第四章 両想いになる
その後、栄子は逮捕された。陽一は泣きながら、彼女が連行されるのを見送った。
『さようなら、栄子さん…』美波も複雑な気持ちで見送った。もう少し早く陽一の愛に気づくことができていれば、このような連続殺人事件は起きなかったのでは…美波は栄子と陽一の切ない愛の結末に思わず泣きそうになった。
数日後、美波は秀樹を学校の屋上に誘った。
「どうしたんだ、急に?」
「秀樹、あのね…これまで私、臆病で、なかなか言えなかったんだけど、今なら言える。今だからこそ伝えたい。私は秀樹のことが好きです。私と付き合ってもらえませんか。」と美波は思いきって言った。なぜか目を閉じて涙を流しながら。
すると秀樹はにっこりと笑った。
「ありがとう。俺もずっと前から好きだったけど、なかなか言えなかった。でも今、そうやって美波の方から言ってもらえて、めっちゃ嬉しい。ありがとな。」
こうして、美波と秀樹は抱き合ってキスをした。茜色に染まった素敵な夕方の空の下で。
その後、ぞくぞくと新しいカップルが登場した。太田先生と山本先生。岸警部と池上警部。ジョン・マツシタと三島由衣。意外にも彩乃と淳。
みんな体育館に集まり、盛大にクリスマスパーティをした。元からカップルの礼奈と大智、そしてできたてカップルの美波と秀樹ももちろん参加した。
みんなで踊ったり話したり、おいしいものを食べたりして、夢のような時間を過ごした。愛を伝えることで得られた幸せを深くかみしめながら。