表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カニヴァな彼女  作者: 椎家 友妻
第一話 あは~ん♡
5/28

5 あの子は転校生

 工口高校にたどり着くと、奈吾さんは校舎玄関の所でペコリと俺に頭を下げて礼を言い、職員室へ向かって歩いて行った。

 う~む、顔は可愛くスタイルも抜群。

 おまけに礼儀も正しい。

 彼女はぜひとも俺の居るクラスに入って欲しいものだ。

 そう切に願いながら、俺は玄関をくぐって靴箱の所で上履きに履き替えた。

 そして廊下に出るとそこに、やけに頬を膨らませた伊緒が、仁王立ちで俺を待ち構えていた。

 「ヤー君、竹刀で叩かれた頭は大丈夫?」

 俺が近くに歩み寄ると伊緒はそう言ったが、その気遣いの言葉とは裏腹に、表情は完全に怒っていた。

 俺は伊緒に尋ねる。

 「頭は大丈夫だが、まだ怒ってるのか?」

 すると伊緒は少し声を潜めてこう言った。

 「ヤー君、さっきの子、誰なの?」

 伊緒は、俺が玄関の所まで一緒だった、奈吾さんの事が気になるらしい。

 どうやら一緒に学校へ登校した所をバッチリ見られていたようだ。

 なので俺は正直に答えた。

 「あの子は今日からこの学校に通う事になった転校生なんだが、来る途中に道に迷ってたから、ここまで案内してあげたんだ」

 「ふぅ~ん、優しいんだねっ」

 そう言ってそっぽを向く伊緒。

 何やらまた気を悪くしたようなので、俺は冷静を装って弁解した。

 「待て待て、俺と彼女は今日初めて会ったばかりだから、伊緒が妄想するような(みだ)らで淫猥(いんわい)でフシダラな事はしてないぞ」

 「そんな妄想してないよっ!それはヤー君の方でしょ!」

 「いかにも」

 「いかにもじゃないよ!」

 などという会話を経て、俺と伊緒は三階の一年A組の教室にやって来た。俺と伊緒はクラスも同じだ。教室に入ると、クラスメイトで悪友の片桐(かたぎり)直也(なおや)が、上機嫌で俺に声をかけてきた。

 「よ~う、聞いたかよ古賀?」

 「やけに上機嫌だな。新しい××なDVDでも手に入れたのか?」

 「違うよ。そうじゃなくて、今日ウチのクラスに転校生が来るらしいんだ。それも、とびきり可愛い女の子」

 その言葉に、傍らの伊緒がムッとした顔をしたが、俺は構わず直也に言った。

 「ああ、そうみたいだな」

 「何だ知ってんのかよ?でもまぁ、お前には関係のねぇ話だな。何せお前には、そちらの伊緒ちゃんが居るんだもんなぁ」

 すると伊緒は、ジトッとした目で俺の方を見た。

 俺はその視線をいなし(・・・)ながら続けた。

 「ああ、そうだな」

 「くはーっ!言ってくれるねぇマッタク」

 自分の額に手を当て、悔しそうに天を仰ぐ直也。一方俺の言葉を聞いた伊緒は、幾分機嫌を直した様子で自分の席へと歩いて行った。

 可愛い奴め。

そんな中直也が、俺を指さして言った。

 「まあそういう訳だから、転入生の子には手出しすんじゃねえぞ。その子は俺が頂くんだからな」

 それに対して俺は、キッパリとこう答えた。

 「それとこれとは話が別だ!」

 「おいおい」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ