。これも大した事はない」


 「まあ、何処のダンジョンでも浅い層というのはそんなものだ。浅い層から難しいと誰も近寄らないからな。人間種を間引きする為にも、ダンジョンに入れなければならん。浅い層は撒き餌だ」


 『11~19層は草が繁茂した草原だな。普通なら足をとられる層だ。地味な嫌がらせに近い。後は背丈の低い魔物が多かったな、草に紛れて強襲してくる。ボスはオーク十体とハイオーク三体だ』


 「オーク十体はともかくハイオーク三体は厄介。連携などをしてくる可能性が高い。女なら突っ込んで来るとはいえ、唯のオークよりは冷静に戦う。ここのダンジョンは難易度が高い?」


 「かもね。21~29層は洞窟のような地形。どっちに行ってるのか分からなくなるのが厄介だった。ボスはハイオーガ五体とグレーターオーガ。ボスよりも地形が厄介な層だね」


 「いやいやいやいや、普通ならそこで詰むぞ。ハイオーガとグレーターオーガと戦って、当たり前に勝つというのは相当難しいからな? ミクなら勝って当然だろうが、普通のパーティーはここで死ぬ」


 『ロディアス達なら突破するだろうに。31~39層は沼地だった。足がとられて面倒なのでヒッポグリフの姿で飛んで行ったがな。ボスは頭の無い鎧騎士と馬だった。強さはグレータークラスの上位ぐらいか』


 「「デュラハン!?」」


 「そう言うの? 名前とか知らないから<動く鎧>って勝手に思ってたよ。私が受け止めて、ヴァルがバルディッシュで叩き割って終わったね。だから然して強くもないボスだったよ」


 「「………」」


 『まあ、主や俺にとってはそこまでだったというだけだ。で、41~49層は氷原だった。極寒の地形でな。間違いなく地形の寒さで殺そうとしている場所だ。砂漠の地形もそうだったが、間違いなく神の殺意の高さ、その表れだろうな』


 「だね。で、最奥のボスは飛べない鳥みたいな奴だったよ。何ていう魔物か知らないけど、私の身長の倍以上大きい奴で、ソイツが氷の上を滑ってくるんだ。ビックリするほどの速さで」


 『ああ。怖ろしい速さで突っ込んできて、こちらを轢き殺そうとしてくる。そんなボスだった。巨大な体で圧し掛かってきたりとかな。地面が氷なのもあって非常に戦い難かった』


 「それで突っ込んで来たところを私が受け止めて、ヴァルに【深衝強撃ショックスマッシュ】を叩き込んでもらったんだ。結局、その一撃で終わり。最後はあっけなかったよ。で、出てきたのは<鑑定板>だった」


 「「おぉー……!!」」


 「<鑑定板>は国に売れば莫大な値で買ってくれるからな、基本は国に売却されて普通の奴は持ったり出来んのだ。これが<鑑定板>か………ちょっと調べてみていいか?」


 「別にいいよ。使える回数が決まってる訳でもないし」



 ローネが自分のアイテムバッグから短剣やナイフを出して<鑑定板>の上に乗せる。魔力を通すとすぐにウィンドウが現れたが、ローネは落胆したようだ。



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 <鋼の短剣>


 丁寧に作られているものの、特筆するところもない普通の短剣。それなりには腕の良い鍛冶師の作であろう。剣身が黒く塗られている。



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 <鋼のナイフ>


 丁寧に作られているものの、特筆するところもない普通のナイフ。それなりには腕の良い鍛冶師の作であろう。剣身が黒く塗られている。



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 まあ、鑑定結果を見れば落胆する気持ちも分からなくもない。業物だと思っていたら、それなり判定でしかないのだ。もちろん<鑑定板>の結果ではあるので、この星の基準では業物なのかもしれない。


 次にネルが短剣と槍の穂先をアイテムバッグから取り出した。地味にネルも楽しそうな顔をしているが、鑑定結果に困った顔をしてしまう。



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 <鋼の短剣>


 <※※の神>に教えを受けながら打たれた短剣。元の職人の腕前と神の指導により、非常に優秀な品質となっている。切れ味が非常に高く頑丈な一品。



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 <鋼の槍の穂>


 <※※の神>に教えを受けながら打たれた槍の穂。元の職人の腕前と神の指導により。とても素晴らしい品質となっている。刺突も斬撃も出来、切れ味も抜群の品。極めて高い品質を誇る最良品。



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 また神の名が微妙に出ている。この微妙なアピールは何とかならないのかと思うミク達だった。


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